吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

期日前投票

2013-07-14 22:13:28 | インポート
今日は、さっちゃんと期日前投票へ行って来ました。

何故、毎回期日前投票へ行くのかというと
期日前投票の方が、投票場が空いていて、仰々しくないので
さっちゃんが、落ち着いて、ゆっくり投票することが出来るからです。

当然のことながら、今回も、私はさっちゃんに付き添うことは出来ないので
係の人に、さっちゃんの付き添いをお願いすることにしました。
今年の係の人は、おじいちゃん。
このおじいちゃん、どうも、どこかで会ったことがある気がするのですが
それがいつなのか、何処なのか、全く思い出せません。
学校の先生の様でもあり、近所のおじさんの様であり
うーん、誰なんだ。

どうしても思い出せないまま、私はさっさと投票を終え
投票場の外へ出て、さっちゃんとおじいちゃんを見守ります。
こっそり見ても、堂々と見ても、誰からも見えてしまう位置なので
結構遠慮なく見ます。

おじいちゃんに案内されて、記入代へ向かったさっちゃんは
正面に貼り出された候補者の一覧を見ながら
投票用紙に、なにか書いています。
なにか書いています。
なにか書いています。
なにか…。
長い…。

おじいちゃんは、さっちゃんの隣に立ったまま
お腹の前で手を組んで、じーっと待っています。
待っています。
待っています。
長い…。

ようやく、さっちゃんが投票用紙に「何か」を書き終え
おじいちゃんが、それを確認しています。
(そこまでする義務も権利も無いと思うんですけどね)
おじいちゃんは、さっちゃんをもう一度記入代の所へ連れて行き
なにやら、ごそごそと話しています。

多分、いや、きっと、さっちゃんの投票用紙には
候補者ではない人の名前が書いてあったのでしょう。
おじいちゃんの話を、俯いて聞いているさっちゃん。
おじいちゃんが、丁寧に話せば話すほど、深く俯くさっちゃん。

あー、ダメだ。
それやっちゃダメだ。

思わず、小さく呟いてしまう私。
私の呟きは、決して人の耳に届くような大きさではなかったのですが
おじいちゃんは、さっちゃんに話すのを止め(諦め?)
投票用紙を、投票箱に入れるように促しました。

それで、いいんです。

投票を終え、おじいちゃんはさっちゃんを私の所へ連れて来ました。
おじいちゃんは、遠慮ない質問を投げかけてきました。
「お嬢さん、投票するのは初めて?」
「いえ、4回目くらいです」
「投票の仕方は分かってるの?」
「投票の仕方そのものは分かっていると思います」
「いや、ちゃんと書いてはいるんだけどね」
「候補者の名前ではないんでしょう?」
「名前は書いていたんだけどね」
「それが、彼女が指示している人なんです」
「あー………」
おじいちゃんは、納得したような、していないような
でも、さっきよりは、ずっとスッキリしたような顔をして、こう言いました。
「ちゃんと投票場へ足を運んで、投票することに意味があるんだ!」

ですね。

例えば、いつか私がさっちゃんと一緒にいられなくなったとき
ある日、さっちゃんが、誰かに投票したいと思ったときに
何をどうしたら良いか分からない。なーんてことがないように
毎回、こうして投票場へやってきて、係の人にお願いをしているのです。
さっちゃんは、これから成長し続ける人ではなくて
これから先、ゆっくりゆっくり、色んなことが出来なくなっていくはずなので
「よし、投票しに行こう!」なんて思うことは、多分無いとは思うのですが
それでもね、やらないよりは、やった方がいいと思うのです。
まあ、この考えが「正しい」という訳ではなく、考え方は、人それぞれ。

結局、おじいちゃんが誰なのかは分からないまま。
うーん、誰だったっけなー。