吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

中途半端

2015-02-28 23:53:14 | 日記
今日は、以前から気になっていた、ランチと手作りカーキのお店に飛び込んでみました。

時刻は中途半端すぎる15:00

ひっそりした外観のお店のドアを開けて店内に入ると
店内は、外観よりも更にひっそり。

だって。

あの、誰もいませんけど。

カウンターの上には、お昼のピーク時のものと思われるトレイや食器が、「洗われないまま」並べられ
お客はもちろん、お店の人の姿も見当たりません。

ボックス席がみっつと、奥に小上がり。
喫茶店という感じでも、食堂という感じでもなく、居酒屋でもない。
雰囲気的には、「田舎のスナック」
が、一番近い。

さて、どうしたものか。

営業中なのか確認しようにも、肝心の店内の人がいないので、聞くに聞けず。

仕方がないので、お店を出ようとしたとき
壁際のドアが開きました。

出てきたのは、70歳前後の女性。
髪型も服装も、あか抜けのしないこの感じは
ママという感じでもなく、おかみさんという感じでもなく
雰囲気的には、「おかあさん」
が、一番近い。

「おかあさん」は、店内にいた私の姿に気付くと、明らかにぎょっとした表情になりました。

「いらっしゃいませ」も言えないほどに。

「いま、営業中ですか?」
私が尋ねると
「おかあさん」は、ほっとした表情を浮かべ
「はい、大丈夫ですよ」
と、答えました。

初めて聞く、「おかあさん」の声です。

私はボックス席の、年期の入ったソファに腰をおろすと、テーブルの上のメニューを手に取りました。

トーストセット、カレー、チャーハン、焼きそば、エビフライセット、カキフライセット、日替わり定食...。

「日替わり定食は、今日はなんですか?」
「焼き魚です
焼き魚に、煮物や酢の物などが付きます
シャケ、ホッケ、サバ、ニシンの中から選べます」

あまり感情の伴わない、抑揚のない、「おかあさん」の声。

「じゃあ、ニシンで」
「ニシンは、頭が良いですか、尻尾が良いですか」

ああ、音声ガイダンス。
「おかあさん」の声は、音声ガイダンスに近い。

「じゃあ、尻尾で」
「はい」

もしかして、今回の飛び込みは、ミスったかも…。

この、統一性のない、中途半端な店内の雰囲気に、統一性のないメニュー。
そして、音声ガイダンスの声をもつ「おかあさん」

うーん...。
私が自分の感を疑い始めた頃、私の前に日替わり定食が運ばれてきました。

内容は
焼き魚(ニシン)
煮物(白菜、豚肉、白滝、しめじ)
厚焼き玉子(ほうれん草入り)
おひたし(ほうれん草)
酢の物(タコとワカメ)
漬物(自家製の大根の粕漬け)
ふりかけご飯
お味噌汁(油揚げ、えのき、葱)
このボリュームで、¥680

思っていたよりも品数が豊富で、しかも私好みの内容です。

ニシンは少し塩がキツかったけれど、他のものはわりと薄味で、これまた私好み。

お店で出す食事というより、「おふくろの味」というより、「おかあさん」の味。

だから、要するに、美味しい。

さっきの、カウンターの上のトレイの様子から判断しても
お昼はそこそこの客の入りもあったのではないかと思われます。

でも、なんだろう。
この、スッキリしない中途半端な感じ。

なんだか、妙なお店でしたが、予想外に美味しかったので、もしかしたら、また行くかもしれません。

この感想すら、なんだか中途半端な気が...。

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