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七草粥で無病息災、絶食してもOK?◆倉石一大尉の奇跡から

2010-01-07 09:46:27 | 日記
おはようございます。
今日は七草粥の日ですね。

年末年始で食べ過ぎた胃腸の調子を
整えて、無病息災を願いましょう

お粥つながり・・で今日もいきます。


◆肝臓病で食事制限中だった男


明治35年1月、帝国陸軍青森歩兵第五連隊の大尉である
倉石一大尉は肝臓病のため食事制限で粥食を続けていました。
そのため連隊が行う行軍演習には参加しないつもりでした。

1月22日。

翌日に出発する行軍演習の歓送会の席上で、倉石大尉は
上司である大隊長から『病気であっても参加せよ!』と
命令されてしまい結局承知してしまいました


1月23日。肝臓病を患いながらも行軍演習に参加して
連隊総勢約200名で冬の八甲田山へ向かいました。


◆雪山で遭難、わずかな生還の奇跡


新田次郎の小説『八甲田死の彷徨』で書かれ、映画にもなった
明治時代の悲劇的な遭難事件です。

必要な雪山行軍対策をとらず、軽装のまま行軍演習を行い
参加者の大半が凍傷で遭難してしまいました。

倉石大尉は、もともと参加予定ではなかったにもかかわらず
前日に上司から言われて参加したものですから
とばっちりの悲劇のように見えます。

ところが倉石大尉は奇跡的に生還することができました


◆飲まず食わずの5日間


病気中の時、人は通常より体のケアに敏感になるのかもしれません。

倉石大尉は凍傷防止に備えて『ゴム長靴』を履いて参加しました。
当時は貴重な輸入品で、たまたま購入してあったものでしたが
参加者の大半は通常の靴のままだったのです。

もともと肝臓病で具合が悪いのに、無理な行軍参加で体がやられたら
たまったものではない!

おそらくこういった予感から大尉が準備した『ゴム長靴』のおかげで
凍傷を免れたといわれています。

しかし救出されるまでの5日間、大尉は絶食状態におかれていました。
体へのダメージは・・

◆肝臓病が全快しました


遭難中、何も食べられなかった環境におかれた大尉の体に起きた変化は
『肝臓病の全快』という副産物でした

医学的には、絶食が続くと胃腸への血流が減少して他の臓器に血液供給が
なされます。肝臓への血液供給が肝臓機能の回復に役立ったようです。

食べ過ぎると消化液の胆汁が過剰分泌されてアンモニアなどの有害物質が
発生します。肝臓はそれを解毒しなければいけないので負担が大きくなり
病気になってしまうようです。

つまり肝臓病にとっては食べないことが究極の治療手段になったという
訳です。大尉は遭難から奇跡的に生還しただけではなく肝臓病もついでに
治してしまいました!


◆窮すればすなわち変じ、変ずればすなわち通ず


もう絶体絶命のような状況におかれてもあわてずに
状況の変化を見定めていれば必ず通ずる(突破口が見つかる)

易経の言葉ですが、簡単に言えば「ピンチはチャンス!」ですね。


お粥→食事制限→食べる量を減らす(ピンチ)
いっそ全く食べない状況はどうだろうか(チャンス)

倉石大尉はまったく予期しない行軍参加にあっても慌てずに準備をし
その中で最善を尽くしたことが結果的に副次効果を生み出しました。

肝臓の教訓

人生全般に応用が利く考え方のように思うので、今日はお粥を食べながら
倉石大尉を偲びたいと思います。

ではまた



参考文献:

「指揮官の決断」
山下康博 中経文庫2008年

「どんな病気も『温めれば治る!』」
石原結實KKベストセラーズ2003年