コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

モバイル:こんなPCがほしかった!

2006-05-17 | よもやま話
SONYがとうとうやってくれました・・・・

世界最小・最軽量・モバイルPC VAIO TypeU 登場


個人的には小ささもさることながら、独特の「キーボードデバイス」が大変注目です。

私の持っているPC(Let'sNote)も含め、これまでのモバイルPCでは、ほとんどのPCでいわゆる「キーボード」が入力装置となっています。(一部タブレット系PCには手書き入力機能が備わっていますが・・・)

しかし、キーボード入力には一つの弱点があります。それは下に台 or 支える場所が必要ということです。すなわち、もし仮に「立った状態」でPCを使おうと思ってもうまく使えないということになります。

これが、今回のTypeUは「モバイルグリップ・スタイル」という独特の方式を採用。「本体をつかむ」ような形で持ち、両方の親指でキー操作を行う形になっています。

一瞬使いにくそうに感じるこの方式ですが、恐らく「ファミコン世代」の方なら抵抗感なく使えると思われます。なぜなら、この「本体をつかんで親指で操作」というのは、正に「ファミコン」に始まったコントローラの使い方そのものだからです。この方式の使い勝手のよさについては、今でもGBAやDS,PSシリーズ、PSP等で踏襲されていることから感じていただけるのではないかと思います。

(ちなみに、私は同様の入力方式を採用していたPDAの操作を体験させていただいたことがありますが、やはり違和感は感じませんでした。)

このVAIO Type U、ソニーストアでは既に予約が始まっています。また、今月下旬には店頭でも発売予定とのこと。今後注目のアイテムです。

・・・・・買っちゃおうかなあ・・・(^^;;

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考察:行政処分やPマーク認定に見る行政体制の問題点

2006-05-15 | ケンカイ
12日のエントリーの続きです。先のエントリーでは、プライバシーマークの審査において納得性が低くなる現状には、審査の過程を通じて「オレがルールだ、オレが正しい、だからオレの判断(主観)で認定を決める」という意識が見透かされることにあるという話をいたしました。

この点については、中央青山監査法人に対する行政処分の場面でも同じような状況を見ることができます。特に、「今回の処分にあたっての量刑判断基準が明確でない」という点や、「処分根拠となる客観的事象についての十分な説明が行われていない」という点については、Pマーク審査と同根の問題の存在が感じられます。

では、その「根っこにある問題」とは何なのでしょうか?私は「行政が認定や処分をを行う際の体制構造」にその主たる原因があるのではないかと考えています。

まずプライバシーマーク審査の場合を考えます。プライバシーマーク制度では、一部の指定を受けた業界団体を除き、主にJIPDEC(日本情報処理開発協会)自身が審査を行う体制になっています。一方、JIPDECは、プライバシーマーク制度自身の構築や運用も行っています。つまり、認定制度における「審査基準の制定(立法)」「審査制度の運用(行政)」「審査制度の監視(司法)」の三権を一つの機関が担っていることになります。

このような「三権同立=一機関による運用」では、当然権能を持った機関の間に存在するべき相互牽制機能が働きません。するとどうしても避けられないのが「自己防衛的反応」、すなわち「自分たちに都合が悪いことが起こりそうな時には、自分たちの都合をベースに判断が行われる」ということです。

例えば、現在は個人情報に関する事故等が多発しており、プライバシーマークの既認定企業の中からも個人情報に事故を起こす事業者が現れる可能性は否定できません。セキュリティ側面で考えれば、どれだけ対策を施そうとも悪意ある人間が「執念をもって故意に」事故(事件)を引き起こそうとすれば、事故自身を防ぐ手立てはありません。(だからこそ、「マネジメント」発想の下、出来うる範囲で継続的に改善されていく仕組みを作りこむコトが重要となるのです。)

しかし、JIPDECから見れば「プライバシーマークを取っているのに、事故を起こすということは、Pマークの信頼を貶める行為でけしからん!」ということになります。すると「規格がどうのこうのという前に、けしからんことをしそうな事業者には認定が与えられない」という思考に陥ります。

現行制度上、JIPDEC自身はプライバシーマーク制度の審査基準も審査内容も自ら決められる立場です。そこで現実の審査の運用の中で「さじ加減=審査基準」を(主として厳しい方向に)勝手に変えていきます。この流れの中では、本来の趣旨である「JIS Q 15001規格とマネジメントシステムの合致性の審査」ということは二の次にされていきます。

こうして、『個人情報保護』の名の下での『制度運用』が、本来の制度の姿をゆがめていき、リスク認識に対する過度なパフォーマンス(個別対策)の押し付けを初めとした「勝手な(=本来のJIS Q 15001では要求していない)審査基準」が出来上がっていくことになります。

このとき、当事者は『審査側であるJIPDEC』と『被審査側である事業者』しかいませんので、誰も『本来の審査基準(であるJIS Q 15001)』と『実際の審査内容』のズレについて評価される場所がありません。したがって、このズレは補正されることなく、時を経るごとにさらに増幅していくことになってしまいます。このことが更なる「主観的な判断での審査認定」を助長し、問題を拡大していくことになるのです。

このことは、行政処分についても全く同様のことが言えます。中央青山への一部業務停止命令の例の例でも見らますが、法律での「処分の基準」が大変アバウトな状態で、実態としての『量刑基準』は行政の大幅な裁量に委ねられています。そこで、何らかの事件が起こると、「当事者だけでなく、監督官庁である行政も世間から非難される⇒これ以上非難されたくない⇒もう二度と起こさせたくない⇒従来より重い処分で『見せしめ』にする」という自己防衛反応的サイクルが生じます。これが繰り返されることで、自律的な補正が効かなくなり、「明白な理由なき処分」が罷り通る状況が発生してしまうのです。

上記で見てきたとおり、行政処分にしてもプライバシーマークにしても、その根本には『自己補正できない体制構造の問題点』が潜んでいると考えています。よくよく考えると、この『自己補正できない体制構造の問題点』とは『仕組み全体の中で相互牽制を生み出す仕組みが備わっていない』ということと同値であり、実は、認定や処分を行う側自身に『内部統制』が備わっていないという表れともいえるのではないかと私は考えます。

ちなみに、Pマークと同種の国際制度であるISO9001/14001/27001認証制度の場合には『審査機関と認証機関』を別にする』ことによって内部統制機能を実現し『規格に基づく審査』が行われるようになっています。

また、行政処分と類似する効果をもたらす(こともある)刑事裁判では、『力量を担保された弁護士・検察官・裁判官という独立した3者の役割分担による相互牽制』や『三審制』などによって、裁判全体としての内部統制機能を実現しているといえます。

今回の一連のエントリの中で、内部統制の第一歩として「アンパイヤにルールブックを書かせないこと」が重要となることが整理できたのではないかと思っています。そして、抽象的によく言われる『内部統制が大事だ』というコトバは、行政から様々な認定や処分を受ける側にある事業者(監査法人を含む)よりも、むしろ『行政の体制』の中にこそ必要なことではないか、と感じています。

もし、行政が内部統制を本気で根付かせたいと思うのであれば、まず行政自身たちが『内部統制の効いた仕組み』に転換を行っていく必要があるのではないかと、私は考えます。

以上、長くなりましたが『行政側の内部統制』という観点から一考察を行ってみました。もし宜しければ、皆様からのコメント・ご意見をお寄せいただけましたら大変幸いです。

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問題提起:プライバシーマーク認定審査の問題点(1)

2006-05-12 | ケンカイ
昨日のエントリの締めの部分にて、「最近ある仕事の中で「フェアでない」と感じざるを得ない出来事に立て続けに出くわしている」との予告をさせていただきました。本日は、この部分について一つの問題提起をさせていただきたいと存じます。

なお、、本日のエントリはあくまでも私個人の体験に基づく見識を述べるものです。私が関与したクライアントはもちろん、過去及び現在において所属若しくは関与している一切の組織・機関と関連して意見を述べるものではありませんので、この点をご了承願います。

今回の問題提起は、プライバシーマーク 付与認定制度における認定審査に関するものです。プライバシーマークとは「事業者が個人情報の取扱いを適切に行う体制等を整備していることを認定」するマークであり、財団法人日本情報処理開発協会に設置されたプライバシーマーク事務局が制度運用を行っています。

プライバシーマークの付与認定を受けるためには、事業者において個人情報保護のための体制(マネジメントシステム)が整備されているかどうかの審査を受ける必要があります。当然のことですが、審査に当たっては「体制整備」がどの水準にあれば合格となるのかという「客観的な基準」が求められます。
プライバシーマークでは、この基準として「JIS Q 15001 -
個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項
」を用いています。

このような「規格に基づく認定」というスキーム自身は、品質や環境のマネジメントシステムであるISO9001,14001の認証スキームとさほど変わりありません。しかし、現実で比較してしまうと、Pマークの審査レベルは他のISO系マネジメントシステムの認証審査と比べて極めて低い状態にあるといわざるを得ません。

その中でも、特に目に余る部分を3つ述べたいと思います。まず第1点目は「審査内容がJIS Q 15001規格に基づいていない」ということです。

プライバシーマークの付与認定に関して、同事務局自身が定める「プライバシーマーク制度設置及び運営要領」の中で次のように明記されています。

(認定及び付与)
第3条 プライバシーマーク付与認定は、事業者のコンプライアンス・プログラム(個人情報保護のための内部規程又は当該内部規程及びその運営(見直しを含む。)を含む個人情報保護のためのマネジメントシステムをいう。以下同じ。)のJISへの適合性を評価することにより行う。(下線は筆者による。)


しかし、実際のPマークの審査の中では、JIS Q 15001の定めのない事項についても次々と「指摘事項」として是正指示が出されています。特に、現地審査に先立って行われる文書審査が行われますが、その「標準チェックリスト」と呼ばれるものの中には、JIS Q 15001に定めが全くない事項(例えば「個人情報保護方針の中への問合せ窓口等の明記」や「緊急時の主務官庁への連絡に関する規程の設置」)が複数含まれています。これは、審査側である事務局自らが勝手に判断基準を変えてしまっていることに他なりません。

また、現地審査の場面においても同様の問題があります。JIS Q 15001は「マネジメントシステム(=PDCAサイクルによる継続的な改善を生み出す仕組み)」について規程しているに過ぎず、個別具体的なセキュリティ対策についてはなんら要求を行っていません。これは、企業が講じるべきセキュリティ対策は、企業の規模や業種、また、取り扱っている個人情報の内容によって大きく異なり、同一レベルとして論じることは極めて困難となるためです。

このため、JIS Q 15001では、個別のセキュリティ対策に関して要求しない代わりに、個人情報保護の一側面であるセキュリティ基本的な考え方として「自社で十分なリスク分析を行い、その中で自社のリスクに応じたセキュリティ対策を自らの判断で講じること」ということを要求しています。(ちなみに、この考え方は情報セキュリティに関するマネジメントシステムの国際規格であるISO27001と同様の考え方となっています。)

しかし、現実の現地審査では「ノートパソコンはどのような状況であってもすべてチェーンをつけるか鍵のかかるところに保管しなければならない」といったような、本来、各企業のリスク判断に基づいて行われるべき個別具体的なセキュリティ対策について要求するケースが頻繁にみられます。また、情報セキュリティ全般について「ISMS(現在のISO27001の前身にあたる国内規格)」の認証取得を取っている企業が「セキュリティ不足」として個別のセキュリティ対策について指摘を受けるという極めて笑えないケースも発生しています。(繰り返しになりますが、これらの個別具体的なセキュリティ対策については、JIS Q 15001のどこにも要求はありません。)

2つ目の問題点は「このような勝手な審査基準が、時を経るごとに勝手に書き換えられている」ということです。前述のような「勝手な審査基準」が存在する状況は1~2年ほど前から見られた現象ですが、それでも昨年の秋ぐらいまでは「まだ受忍できる範囲内=規格の解釈論の問題で応じられる」でした。しかし、特に今年に入ってからはこの「勝手な審査基準」のハードルがいきなり引き上げられているようです。

例えば、昨年までの審査では「内部監査は通常のISOで行われているような内部監査と同様の方式」でも十分OKが出ていたのですが、今年審査を受けた企業については、同様の方法で内部監査体制を構築しているにもかかわらず「リスク分析を反映した内部監査が行われていない」という指摘を受けています。何らかの内部基準が変わったのかもしれませんが、規格自体にはなんら変更が加えられていませんし、そこまで規格は要求していなかったことは過去の審査結果を見れば明らかなわけですから、この部分についても極めて妥当性にかけていると考えます、

さらに3点目の問題点として、「審査プロセスが極めて一方的である」であるということが挙げられます。

審査結果を前向き・生産的な活動に結び付けていくためには「仮に不適合な部分が発見され指摘を受けたとしても、納得して改善活動につなげることができるようにする」ということ重要です。このためISOの審査の中では「基準と証拠に基づく監査の実施(左手に規格を、右手にペンを)」や「発見した不適合に対する合意形成」ということが非常に強く求められています。(なお、これらのことは監査に関する指針規格であるISO19011にも示されています。)

しかし、Pマークの審査ではこれまで見てきたように「左手の規格(基準)」が非常にあいまいな状況になっています。それだけれはなく「発見した不適合に対する合意形成」についても、ほとんど行われていません。Pマークの審査の場合、一方的にヒアリングや現地調査が行われた後、終了ミーティングでどのような点が指摘の候補となっているかについての説明も同意も行われず、当日のまとめを記した文書も作成されません。数日~数週間ほどたってから、一方的に審査結果の文書(指摘事項文書)が送付され、是正処置を行われる状況になっています。

さらに、送付される指摘文書の記載にも問題があります。Pマークの指摘文書の中には、ただ単に「是正要求」が列挙されているのみであり、指摘の基準とした規格の番号や、指摘にいたる具体的な証拠が記載されていることはほとんどありません。。また、是正要求内容自体も非常に曖昧な表現で書かれている場合が多く、是正処置としていったい何をしなければならないのかということが分からないケースも見られます。さらにひどい時には「文書審査で適合しているという回答があり、当日なんら指摘を受けていない(監査項目となっていない)のにも関わらず、指摘文書(是正要求書)に項目が挙げられている。」といったことも複数回経験しています。

このような審査プロセスでは「納得性」など生まれるはずがありません。現状のPマーク審査は、「俺がルールだ。だから俺の言うことを聴かなければ認定してやらない。認定を通すも通さないも俺のさじ加減一つなんだ。」というレベルにあるといわれても仕方がない状況であると私は考えます。

では、プライバシーマーク審査はなぜこのような状況となってしまっているのでしょう?これは『プライバシーマークの審査体制』が大きな要因となっていると私は考えています。さらに、ここには日本の官庁に見られる『悪しき論理慣習』と共通する部分が見え隠れしているように感じています。このことについてはまた次のエントリーで考察していきたいと思います。

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ダウン?:楽天のサーバが・・・・

2006-05-12 | イッポウ
今朝、起き抜けのブログめぐりをしようと思って楽天のサイトを開いたら・・・

現在、アクセスが集中し、ページを閲覧しにくい状態になっております
日頃より楽天のサービスをご利用いただきましてありがとうございます。

現在、サーバへのアクセスが集中し、ページを閲覧しにくい状態になっております。

ご迷惑をおかけしまして誠に申し訳ございませんが、しばらく経ってからアクセスしていただきますようお願い申し上げます。

楽天株式会社

とのメッセージが・・・。

どうやら何らかの障害により全ての楽天ページが閲覧できない模様です。

何があったんでしょう?

取り急ぎ第一報まで。

(08:00 追記)
おかしいな?と思ったら、この記事を書いている間に直ったようです。
一時的な現象だったのでしょうか?

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疑問:中央青山に対する処分は「フェア」か?(追加アリ)

2006-05-11 | 経営実務
中央青山監査法人に対する金融庁からの一部業務停止命令が正式発表されたことは既報の通りですが、ようやく少し時間ができましたので、この事件について少し考察をしてみたいと思います。

まず、このような事件に出会って私が考えてしまうのが「処分がフェアに行われているか」点です。

フェアとは何ぞや・・・という話はありますが、ここでは、『フェア』の一要素といえる
(1)公正妥当な手続により行われているか?
(2)一罰百戒となっていないか?

という2つの側面を考えてみたいと思います。

疑問1:公正妥当な手続が踏まれたか?


まず、今回の処分に至る手続がどのようになっていたかについての検証です。行政が処分(特に不利益処分)を行うためには、法令による定めが間違いなく必要となります。今回の『監査法人に対する処分』の場合についても公認会計士法公認会計士法第三十四条の二十一第2項が処分の根拠となっています。

(虚偽又は不当の証明等についての処分等)
第三十四条の二十一  内閣総理大臣は、監査法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は監査法人の行う第二条第一項の業務の運営が著しく不当と認められる場合において、同項の業務の適正な運営を確保するために必要であると認めるときは、当該監査法人に対し、必要な指示をすることができる。
2  内閣総理大臣は、監査法人が次の各号のいずれかに該当するときは、その監査法人に対し、戒告し、若しくは二年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。
一  社員の故意により、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明したとき。
二  社員が相当の注意を怠つたことにより、重大な虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明したとき。
三  この法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるとき。
四  前項の規定による指示に従わないとき。


今回の処分理由を見ると、「同監査法人の関与社員は故意に虚偽のないものとして証明した」となっていますので、前述の第2項第1号該当として処分が行われたことがわかります。

また、このような不利益処分を行う場合には、行政は一定の「申し開きの機会」を与えなければなりません。これについては、公認会計士法では第三十四条の二十一第3項にて準用する第三十二条のうち、第4項と第5項にて、次のように定めています。
(懲戒の手続)
第三十二条
4 内閣総理大臣は、前二条の規定により戒告又は二年以内の業務の停止の処分をしようとするときは、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十三条第一項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
5  前二条の規定による懲戒の処分は、聴聞を行つた後、相当な証拠により前二条に該当する事実があると認めた場合において、公認会計士・監査審査会の意見を聴いて行う。ただし、懲戒の処分が第四十一条の二の規定による勧告に基づくものである場合は、公認会計士・監査審査会の意見を聴くことを要しないものとする。
(なお、処分権者は「内閣総理大臣より委任を受けた金融庁長官」)


この「聴聞」+「審査会」という手続は、耐震偽造問題に関する建築士の登録抹消でも同様の手続が行われています。このように、当事者にとって不利益となる場合には慎重な手続が行われることになります。

耐震偽造問題の事件の場合、マスコミによって「聴聞の期日や場所」が報道されていますし、国土交通省自信も聴聞の通知を行ったことを発表していますので、少なくとも行政法に定める「聴聞」が行われたことは確認されています。しかし、今回の処分については「いつ誰が聴聞を行ったのか?」ということが全く明らかにされていません。

聴聞自体は原則非公開で行うこととされていますので法律上問題はないとはいえます。しかし、私は行政側が最低限として「適切な聴聞手続を行ったこと」、可能であれば「どのような点を聴聞で確認し、かつ、どのような弁明があったか」については事後的にでも明らかにしなければ「フェア」とはいえないのではないかと考えます。

特に、今回のケースでは、処分の影響が「監査法人」だけでなく「監査契約を結んでいる企業(=利害関係者)」にまで波及することが想定されています。業務停止や登録抹消といった、利害関係者にまで多大な影響を及ぼす処分については、「フェアに処分が行われた」ことを対外的に立証するために、その手続を明らかにすることが必要だと思われます。

疑問2:一罰百戒となっていないか?


