蝸牛のこちょこちょ

みずしろの普段着物と手仕事と好きなものの記録。

単衣と針山とその他もろもろ。

2022年02月25日 | 作ったもの
 また全く外出できなくなってしまいまして。
 ま、出られんだけで皆元気、ありがたいことです。幸い、家にいてもやりたいことは山のようにあるし(笑)

 で。
 銘仙は相変わらず八掛を買いに行けず、しばらくお預け。雪が続いて洗い張りもできず、アイロンで伸ばしてしまいました。伸子はもうちょい暖かくなってからですね。
 その前に単衣で練習しておきましょうと更に手を付けたのがこちら。

 
 解く前を撮ってなかった……。
 随分前に確か古着屋で買った男物の単衣です。素材がどうも分からなくて、折り目のつかなさはウール、柔らかくてしんなりした感触はレーヨンに似てるんだけど、ウールのチクチクはないし、レーヨンにしては縮まないし、燃焼試験をしてもアセテートの匂いではない……。なんだろうこれ。
 とりあえず埃っぽかったので一度洗いました。いつも通り、まず下前の衽だけ洗ってみてテストしてから。
 匂いもほぼなく、水には青ではなく茶色の、植物のアクによく似た色が少し出ました。……まさか、本藍? 縫製もめちゃくちゃ綺麗だったけど。まさかな……。

 
 解きものスタイル。実際はもうちょい広げますが。
 使うのはリッパー、毛抜き、はさみ、デザインナイフ。布の上に乗ってるのが目打ち。
 古い着物は、縫い糸がガッチガチに固まってしまってることがままあります。糊でもつけたかと思うくらいカチンコチン。あるいは袖のかんぬき止めなど、盛り上がるくらいぐるぐる巻きにしてあったり。そういうのはリッパーもはさみも入らないので、デザインナイフの刃を糸の繊維に当ててそうっと切ります。押したり引いたりせずにただ当てるだけ。切れ味のいい刃はナイフ自体の重みだけでスッと切ってくれます。
 あとはひたすら使いやすいものを使って解くだけ。

 
 これ肩当て布です。こんな凝ったの初めて見た。すごく丁寧にいせ込んで形作ってあって思わず撮ってしまいました。
 やっぱ結構いい着物なんかな、こんな上質なつくり……。解いちゃったけど(
 とてもとても及ばない技術ではありますが、大事に縫い直します。

 
 教本には新しく仕立てる方法は載ってますが、仕立て直しは載ってないので手探りです。
 いま両方の衽がついたとこ。絎け縫いはまだ。
 単衣は難しく考えるところがほぼ無くて、ひたすら運針と絎け縫いをしているといつの間にか形になってるから好きです(笑) 袷はどうにも順番が呑み込めなくてですね……。本によって書いてあること違うし(笑)


 この途中まで、針山はミニチュアの植木鉢に原毛を詰めて軽くフェルト化させたものを使ってました。
 かわいいんですけど、針の先が素焼きの鉢に当たってガリッというのがどうしても気になって、作り直し。
 
 真ん中奥が今までの、右手前が新しいものです。
 箱は常備薬の外箱を浅く切って布を貼りました。中身は戴きものの端切れ(正絹八掛の端っこ)を丸く縫って原毛を詰めたもの。柔らかめに作ったら、なんか小鉢に大福入れたみたいになりました(笑)
 針はもう和針ばっかりです。まち針はパッチワーク用の細いの。

 
 まち針は五本一組で出して、戻してないのが一目でわかるように、五弁花のかたちに刺します。
 作業中はアイロン台なんかに仮に刺すことも多いんですが、ふと見たら影が可愛かったので。
 ところで五弁花、なに連想します? わたしどうしても梅なんですけど、母はイチゴだって。

 
 これは人形の着物を縫ってるとこ。あんまり小さくて普通のかけはりでは邪魔になるので、アイロン台にミニクリップを留めてみたらいい感じ。
 
 普通のかけはり。結局新調しました。
 うちのテーブルはどうも厚かったり形状が特殊だったりで、クランプ式のくけ台が固定できないので、これもアイロン台にくっつけてしまってます。
 このままでは動いちゃうので上に針箱やら本やらドサドサ置いてて、なんか、スマートでないんですけど、やむなし。


 そんな感じで、ちまちまちまちま縫ってます。
 単衣の季節のころには、普通にお出かけできるようになってるといいなあ。


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