蝸牛のこちょこちょ

みずしろの普段着物と手仕事と好きなものの記録。

携帯用裁縫道具入れ、できました。

2022年03月22日 | 作ったもの
 
 
 先日から作っていたものができあがりました。
 旅行用の携帯裁縫道具入れです。
 ちょっとたるんでるのはわざとで、まちがないので、中身を詰めた時にはちきれないように布に余裕をもたせてるせいですが、もうちょい見目と両立できんもんかな……。なんか考えます。

 表は六角形だけのシンプルなパッチワーク。人形の服や半衿、ポーチなどを作った残りの青い布ばかり集めて、ペーパーライナーを使ってつなぎました。
 ペーパーライナー実は初挑戦だったんですが、楽しくてピース作りすぎた(笑) 残ったのどうしよう。
 紙は去年のカレンダーとか、なんかのDMとか、コピー用紙よりはしっかりしていて、はがきほどは厚くないのを選びましたが、切るのが一番大変だった……。
 コンパスも持ってないので適当にそのへんにあったマステの芯で円書いて製図したらなんか微妙に歪んだ気がします。段ごとにつなぐときちょっと隙間あいたりもしたけど強引に縫ってペーパーライナー外しちゃったら全然分かんなくなったから問題ない(あるよ)
 ……次はちゃんとしたライナー買おうって思いました。

 
 中は左側がポケット、右側に針刺しと針山。黒羽志寿子さんの本に載っていたものを参考に、ファスナーが嫌いなのでがまぐちにアレンジ。ポケットの口も留め具やファスナーは無しで、自然に閉じるように縫ったフラップだけで零れ落ち防止を施しています。
 針刺しは2ページの和綴じ本型。針山は平たい甘食みたいな形で、厚紙を仕込んで針が抜けないように作りました。どちらも無染色のモスリンで、針山の詰め物は脂を残して洗った原毛です。
 針刺しの中にも紙かなんか仕込めばよかったかもと思うけど、これはこれで抜き差ししやすいからしばらく使ってみてから考える。

 ポケットに暫定で、市販のカード巻き糸二枚、リッパー、たたみ針、クリップ、指ぬき、糸通しを入れてみましたが、まだまだ余裕。
 糸巻きは紙に布巻いて自作する予定なので、もっと嵩減らせるし。
 わたしの場合、出先で縫うものって一番が半衿(ホテルで翌日用につけかえたりする)、二番目が着物や羽織のほつれ直し、カバンの補強などなので、ほどくための道具は要るんです。はさみはペンケースにスティック型のが入ってるし、糸だけならリッパーで切れるから入れてません。
 ボタンのついた服を着ないので、ボタン付け需要は発生しません。一回だけ東京でピンチに陥ってた方のスーツのボタンつけてさしあげたことがあるけど、出先でボタン付けしたのは人生であれ一度きりです。で、予備ボタンとかは入れてません。
 あ、あと折れ針入れと安全ピンは入れないとですね。

 ちなみに。
 
 わたし、がまぐち金具と本体接着する時、いつもこうやってしつけ糸でギッチギチに固定します。
 ボンドを入れる前に口金の溝の中を消毒用アルコール(手指用のは色々添加してあるので純粋な消毒用エタノールでどうぞ)を染み込ませた綿棒でよく拭いて脱脂し、しっかり乾燥させてから使うのも大事。
 こうしておいて一晩放置するとそりゃあもう頑丈ながまぐちが出来上がります。ちょっとやそっとじゃ外れへん。
 接着で失敗しがちな方、よろしければ一度お試しください。
 
 

パッチワークと指ぬき

2022年02月25日 | 作ったもの
 繰り回しの一環でパッチワークにも戻ってきました。
 学生時代に一時期ハマってたんですけど、大きな布をわざわざ刻むのに何か違和感があったんですよね。当時から。
 で、しばらく離れてました。洋裁しなくなったら不定形の端切れが出ないものだから余計に。
 それが先日、いわゆる「パッチワーク用カットクロス」の使いかけをいただいて、久しぶりにやるかーとなったわけです。

 
 ガッタガタだけど(笑)
 一番シンプルなナインパッチのコースター。友達とオンラインでおしゃべりしながらひたすらトップだけ縫ってました。

 
 一枚はもう一周つけ足してポットマットにします。これは布を並べて考えてる途中。

 で。
 実はわたし、キルティングがものすっごく、そりゃあもう、出来るならやりたくないくらいに、苦手でして。
 苦手というより、やり方分かんなかったんです。針仕事は家庭科でしか習ってないんですけど、キルティングは含まれてなかったんだよなあ。(ちなみに和裁もうちの学校では教えてくれませんでした)
 仕方なし自己流でやってみたけど、学生の頃にインターネットなんかないし、本を見ても「シンブルで針を受けながら」くらいの説明で、全く分からず。もちろん当時の本にはDVDもついてません。
 出来ないから、もう一目ずつ針を刺しては抜き、まるで刺繍です。時間かかるったらありゃしない。一体どうやってベッドカバーなんか縫ってんだろうと不思議で仕方なかったんです。

