フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

戦場から土佐への手紙

2009-09-21 19:00:33 | Weblog
ラジオで今日からかな「戦場から土佐への手紙」という番組が始まった。太平洋戦争末期戦場から家族に宛てた最後の手紙(本人は最後と思わなかったかも知れないけど)とその手紙にそえた家族の思いとの構成で1回に3篇ほどアナウンサーが朗読して聞かせてくれるんだけど聴いてて思わず涙が出ました。それまで、自分なんかは、歪んだ教育によって滅私した特別な集団のように思っていたんですけど手紙に書かれているのは、当たり前のことなんだろうけど自分たちと同じ普通の人が普通の幸せを願って果たせない現実を粛々と受け入れつつも人間としての本文を家族に託して散っていかざる終えなかった無念が伝わってきて胸をうった。当時の親は、戦場から顔も見ていない子供に対し絶大なる愛情を注いで「どうか立派な人間になってください」と願っている。そう言えば、僕らの子供の頃もこの精神は残っていて「立派な人間になれ」と言われたような気がする。それがいつの間にか「偉い人になれ」になって「立派や、偉くなくてもいいから自分らしく生きて」になっていった。立派な人間とは、固定されたイメージや具体的なことは何も言われていない。ただ、漠然としてよいこととしてはいけないことの判断ができるくらいに捉えていたように思う。今考えると、それで良かったんじゃないかと思うし日本の精神文化の卓越性を感じます。彼らは、生きたかった。死にたくなかった。
彼らが命をかけて残してくれた国そして平和。はじめて、そんなことを自覚した時間でした。
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