発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

2021年2月の覚え書き1 九州国立博物館

2021年03月03日 | 物見遊山
◆ここはどこの細道じゃ?
 九州国立博物館 中宮寺の国宝展。
 2月11日。梅のかおる太宰府。
 観覧にはオンラインによる日時指定チケット(事前予約)が必要だとポスターやチラシに書いてある。 
 コンサートや演劇ならまだしも、開館から閉館まで動かないミュージアムに何時何分に行くかあらかじめ決めなければならないというのは窮屈なものである。
 ともかく行ってみる。入れなきゃ常設展だけ見て帰ればいいや。
 博物館に入ると、体調に問題がないことと、名前と電話番号を紙に書かないといけない。これくらいでイラチが出るようでは緊急事態宣言下を生きることはできない。マスクも必要。
 係の人に年間パスポートを示すと券売窓口に行って時間指定をしてくださいということだった、窓口でQR コードの紙をもらって特別展会場へ。
 日時指定なしで、意外なほどあっさりと、すぐに入れた。ようするに空いていたのだ。
 時間を予約すれば必ず入場は確保され、しなければ、そのとき「密」でなければ入れる、ほとんどレストランの予約のようなもののようである。1時間後ならお席あります、おいでになりますかという感じで。予約でいっぱいならその日はあきらめないといけない。
 もう少しややこしいものだと思っていた。その程度であれば、天神様参道で賑わう人々も、もっとやって来るでしょうに。「1時間待ちなら梅が枝餅、2時間待ちならお参りを先に済ませて、お店も見て」とか。

◆奈良中宮寺の国宝
 聖徳太子のお母さん間人媛(はしひとのひめ)(山岸凉子も池田理代子もコミックでおっとりした感じの美しい人として描いていた)ゆかりのお寺、ということは、飛鳥時代からはじまる由緒あるお寺である。仏像がたくさん。目玉展示は中宮寺ご本尊の菩薩半跏思惟像。やはり飛鳥時代のもの。台座から頭のてっぺんのお団子まで、どの方向から見ても、同じ二等辺三角形が見える。ぐるっと回ると正確な円錐にはいる。お寺に鎮座しているときは、そういう鑑賞はできないんだって。美しさに圧倒される。1400年前のものだが古くない。ゆっくり見ることができた。

◆常設展は「天神縁起の世界」
 無実の罪で左遷された先が大宰府というわけで。
 太宰府市に隣接する筑紫野市には「テンパイザン」という山と、その名前がついたJR駅があり、その間にはイオンモールがある。麻雀放浪記的無頼感あふれる響きとはうらはらに、菅原道真が無実を七日七晩天を拝んで訴えたという伝説の残っているという天拝山なのだ。その山頂で祈る菅公の絵もあった。

 祝日としては空いていたのは入場の煩雑さによるものだろう。
 博物館内のカフェと、隣接の休業レストランが、いろいろ取り払われてて、前回より再開が遠くなった風情である。レストランは休日の昼間はしょっちゅう入場待ちの人が並んでいる人気店だった。明るくておいしくて居心地がよかった。
 博物館内でも遊べなくなってる。触る展示はNGなのだ。
 展示は良かったが、前ほどはたのしくない感は否めない。2014年夏なんてこんな感じ。レストランとか、あじっぱとか。




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