蝸牛のこちょこちょ

みずしろの普段着物と手仕事と好きなものの記録。

デニム着物レポ

2020年03月26日 | 普段着物

 着てみました。

 
 なんか乗ってますがお気になさらず。
 衿を大きく抜くと、古着の羽織は乳の位置が高すぎて別の装身具のようになります。早よクリップタイプの羽織紐作らな……。

 デニム着物と言っても今はいろんなメーカーさんからいろんなタイプが出てます。
 わたしが買ったのはかなり安価な部類で、ぺらっぺら。(笑)
 でもその分気軽に着て、洗濯機で洗えるよ、というタイプです。

 要は木綿の単衣ですが、ぺらぺらといってももちろん透けたりはしません。
 柔らかくて、最初から身体に馴染むし、着ていても楽です。主に気が。
 気軽に洗えないと、やっぱ飲食なり外出なり何かと気を遣いますから。
 気を遣っているように見えないかもしれませんが(オフで会ってる人へ)、一応遣ってるのです。あれでも。

 ひとつだけ問題点。

 
 衿もぺらぺら。

 普通、着物のバチ衿は布を何重にも折りたたんで厚みを出してつくります。
 しかし、このデニム着物は中に一切布が入っていません。おそらく芯も貼ってない。ぺらぺら。
 これは洗濯機でガンガン洗うには利点です。普通の衿の厚みだと、なっかなか乾かないし、洗濯機じゃヨレちゃうかもしれません。
 しかしその薄さ故に、衿が決まりにくいのです。へらへらほ~っと、すぐ浮いてきちゃって、たるむ。
 半衿の芯を硬めのにしても、身体の動きにつれてやっぱり浮きます。
 仕方ないので、耳下から帯の上までのあたりに、裏に何か芯になるものを縫い付けるか、中に入れるかしようと思います。
 少し解いて衿芯を入れられるようにしても良いんですけど、多分、半衿とダブルで衿芯入れるとそれはそれで、浮く…。
 いろいろ試してみなくてはです。

 写真二枚目の帯は手作りです。
 手芸屋さんで1mカットの薄手帆布を見つけ、あるだけ買って継ぎ合わせて、お太鼓の作り帯にしました。
 帯揚げは随分昔にエスニックショップで買ったタイのストールです。
 帯締めは真田紐。帯留めは作家さんの刺繍ブローチ。
 半衿は手芸屋さんで買ったコーデュロイ生地。
 
 ちなみに半衿、うっかり他のものと一緒に乾燥機にかけてしまい、畝がボロボロになっちゃったので、

 
 こうなりました。

 捨てたりしませんよ。別の半衿作る時の試作台に、なんぼ弄ってもいい古半衿があると重宝するので。

 
 え、ぼくにくれるんとちゃうの?

最近の着物など

2020年03月05日 | 普段着物

 着物をまた、ぽつぽつ着始めて、じき5年になります。
 特に遠方へ電車などで出かけるとき、ほぼ着物でいくようになりました。
 ひとさまにお会いするほど洒落た洋服持ってない、というのもあるのですが、一番の理由は「冷暖房で身体を壊さなくて済むから」。
 エアコン、子供の頃からてんでだめなのです。特に冷房に弱くて、夏の遠出は交通機関のガンガンに効いた冷房と外の暑さとの差で、毎年数回はお腹を壊していました。
 それが着物で電車に乗るようになって以来、ただの一度もないのです。どっかの通販広告みたいですが、盛ってないです。ほんとの話。
 考えてみたら、着物は(特に女物は)、いくらスケスケの夏着物とて、襦袢とおはしょりで最低4枚は布がお腹に掛かっていますし、伊達締めをして帯も二重に巻きますから、どんな腹巻よりも「お腹を冷やさない」効果抜群なんですよね。暑いとも言いますが。
 しかし逆にそれだけ布と空気の層があると、暑い炎天下へ出ても「胴体の温度はそう簡単に変わらない」のです。アスファルトの上なんか近年は簡単に40℃くらいになるようですが、自分の身体は36℃程度で変わってないんじゃないかと思います、計ってないから推測ですが、明らかに身体が楽なので…。
 もちろん、暑いんですけどね。特に着るときは暑いです。さすがのわたしも帯巻くときはエアコンつけます。
 でも着ちゃったら、もうTシャツでも着物でも、感覚としてはあまり変わらないです。少なくとも暑いから着物着るのいやだなって思ったことはないです。ジーンズはいやです。夏のジーンズって軽く拷問じゃない?


