発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

世の中

2018年03月16日 | 日記

◆こんなことがまかり通っては、世の中メチャメチャだよ

 と思う今日この頃である。嘘つきと恥知らずがまかり通っていると、まじめに働こうという気がくじける人がいるかも知れない。それが、ここに何度も書いている「日本の品質の低下」に影響することは想像にかたくない。品質低下が人類滅亡にダイレクトにつながる部分があるところがこわい。

◆汚れつちまつた悲しみに

 これは中原中也のもっとも有名な詩のひとつで、いろいろな人が曲をつけている。果てはEテレの幼児番組「にほんごであそぼ」でKONISHIKIが、ひびのこづえデザインのポップな衣裳を着て、どよーんと唄ってたりする。幼児が「倦怠のうちに死を夢む」って一体。この詩はね、甲斐バンドの「ポップコーンをほおばって」のメロディーに乗っけるのがいいと私は思っている。アップテンポで畳み掛けるように唄おうぜ。

 かなしいほど汚れるのである、精神が。ところで、昔読んだ畑山博『海に降る雪』という小説、まあ悲恋の話なのである。映画化もされた(ヒロインは、芸能界引退した和由布子)が、見てない。その中にこんな痛々しいことばがある。

「きれいな紙には書けなくなった」

 とまで表現しなくてはならない、まだ二十代の女の子が。そんなことを日記に書きつけてやっとこさ生きてきたのに、まったくもう、痛々しい悲恋で、この人たちもう少し鈍感で図々しくて呑気ならば幸せになれたのだ。これから私、こんな悲しい目に遭うことはあるのかしら?  と思いながら早幾年。運良く平和な人生を送っているのか、それとも私の感受性が鈍いのか、たぶん両方だと思う。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする