たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

スイスアルプス花紀行 NO.4  (ヘルンリ小屋他) 2013.07.21

2013-08-23 | 海外


NO.3 からの続きです。



7月21日

今朝のマッターホルンは…


<06:18 モルゲンロートは期待できないけど雲の色合いが面白い>

ブライトホルン、ハーフトラバースルートのテスト登山でマッターホルンクライミングOKをもらったMさんが、
いよいよ、今日はヘルンリ小屋に入る日。
ガイドさんとはヘルンリ小屋に夕刻合流なので、Mさんは遅めの出発となる。

私たちの行動予定は、クライネ・マッターホルン(マッターホルン・グレッシャーーパラダイス)で大展望
を楽しんだあと、遅出のMさんと合流し、みんなでヘルンリ小屋まで見送り行くというもの。

という訳で、当初三人で行動する予定だったけれど、Aさんがクライネ・マッターホルンを
パスすることになったので、とりあえず、二人ずつに分かれた。

Oさんと私は、宿泊先からマッターフィスパ川沿いに15分ほど歩き、
朝一番(07:00)のリフト乗り場へと歩く。



クライネ・マッターホルンは、小さなマッターホルンという意味で、
角度によってはマッターホルンのような形に見えるので、そう呼ばれているらしい。

【クライネ・マッターホルン=グレッシャーパラダイス】
 
<マッターホルンが迫ってくる>

フーリ、シュバルツゼーを経てトロッケナー・シュテークへ。
ここで大型のロープウェイに乗り換えてようやくクライネ・マッターホルンに到着!!
ふぅ~~疲れた…乗り換えがよくわからなくて、降りる必要のない駅で降りてみたりしてね(^^;)
最後に乗った大型のロープウェイの乗客は、スキーヤーとクライマーばかりで観光客は数えるほど…
観光客のスタート時刻はもう少し遅いのかな…?

07:40 グレッシャー・パラダイス着

ロープウェイを降りてからは、流れに沿ってトンネルをグングン進んで行ったらいきなり外に出てしまった。
ここではブライトホルン目指す登山者がハーネスやアイゼンを装着中だった。 


<これから登山>

私たはちは、展望台へGO!! 
トンネルを引き返しエレベーター乗り場を探す。
 
標高1600mのツェルマットから富士山より高い標高3883mのグレッシャーパラダイスまで
ほとんど歩くことなく上がってくることができることに、まず感動!!

やや息苦しさを感じるけれど、想像したほどの辛さはなくパラダイスへの階段も
テンポよく上ることができた。
そして、またまた大パノラマを満喫。

遠く、モンブランまで見渡せる文句なしのロケーションに歓声も一入である。

この日の展望台も、日本人の仲の良い親子と私たちだけの貸し切り状態!
早起きは三文の得ですね\^∇^/


<マッターホルン・グレッシャーパラダイス>

ここから見えるマッターホルンは三角形のピラミッドのような形をしている。


<三角形のマッターホルン>

遠くモンブランが見える

クリックしてね! ⇓


<グレッシャーパラダイスからのパノラマ>

目の前に聳えるブライトホルンの雪上を多くの登山者が列をなしている姿が肉眼で見える。
近くに見えるけど、登ってみると大変なんでしょうね~

よく見ると、トレースが途中で二岐に分かれている
Mさんが昨日登ったハーフトラバースコースは、右にグルリと回り込んだ奥の方らしい…?
一般ルートとは違い、岩と雪がミックスしたロッククライミングの世界、う~~ん恐ろしい。。。



<ブライトホルン>

360度の展望に時間を忘れて見惚れてしまっていた。
展望台に1時間も滞在している間に、徐々に人が増えてきた。
次の人に場所を空けてあげなきゃね^^私たちはそろそろ退散し、シュワルツゼーまで下りましょう!

 


~シャバルツゼーへの下り~

シュバルツゼー(2583m)は、マッターホルン登山への入口。
ピッケルやヘルメットを持ったクライマーやザックを背負ったハイカーが行き交い、
ピクニックのファミリーなどが、思い思いのスタイルで楽しんでいる。

ベンチで休憩していると、ロープウェイを降りて歩いてくるMさんとAさんの姿が見えた。
特に時間を決めた訳ではないけれど、絶妙のタイミングで合流!

4人が集まり、久々のワイワイガヤガヤ道中の始まり。


<ヘルンリ小屋は右下に見えるジグザク道を登っていく>





~~シャバルツゼーSchwarzseeと礼拝堂~

シュバルツゼー周辺は高山植物の宝庫

色とりどりの花々が咲き乱れ、パノラマ以上に大興奮!
特に、トチナイソウ属の花がそこら中に咲いているのに驚いた。
トチナイソウは、礼文島と早池峰山の極々限られた場所に咲く希少種。
ただし、この場所に咲くトチナイソウは茎に毛が少ないタイプ。
それでも、日本ではお目にかかれなかった憧れのトチナイソウに出会えて
嬉しかった! 
その後、ここだけでなくあちこちで見つかり、有り難みはやや薄れた^^;


日本のトチナイソウにより近い毛深いタイプはハイキング最終日の
アイガートレイルで見ることができた。



<マッターホルンの懐に向かって>


 


<この少し先でAさんとOさんは山を下ることに…>

AさんとOさんは、シュバルツゼーより下のハイキングコースを歩くので、
ヘルンリ小屋へのお見送りは私が行くことになった。

小屋からの帰りは一人ぼっちになるので心細く感じたが、
昨年ヘルンリ小屋を往復した経験があるAさんの、
「このコース、素晴らしいよ~絶対行った方がいいよ!!」
との強い勧めで、決心がついた。

お陰様でここでしか見られない数々の高山植物にも出会うことができ大満足だった。

Mさんは明日の登頂に向け、どんな気持ちでいるんだろう…?


 
<天気も上々!明るいMさん>




<ヘルンリ小屋へはよく整備された道が続く>


頭上に小屋が見えてきた。



標高3260mに建つヘルンリ小屋は現在改築中で、今年は収容人数も大幅に削減されていた。
来年(2014年)は完全に休業となるそうで、マッターホルンを目指すクライマーにとっては痛手だ。




テラスで、小屋の予約が取れずテント泊ガイドレス単独の仙台在住の男性に会った。
彼もMさんと同じく明日の登頂を目指している。
昨年はヘルンリ小屋に宿泊できたが、翌朝の積雪で登頂を断念したとのことで、
リベンジに燃えていた。


              

さすがに緊張した様子のMさん、明日のクライミングのことで頭がいっぱいって所でしょうか?

体力と技術はお墨付き、天気もたぶん大丈夫、
スイスに入ってまだ3日目だというのに時差ボケなく、高度順応もうまくいっているみたい…

これまでは「絶対、登頂してよね!!」と、散々プレッシャーをかけ続けていたけれど、
「頑張ってね!でも無理しないでね」と声をかけながらも、登頂を信じて
14:00ヘルンリ小屋を後にする。



<モンテローザ、リスカム、ブライトホルン>

クライネ・マッターホルン(小さいマッターホルン)の名前どおり、確かにここから見るとマッターホルン
に似てる^^


<ブライトホルンとクライネ・マッターホルン>


シュバルツゼー⇔ヘルンリ小屋のトレイルには魅力的な高山植物が多く、
帰路はさらにゆっくりと植物観察しながら下る。
ロープウェイの最終は16:50とのことなので、たっぷり時間もある。

すれ違う人も少なく、鼻歌交じりでルンルンのトレイル、
とても贅沢な時間を過ごすことができた。

背中を押してくれたAさん、ありがとう!!








 出会った花々



アンドロサケ・オブトゥシフォリア Androsace obtusifolia (サクラソウ科 トチナイソウ属)



アンドロサケ・オブトゥシフォリア Androsace obtusifolia (サクラソウ科 トチナイソウ属)



プリムラ・ファリノサ Primula farinosa (サクラソウ科 サクラソウ属)
【和名:ヨウシュサクラソウ】




ピングイクラ・レプトケラス Pinguicula leptoceras (タヌキモモ科 ムシトリスミレ属)




ヘディクラリス・ケルネリ Pcdicularis kernei (ゴマノハグサ科 シオガマギク属)
種名:ケルネリ・シオガマギク



ヘディクラリス・ケルネリ Pcdicularis kernei (ゴマノハグサ科 シオガマギク属)
種名:ケルネリ・シオガマギク




ロトゥス・アルピヌス Lotus alpinus (マメ科 ミヤコグサ属)
種名:アルピヌス・ミヤコグサ




トリフォリウム・アルペストレ Trifolium alpestre (マメ科 シャジクソウ属)
種名:アルピヌム・ツメクサ




ビオラ・カルカタラ Viola calcarata (スミレ科)
種名:カルカラタ・スミレ





ロイディア・セロティナ Lloydia serotina (ユリ科 チシマアマナ属)
【和名:チシマアマナ】






アキレナ・ナナ Achillea nana (キク科 ノコギリソウ属)
種名:ナナ・ノコギリソウ







シレネ・エクスカパ Silene exscapa (ナデシコ科マンテマ属)
青色はリンドウ科のエンツィアン




トリフォリウム・タリ Trifolium thalii(マメ科 シャジクソウ属)




オクシトロピス・カンペストリス Oxytropis campestris (マメ科 オヤマノエンドウ属 )
【和名:リシリゲンゲの母種】



アストラガルス・アウストラリス Astragalus australis (マメ科 ゲンゲ属)




アルテミシア・ウムベリフォルミス Artemisia umbelliformis(キク科 ヨモギ属)