 今回、そういえばわたしキルティング出来ないんだった、と思い出して、もう一度調べてみたら、今度はあちこちに説明があります。ネットってすごい。
 ただそれでもまだ、具体的に何をどうしていいのかわかりませんでした。苦手な動画も見たけど、なんで針が上がってくるのかどうしても理解できない。
 ええいもういいや。
 PCを閉じてひたすら縫いました。わかんないけどなんかこう当ててこうしてた。針はこう持って。たぶん。
 二時間ほどやってたら、突然わかりました。
 説明できないんですけど、急に縫えるようになったんです。自転車に乗れるようになった瞬間みたい。
 一度わかれば後は慣れるだけ。今度は逆に、なんで出来なかったのかわからなくなります。人間っておもしろいなー。

 とあるブログで、陶器の、それも針を受ける窪みがついてないシンブルがあるのを知りました。おちょこを逆さまにしたみたいな形だなと思ったら、ほんとに日本の有田焼だった。
 そのブログには、他にもどの指にこれを嵌めて、こっちの指にはこれとこれを重ねて、と、なんかすごい重装備が必要と書いてありました。全部揃えたらすごい重量と金額になるし、だいたいそんなゴムと金属とか重ねてたら指蒸れる!(ものすごい汗かき)
 無理。

 というわけで、いつものアルモンデ代用スタイル。

 
 こんなん作ってみました。

 
 
 革は和裁用の「指皮」です。本来は輪っかに縫って使うやつ。
 それを縦に中指に被せて、足りないところはバイアステープの切れっぱしを無理やり縫い付けてサック型にしました(笑)
 普段の和裁用指ぬきの範囲もカバーしたかったので指の甲側は長めに。逆に指の腹側は、わたしはごく先端しか使わないので短め。
 撮影の都合で左手に着けてますが、わたしは右利きなので実際には右手の中指に嵌めます。
 左手の中指で針を受けるので、そこには金属のシンブル。クロバーの、先が平らなタイプ。
 この二つを嵌めるだけで十分縫えるようになりました。やった!
 自作のほうは、やっぱり側面にも革欲しいな……という時があるので、あとで革の端切れを縫い付けようと思います。薬指側には要らないから、指皮の余りの欠片で十分(そんなんまでとっておく自分も自分だが)
 楽しい。

 ……とか言いつつ、さっき陶のシンブル、結局ポチっちゃったんですけどね。
 物欲、無限。

単衣と針山とその他もろもろ。

2022年02月25日 | 作ったもの
 また全く外出できなくなってしまいまして。
 ま、出られんだけで皆元気、ありがたいことです。幸い、家にいてもやりたいことは山のようにあるし(笑)

 で。
 銘仙は相変わらず八掛を買いに行けず、しばらくお預け。雪が続いて洗い張りもできず、アイロンで伸ばしてしまいました。伸子はもうちょい暖かくなってからですね。
 その前に単衣で練習しておきましょうと更に手を付けたのがこちら。

 
 解く前を撮ってなかった……。
 随分前に確か古着屋で買った男物の単衣です。素材がどうも分からなくて、折り目のつかなさはウール、柔らかくてしんなりした感触はレーヨンに似てるんだけど、ウールのチクチクはないし、レーヨンにしては縮まないし、燃焼試験をしてもアセテートの匂いではない……。なんだろうこれ。
 とりあえず埃っぽかったので一度洗いました。いつも通り、まず下前の衽だけ洗ってみてテストしてから。
 匂いもほぼなく、水には青ではなく茶色の、植物のアクによく似た色が少し出ました。……まさか、本藍? 縫製もめちゃくちゃ綺麗だったけど。まさかな……。

 
 解きものスタイル。実際はもうちょい広げますが。
 使うのはリッパー、毛抜き、はさみ、デザインナイフ。布の上に乗ってるのが目打ち。
 古い着物は、縫い糸がガッチガチに固まってしまってることがままあります。糊でもつけたかと思うくらいカチンコチン。あるいは袖のかんぬき止めなど、盛り上がるくらいぐるぐる巻きにしてあったり。そういうのはリッパーもはさみも入らないので、デザインナイフの刃を糸の繊維に当ててそうっと切ります。押したり引いたりせずにただ当てるだけ。切れ味のいい刃はナイフ自体の重みだけでスッと切ってくれます。
 あとはひたすら使いやすいものを使って解くだけ。

 
 これ肩当て布です。こんな凝ったの初めて見た。すごく丁寧にいせ込んで形作ってあって思わず撮ってしまいました。
 やっぱ結構いい着物なんかな、こんな上質なつくり……。解いちゃったけど(
 とてもとても及ばない技術ではありますが、大事に縫い直します。

 
 教本には新しく仕立てる方法は載ってますが、仕立て直しは載ってないので手探りです。
 いま両方の衽がついたとこ。絎け縫いはまだ。
 単衣は難しく考えるところがほぼ無くて、ひたすら運針と絎け縫いをしているといつの間にか形になってるから好きです(笑) 袷はどうにも順番が呑み込めなくてですね……。本によって書いてあること違うし(笑)


 この途中まで、針山はミニチュアの植木鉢に原毛を詰めて軽くフェルト化させたものを使ってました。
 かわいいんですけど、針の先が素焼きの鉢に当たってガリッというのがどうしても気になって、作り直し。
 
 真ん中奥が今までの、右手前が新しいものです。
 箱は常備薬の外箱を浅く切って布を貼りました。中身は戴きものの端切れ(正絹八掛の端っこ)を丸く縫って原毛を詰めたもの。柔らかめに作ったら、なんか小鉢に大福入れたみたいになりました(笑)
 針はもう和針ばっかりです。まち針はパッチワーク用の細いの。

 
 まち針は五本一組で出して、戻してないのが一目でわかるように、五弁花のかたちに刺します。
 作業中はアイロン台なんかに仮に刺すことも多いんですが、ふと見たら影が可愛かったので。
 ところで五弁花、なに連想します? わたしどうしても梅なんですけど、母はイチゴだって。

 
 これは人形の着物を縫ってるとこ。あんまり小さくて普通のかけはりでは邪魔になるので、アイロン台にミニクリップを留めてみたらいい感じ。
 
 普通のかけはり。結局新調しました。
 うちのテーブルはどうも厚かったり形状が特殊だったりで、クランプ式のくけ台が固定できないので、これもアイロン台にくっつけてしまってます。
 このままでは動いちゃうので上に針箱やら本やらドサドサ置いてて、なんか、スマートでないんですけど、やむなし。


 そんな感じで、ちまちまちまちま縫ってます。
 単衣の季節のころには、普通にお出かけできるようになってるといいなあ。


がまぐちミニマム小銭入れ

2019年04月09日 | 作ったもの

 長らく、「財布は一つ」派でした。
 忘れるんです。二つ以上あると。
 がまぐちタイプの長財布を作ってからは特に、これ一つで全部事が済む収納力とそのわりに膨らまないスッキリ形状に惚れこんで、カード入れすらしばらく使っていませんでした。(現在は諸事情により、使用頻度の低いカード類はカードケースではなく、小物をまとめたトラベルホルダーに入れています)

 ところが。
 また欲しくなっちゃった。小銭入れ。
 それも硬貨がせいぜい五枚程度入ればいい、極小サイズのものが。

 用途はすがすがしいほどに限定されておりまして、「お賽銭入れ」です。
 元々神社仏閣好きなんですが、とある和もの(?)ゲームにドハマりして以来、更に頻度が上がってまして。
 あ、歴史とか宗教とかの知識はぜんっぜんありません。雰囲気が好きなだけ。
 んで、参拝の時は当然お賽銭をあげるわけですが、そのたびにでっかい長財布をヨッコラショと引っ張り出すのが、どうも格好よろしくない。
 でっかいがためにレシートもクーポンも入り放題ですしね……。レジや自販機ならともかく、厳かな雰囲気の拝殿の前で焼肉屋のクーポンがチラリ、というのも、なんか、ねえ。
 そういうところへ行くときは着物のことが多いので、なおさらです。

 一般的な、ファスナータイプの小銭入れは幾つも手持ちがあります。
 しかしどれもが、ちと大きすぎるのです。
 いくらお賽銭奮発してもそこまで小銭いっぱい要らないし、それよりさっと指先で取り出せる大きさと薄さのほうが大事。
 できれば帯に挟んでおけると最高なので、硬さも大事。帯にもかばんにも、ふにゃふにゃ柔らかいものは仕舞いにくいし取り出しにくいのです。

 というわけで。

 
 無きゃ作れ。

 がまぐち金具は「印鑑ケース用」として売られていたものです。
 この浅さが、硬貨を一列に並べて五枚ほど入れておくのにちょうどいいのです。もちろんマチはつけず、ぺたんと平たい形状。
 表布は初めて自分で縫った羽織の残り布で、手芸屋さんで買った洋布です。根付はお気になさらず。あ、分かる人はぜひ友達になってください。

 これを、普段はバッグインバッグに縦にして入れています。根付を引っ張るだけでスルリと出てきて、片手でも開閉できて、中も一目瞭然(ってほど入ってませんが)、そしてまたパチンと閉めてスルッと仕舞える。
 外骨格があることで隙間に入れやすくなる、というのは長財布で嫌というほど思い知りましたので、以来がまぐちラブなのです。
 既に幾度か活躍してくれておりますが、想像以上に使いやすいです。いつも入れているのは伸縮素材で出来たマチのないポケットなのですが、ポケット口を広げたりする手間もなく片手でスルッと入ります。ラブ。
 ちなみにバッグインバッグはリヒトラブのスマートフィット スタンドポケットを愛用しています。これ買ってから本当に荷物の出し入れのストレスが減りました。
 あんまり使いやすいのでバッグに合わせて各色各サイズ四つくらい揃えてます。リュックにも便利よ。

 …現在のバッグの中は「縦収納」が基本なんですが、そういやその記事まだ書いてませんね。
 つい先日新入隊員が加わってますます便利になったので、それも含めてまた纏めます。
 縦型、いいぞ。