発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

未来からの搾取

2011年08月02日 | 日記
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 福島第一原発で、10シーベルトの放射線量を計測したというニュース。
 2番目の見出しであるが、佐賀知事が九電にメール投稿を要請したことよりも大事件である。
 1時間浴びると全員死亡する放射線だ。JOC事故で亡くなった人のように。

 核汚染に戦争も平和もない。原発事故には敵国もいない。いわば、文明の手痛いオウンゴールだ。
 化石エネルギーは、過去の地球と太陽からの遺産である。原子力は未来の環境からの搾取である。安いといわれてきたのはそういうわけである。
 原子力は今のところ、きちんと管理できてないわけだし、燃料処理方法も確立しているとはいえない。津波がくればこのありさまである。そのうちに、管理できるようになるだろうし、燃えかすの処理もできるようになるだろう、という楽観的な考えの上で、それまでに何かあったら、どんな悪い未来がくるのか、から、目を背けてきたのだ。
 未来の環境からの搾取、の「悪い未来」が、福島にやってきてしまっているのだ。
 恐ろしく高くつく、ということが、わかってしまった以上、再生可能エネルギーにシフトすべきだ、というより、もはやシフトするしか選択肢はなくなったんじゃないかと。
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