トラスピ・ロトゥンディフォリウム Thlanspi rotundifolium(アブラナ科 グンバイナズナ属)





ラナンクルス・グラキアリス Ranunculus glacialis (キンポウゲ科 キンポウゲ属)

 


ラナンクルス・グラキアリス Ranunculus glacialis (キンポウゲ科 キンポウゲ属)
種名:グラキアリス・キンポウゲ

 

 




ラナンクルス・グラキアリス Ranunculus glacialis (キンポウゲ科 キンポウゲ属)
種名:グラキアリス・キンポウゲ



ゲウム・レプタンス Geum reptans (バラ科 ダイコンソウ属)
種名:レプタンス・ダイコンソウ

ピンクのトチナイソウは、この一株のみ、
じっくり愛でることができた。

アンドロサケ・アルピナAndrosace alpina (サクラソウ科 トチナイソウ属)
種名:アルピナ・トチナイソウ


あらら、この花「シコタンソウ」に似てる^^;

サクシフラガ・ブリオイデス Saxifraga bryoides (ユキノシタ科 ユキノシタ属)
種名:ブリオイデス・ユキノシタ



サクシフラガ・モスタカ Saxifraga moschata (ユキノシタ科 ユキノシタ属))
種名:モスタカ・ユキノシタ




サクシフラガ・エクサラタ Saxifraga exarata (ユキノシタ科 ユキノシタ属)
種名:エキサラタ・ユキノシタ


サクシフラガ・エクサラタ Saxifraga exarata (ユキノシタ科 ユキノシタ属)
種名:エクサラタ・ユキノシタ




サクシフラガ・オポジティフオリア Saxifraga oppositifolia(ユキノシタ科 ユキノシタ属)
【和名:ムラサキユキノシタ】


サクシフラガ・ビフロラ Saxifraga biflora (ユキノシタ科)
種名:ビフロラ・ユキノシタ

 


ケラスティウム・ラティフォリウム Cerastium latifolium (ナデシコ科 ミミナグサ属)
種名:ラティフォリウム・ミミナグサ




ケラスティウム・ラティフォリウム Cerastium latifolium (ナデシコ科 ミミナグサ属)
カンパヌラ・ケニシア Campanula cenisia (キキョウ科 ホタルブクロ属)




カンパヌラ・ケニシア Campanula cenisia (キキョウ科 ホタルブクロ属)
種名:ケニシア・ホタルブクロ





ゲンティアナ・ブラキフィラ Gentiana brachyphylla (リンドウ科)



ゲンティアナ・ブラキフィラ Gentiana brachyphylla (リンドウ科)


カムパヌラ・コクレアリイフォリア Campanula cochleariifolia(キキョウ科 ホタルブクロ属)
【和名:チャボキキョウ】



ミオソティス・アルペストリス Myosotis alpestris (ムラサキ科 ワスレナグサ属)
種名:アルペストリス・ワスレナグサ




オクシトロピス・ヘルウェティカ Oxytropis helvetica (マメ科 オヤマノエンドウ属)




レウカンテモプシス・アルピナ Leucanthemopsis alpina (キク科 レウカンテモプシス属)


ヴェロニカ・ベリディオイデス Veronica bellidioides (ゴマノハグサ科 クワガタソウ属)



アルケミラ・クサントクロラ Alchemilla xanthochlora (バラ科 ハゴロモグサ属)
【ハゴロモグサの近縁種】






ホモジネ・アルピナ Homojyne alpina (キク科)




プランタゴ・アルピナ Plantago alpina (オオバコ科)




エロゲロン・グラブラトゥス Erigeron glabratus (キク科ムカシヨモギ属)


ソルダネラ・アルピナ Soldanella alpina (サクラソウ科 ソルダネラ属)
【和名:イワカガミダマシ】




リナリア・アルピナ Linaria alpina (ゴマノハグサ科 ウンラン属)
種名:アルピナウンラン



明日は、ゴルナーグラードからリッッフェルアルプまで歩きます。

 

NO.1 日程表  NO.2サース・フェー  NO.3オーバーロートホルン 

NO.5に続く


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2 コメント

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Unknown (やまそだち)
2013-08-27 18:30:29
長期の海外旅行十分に楽しまれたようです。
景色も花も素晴らしく奇麗に撮れていますね。楽しみに拝見しています。
植物名を調べるのは大変でしょう。私も中国の雲南省や四川省の花調べは苦労しました。
続編楽しみにしています。
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やまそだちさん (fu-co)
2013-08-29 11:23:42
日本の植物名でも片っ端から忘れていくのですから、海外の植物の学名は最初からお手上げです^^;
でも、出会った花の名前を調べ、記録として残してみると親しみを感じてくるものですね~

雲南省、四川省の花々も素敵ですよね~
是非行ってみたいものです。

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