また、今回の一部業務停止処分についてはどうしてもどこなに「見せしめとして行われた処分」という印象を感じざるを得ません。これは、前述の「処分決定プロセスの不透明さ」にも関連しますがもう一つは「処分理由の不透明さ」にあります。

繰り返しになりますが、金融庁の報道発表資料では、中央青山監査法人に対する処分理由として次の文章で明らかにされています。
カネボウの平成11年3月期、平成12年3月期、平成13年3月期、平成14年3月期及び平成15年3月期の各有価証券報告書の財務書類にそれぞれ虚偽の記載があったにもかかわらず、同監査法人の関与社員は故意に虚偽のないものとして証明した。


この文章からは、「中央青山監査法人の関与社員が故意に虚偽証明したと金融庁が判断した」ということは分かります。しかし、処分の必要性や軽重を決める肝心の部分である「虚偽証明行為について、どのような事象を持って故意と認めたのか」ということについては全く触れられていません。これでは、今回の処分が妥当であるかどうか、判断をつけることが出来ない=行政に対する監視が出来ないということになります。

ちなみに、3月30日付けの金融庁報道発表資料では、今回とは別の3件の事案に関する公認会計士・監査法人の処分が行われた旨の発表が行われています。この場合には「事案の概要」として「『相当の注意を怠っている』と判断した根拠となる事象(監査での手続)」が公表されています。なお、このケースでは監査証明を担当した公認会計士個人には1~3月の業務停止処分、各会計士が関与社員となっていた監査法人には『戒告(=業務上の支障は極めて軽微)』という処分が出されています。

今回のケースについては「故意性」を認定したことによって、「注意義務違反」よりも重い処分として「監査法人に対する一部業務停止処分」が決定されています。しかし、少なくとも現時点では「『相当の注意を怠っている』とした前ケースとの今回のケースの間での『監査手続き上の相違点』」を知ることは出来ません。このため、「監査手続き上の不備のレベルは同じかもしれないが、事件の知名度やインパクトでを今日慮して『見せしめ』的に重い処分が行われた可能性がある」と疑う余地が残ってしまうと私は考えています。

そもそも、このような状況が発生するのには、一つには「外部の検証が行われない状態で、自ら基準をつくって、自ら状況を評価して、自ら処分を決定してしまう」という「極めて透明性の低い処分決定プロセス」が影響を及ぼしているのではないかと感じています。このような例は日本の行政には共通して見られる部分であり、個人的には最も「悪しき慣習」が残っている部分であると感じています。

ここまで「行政処分におけるフェアプロセス」にこだわるのは、最近ある仕事の中で「フェアでない」と感じざるを得ない出来事に立て続けに出くわしているためです。明日以降のエントリの中で、この点についてもご紹介していきたいと思います。

今後の展開については参考ブログを是非ご覧ください


この話題については、様々な角度から各ブログで取り上げられています。より深く、より詳しくこの問題について知りたい皆様は、ぜひ次にご紹介するブログもあわせてお読み頂ければと存じます。(私も勉強させていただいておりますm(_ _)m)

Grande's Journal
 今回の事件の経緯や資料が分かりやすくまとめられています。
 また、各監査契約先企業の動きもすばやく伝えられています。

法務の国のろじゃあ
 法務系の有名ブログ、いつも勉強させていただいているところです。
 今回の事件でも、特に企業側から見た影響や考えなどが大変勉強になります。

ビジネス法務の部屋(06.05.13追加)
 同じく法務系の有名ブログです。今回の処分に関する問題点の指摘の他、
 監査法人(会計監査人)の内部統制のあり方(+内部統制の限界)についても
 詳しくまとめられています。

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処分決定:中央青山への一部業務停止命令

2006-05-11 | オボエガキ
金融庁から正式に発行されましたね

監査法人及び公認会計士の懲戒処分について(平成18年5月10日、金融庁)
お詫び (当法人に対する行政処分について)(中央青山監査法人)

一部停止とはいえ、証取法・会社法監査業務が停止範囲に含まれていますので、「全部停止に準じた一部停止」という印象を受けます。

「処分に至る手続の流れ」の中で直感的に気になる点がいくつかありますが・・・・また別途エントリー立てます。

取り急ぎメモまで。

業務停止:中央青山監査法人が業務停止処分?(追記アリ)

2006-05-09 | オボエガキ
朝出かける前に飛び込んできたニュースにびっくりしています!