 で。
 先日とある事情で久しぶりに「洋服の上に着物」をやりました。

 
 なんだかサムネえっらいちっちゃいな!? クリックすると大きくなります。
 インナーは深緑のハイネックカットソー。しまOらの。
 襦袢はなしで、黒地に白と緑で源氏車その他の描かれたポリのプレタ着物を、衿を抜かずに着て、正絹の単半幅帯に帯締め、帯留めは実はブローチです。以前刀の展示見に岐阜に行ったとき、駅で手作り市やってて一目惚れして買った作家さんの刺繍のくるみボタン。
 この上に黒の羽織を着てました。二度見するほど安かった古着で、ずっとポリだと思ってたんですが、着倒していたら妙に柔らかくなってきて、もしかして絹……?という手触りになって来ました。あれ……やばいな、ポリだから大丈夫!っつって突然の雨の中突っ走ったりしてたぞ……(こら)
 屋内で撮ったので下はスリッパですが、このまま仕事行ったので、靴下に普段履きのスニーカーで、運転時はたすきがけしてました。

 洋服に重ねたのは、この日会った人からのリクエストでした。
 また最近立て続けに、着物などほとんど着たことがない数人に、これ楽だよと着せて、実際にめちゃくちゃ楽だしこれなら自分で着られる!とたいそう喜んでもらった組み合わせでもあります。
 が。
 自分では、着つける時点で「……もうやらんとこ……」って思っていました。
 面倒なんです。
 衿芯を入れた襦袢衿が無いから、着物の衿がフカフカして落ち着かない(広衿だったせいもありますが)。衣紋を抜いてないから、前の衿合わせも加減がわからない。胴に巻いてる布も少ないから、帯の下もなんかスカスカとおさまりが悪い(紐や伊達締めは普段通りだったんですが)。そして後ろへ引っ張られる分がないから、おはしょりがだぼだぼと余ってスッキリおさまらない。
 靴もずっと変な感覚でした。裾が決まらない、靴の甲に触れて変なふうに動く。パンプスとかだったらまだマシだったのかもしれませんが、それにしても靴で「着物の歩き方」をするのが変に難しい。
 つくづくと、着物のつくりも周囲の小物も、全ては必要があってこうなってきたんだなあと思いました。
 
 わたしは洋服と着物を合わせて着る着方、賛成派です。洋装の小物も柄も、ガンガン取り入れていいと思っています。
 ずっと舶来ものを取り入れながら変わり続けてきた着物が、なんで今の時代だけ「これ以上変わっちゃいけない」になるのか。
 最近の洋花柄の浴衣は浴衣じゃないなどと言う方もいらっしゃいますが、たぶん、元々バスローブだった浴衣を外で着始めた時代も、歌舞伎役者の着た新柄が大流行した時代も、「あんなものを外で着て」「あんな柄を猫も杓子も」と、同じように眉を顰めるご年配はいらしたんじゃないかなあ。
 技術や伝統の継承はもちろん大切ですが、それを「自分の知らないほうへ変わって行くことに対する本能的な拒絶」みたいなのと混同してるんちゃうかなあ、という論調をちょいちょい見かけます。
 話が逸れた。
 そんなわけで洋服と和服を組み合わせるの、個人的には好きなんですけど、自分の身体はいつの間にか、変化を許容できなくなってしまっていたのです。(大袈裟)
 って、要は単にオーソドックスな着方のほうに慣れちゃっただけですね。多分もうちょい練習したら、洋服を中に着るのもうまくなると思うんですが、なんか、まあいっかってなっちゃった。
 今は襦袢を着て襟を抜いて着るほうが身体が気持ちいいので。
 そのうちまた変わるかもしれません。それもまた楽しみです。

 襦袢の好みも変わりました。ずっと二部式愛用者だったんですが、ひょんなことから長襦袢を着たらこれが着やすくて。
 去年から二部式放置しちゃってます。
 夏物は二部式のポリ絽しかないから、夏はまた二部式に戻ると思いますが。
 帯も最近はずっと半幅でカルタです。いやもう……何するにしても楽で楽で……(笑)
 ただでさえ下手な「帯枕をしょって帯揚げを結ぶ」のが、更に壊滅的になっている予感がします。
 お太鼓はもうずっと「切らずにたたんで作り帯」なので、いいんですけど(よくない)。

 そして先日、デニム着物を買いました。ずっと欲しかったの。
 生地だけ洋服地で仕立てはオーソドックスな長着のものもありますが、わたしが買ったのは茶色のステッチも入っている、よりデニムらしいデニムです。単衣ですがウールや綿と同じ感覚で、花見の頃から着られるかなとそわそわしています。
 着たらまたレポ載せますね。