中央青山監査法人:全業務停止の処分へ 金融庁が検討(毎日新聞)
金融庁、中央青山の一部業務停止命令へ・カネボウ粉飾で (日本経済新聞)

カネボウの粉飾決算事件に絡んでの処分だそうですが、もし「監査法人全体の業務停止処分」となれば、停止中は受任している全ての会計監査契約を解除しなければならず、実質的には「解散命令」に限りなく近い状態になってしまいます。

一部停止か全部停止かどうなるか分かりませんが、今後のニュースに要注目です。

【追記06.05.09 - 23:30】
どうやら「法定監査業務の停止を含む一部業務停止」という報道が出ているようです。
<会計士監査審>中央青山監査法人への業務停止処分を承認
報道ベースなので状況が確定しないのですが、もしこのまま決まった場合にはあまりにも大きな影響が出ると思います。

個人的に疑問を感じているのは、今回の処分がそもそも「有効」といえるものなのかどうなのか?という点です、そもそも、今回の処分の際に念頭に置かれている(と思われる「監査法人に対する処分のガイドライン」はカネボウ事件を契機としてつくられたものであり、これに沿ってカネボウ事件についての処分に適用できるのかどうなのか?」という点です。もしこれが認められるなら「行政による『後付け』」がいくらでも出来てしまうことになり、大変な状態となる危惧を感じざるを得ません。(これは今回の「量刑」が妥当かどうかということにも関連するとは思います。)

また、業務停止期間中に契約を解除しなければならないような論調が見られますが、もしそうしなければならないとすれば、その法的な論拠がどこにあるのか知りたいところです。

今回の事件については、
ふぉーりんあとにーの憂鬱法務の国のろじゃあでも詳しく取り上げていますので、こちらもあわせてご覧頂くことをおススメいたします。

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リバイバル:ゴールドライタンが復活

2006-05-08 | マーケティング
GW中はすっかり更新が滞りがちになってしまいましたが、改めて頑張って更新していきます。

さて、今日のITmedia Newsによるとゴールドライタンがリバイバル発売するそうです。

大人の超合金「ゴールドライタン」(ITmedia News,2006.05.08)

ゴールドライタンといえば、ロボットものアニメの異色作品。「ライターがロボットに変形」するという理由も必然性も何も分からない設定ながら、非常にシンプルな形の『金色のライター』が変形してロボットになるという点が子供心に「ワクワク」を感じていたのを覚えています。(とはいえ、リアルタイムでのアニメの記憶はありませんが・・・でも、なぜか家にゴールドライタンのおもちゃがあったのは鮮明に記憶しています。)

こういった「リバイバルもの」が定番化するようになって久しいのですが、やはり昔なつかしいモノを見てしまうと、心がくすぐられてしまいます。とはいえ、子どもの頃のものなら何でも心が動くかといえばそうでもありません。「心くすぐられ度=リバイバルでのつかみ力」が大きいモノには、以下の共通点があります

【1】もともとの作品やキャラクターに強いインパクトがあったこと
【2】オトナ心もくすぐる「コダワリの逸品(完璧な復刻、最高品質等)」であること
【3】子どもの頃にはそうそう簡単に手に入らなかった(集められなかった)モノであること


AIDMA的に解釈すれば【1】の要素で「記憶のゆすぶり」で強いAttentionをもたらし、【2】で「オトナ視点で見たとき」の強いInterestを与え、さらに【3】で「コドモ時代の不自由さの想起」により強烈なDesireを植えつける・・・という流れが完成しています。

さらにこの効果を高めるためには、インターネットを活用してですぐに『発注』というActionを起こさせる手段を用意してあれば、Memoryを飛ばした「AIDA」が完成するということになります。(その意味では、今回はすぐに注文できる状態になってないのでやや残念ですが・・・)

なにはともあれ、「ゴールドライタン」というコトバに懐かしさを感じる方は、ぜひ魂ウェブの「GX-32 ゴールドライタン」をご覧ください!きっと「A/I/D」をナマ実感できると思います。

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販売促進:ネット販売とマス広告の相乗関係

2006-05-05 | マーケティング
初出版プロデュース作品であるシングルマザーの税理士合格記の発売から2週間が過ぎました。最初の立ち上がりとなるここ2週間は「書店での露出度を高める」ことに注力、店頭での「平積み」確保やPOP展開など、細かな動きで着実な足元固めを行ってきました。書店さんの御協力のもと、地元の有力書店では大変好意的なご協力を頂くことができました。

一方で、より多くの方に買っていただくためには、まず何よりも「より多くの方に知ってもらうこと」が大変重要です。そのために欠かせないのが「マス・プロモーション」。今日は、版元である中経出版さんより、日本経済新聞の3面に広告を掲載いただくことができました。

すると、すぐにその反応が現れました。昼頃よりAmazon.co.jpでのランキング順位がみるみる上昇し、なんと5月5日午後9時現在で資格・検定カテゴリでのトップ10に入ることが出来ました!(上の画像は、資格検定カテゴリトップ10入り記念に残したものです。)また、全体の順位も一時的ではありますがトップ1000位以内に入ることができました。(ちなみに、資格・検定カテゴリの最新順位はこちら

これまで、コンサルティングの場面では「『作る努力』と同じだけ『売る努力』をしなければ自分の商品を売ることは出来ない」と何度も口にしてきましたが、改めて『売る努力=価値を伝える努力』の重要性を身をもって感じました。

また、これまでの店頭販売では「広告を見た」時から「店頭でモノを買う」までの間に「強い購買意欲を持たせ続ける(Memory)」ということや「店頭でもう一度購買意欲を掻き立てる(Pop広告)」ことが必要でした。しかし、今回の広告出稿を通じて身をもって感じるのは、現在のようにネットショッピングが普及した状態では、お客様は「広告を見る⇒ネットで探す⇒すぐに買う」という非常に短い間での購買行動を取るということです。

これからの「マス広告」は、「ネットを活用してすぐに販売・入手できる体制」を予め整えておくことで、これまでの何倍もの相乗効果を生み出すことができることを正に体感した一日でした。

初体験:ラジオ収録!

2006-05-01 | 出版への道
今日の午前中は出版プロデューサーとしてプロモーション活動。なんと、シングルマザーの税理士合格記東海ラジオ様の朝一番の生ワイド番組、『小島一宏 モーニングあいランド』のワンコーナーでご紹介いただけることになったのです!ということで、今日は相方とともに東海ラジオ様まで収録にお伺いしました。

私にとっては、「人生初のラジオ局潜入」です。まずはオフィスにてご挨拶をさせて頂き簡単な打合せ。まず大変うれしかったのは、パーソナリティーの小島一宏さんは既に「シングルマザーの~」を読んでいただいていたということです。そこで、本の中の話題を中心に「聴いている方へ伝えてほしいポイント」をすり合わせました。

そして、今正に生放送をしているスタジオを横目にしながら、いよいよ収録のスタジオへ。初めて入ったラジオ局のスタジオは、「TVで見ている風景」が広がっていました。私は邪魔にならないよう調整室(?)側で待機し、小島さんと相方の二人がスタジオへ。本来5分程度のコーナーですが、小島さんの「プロの引き出し技」が冴え渡り、ついつい3倍以上もの時間話していましたゞ(^^;;(後で編集をいただくとのことです。)

本日の収録分につきましては、東海ラジオ『小島一宏 モーニングあいランド』5月10日(水) 午前8時10分ごろから始まる「トヨタモーニングレーダー」内にて放映予定です!ぜひ通勤途中にお聴き頂ければ幸いです。

ちなみにシングルマザーの税理士合格記については、まだまだパブリシティ展開を予定しています。まだ詳しくはお話できませんが、今日はラジオ出演以外にも立て続けにご縁を頂くことが出来た一日でした。発表できるようになり次第、Awing丹羽和子税理士事務所ホームページにて御案内しますので、こちらもどんどんチェックしてください!