たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

スイスアルプス花紀行 NO.5 (ゴルナーグラート) 2013.07.22

2013-08-29 | 海外



7月22日

 からの続きです。

今日のマッターホルンは…

<06:00 山頂付近が一瞬だけ赤く染まった>


いよいよ今日はMさんがマッターホルンにアタックする日、
午前5時、ベランダから眺めるヘルンリ稜はヘッドランプの灯りがチラチラと見え隠れしている。

今頃、頑張って登っているんだろうな…

6時ごろに一瞬だけモルゲンロートになりかけたが、
顔を出したばかりの太陽はすぐに雲に遮られてしまった。
でも、今のところ風もなさそうだし上々の滑り出しだ!

さて、私たちの今日の行動予定は、ゴルナーグラートGornaergrat(3089m)まで登山電車で上がり、
そこから、リッフェルアルプRifferalp(2222m)までの下りハイキング。
ガイドブックや雑誌で何度も眺めた“逆さマッターホルン”を見ることが出来る
絶好のビュースポットを通過する。
好条件が揃わなければ現れないので、まさに運次第、う~~ん、風が吹かなければいけど…




【08:40】 ゴルナーグラート(3089m)着
ツェルマットから登山鉄道で標高差1484mを登ってきた。



終点のゴルナグラートは、目の前に4000m級の山々と巨大なゴルナー氷河が迫る。


<ゴルナー氷河>




<仲良く並ぶ2つの山はカストール、ボリュックス>


そして、一昨日登ったオーバーロートホルンも見える


<中央手前がオーバーロートホルン>




<中央の山はリスカム>

登山列車でマウンテンバイクを運び、大展望のトレイルを軽快に下る若者が多い


こんな高い場所からマウンテンバイクで下るのはさぞ爽快でしょうね~




ゴルナーグラートに列車が到着するたび観光客が押し寄せる。

今の時間帯は、日本人ツアーの姿を多くみかける。



<ゴルナーグラートからパノラマ>

 

【09:20】 さて、リッフェルアルプに向けて下ることにしましょう!




<マッターホルン登山列車>

ひんやりとした空気の中をのんびりと歩くトレイルは、ことのほか気持ちがいい!!









眼下にリッフェルゼーが見えてきた。 ⇓



<ゴツゴツした岩山のリッフェルホルンとリッフェルゼー>





昨日も晴天だったけれど、風が邪魔して逆さマッターホルンは見られなかったそうな…
有り難いことに、今日はほぼ無風、湖面が鏡の役割を果たし、見事にマッターホルンを映しだしている。



<リッフェルゼー>

逆さマッターホルンに酔いしれ、クライミング中のMさんを想いながら感無量のひとときを過ごす。



周辺には可憐なサクラソウが群生している

<プリムラ・ファリノサ Primula farinosa (サクラソウ科サクラソウ属>


リッフェルゼーのすぐ下にも逆さマッターホルンを映す小さな湖がある。
ここもなかなかのビューポイント


<湖の名前はえ~~っと何だっけ?小さな湖^^;>

ここから下りは、花いっぱいの魅力あふれるトレイル。








本日の終点リッフェルアルプが近づくと、息を呑むほどの一面のお花畑に遭遇、











【14:00】 ツェルマットに戻ってきた。



<ツェルマット>



Mさんは無事登頂できたかな…?何時頃戻って来るのかな…?
何度もアパートの窓から外を眺め、落ち着かない時間を過ごした。


<アパートの窓からの眺め>


そして、午後4時過ぎ、待ちに待ったMさんが登頂証明書を携えてご帰還!!

無事の登頂の報告に、一同喜びの歓声が
ヘルンリ小屋から登り4時間、下り4時間、計8時間でマッターホルンを踏破した
元気な60歳は余力充分で戻ってきた。

ヘルンリ小屋では、
同じ航空便でスイス入りした日和田のクライミング仲間Nさんご夫妻が出迎えてくれたそうで、
Mさん(も~りさん)の登頂をみんなが喜んでいる。


      
左手の手提げ袋に入っていたもの、それはA4サイズの「登頂証明書」
おめでとう^^V

                                                                      

マッターホルン山頂 

   ↑ ↑ お借りした写真を無断で載せちゃいました~~ 
お顔には一応モザイクかけておいたから”怒らないでぇ~~
イケメンガイドのルディは、とっても優しいGentlemanだったそうです。


 ワインで祝福!!

※も~りさん、せっかくだからマッターホルン登頂のブログ書いてくれると嬉しいな!!

ガイドを紹介してくれたアクティブマウンテンのブログはこちら ⇓
http://www.active-mountain.com/blog/index.php?ID=570

Sさん=Mさん デス^^;




 出会った花々

このトレイルに咲いていた花は特に目新しいものはないと感じていたのですが、
何気なく撮った画像を見てビックリ!!
すでに終盤で鮮度に欠けるのが残念ですが、
この花キタダケソウにそっくり…


カリアンテムム・コリアンドリフォリウム Callianthemum coriandrifolium
(キンポウゲ科 キタダケソウ属)
◆ガ~~ン、葉が写ってない、でも図鑑と見比べてキタダケソウの仲間に違いないと確信しました。




トラスピ・ロトゥンディフォリウム Thlanspi rotundifolium(アブラナ科 グンバイナズナ属)
種名:ロトゥンディフォリウム・グンバイナズナ
◆ガレ場、岸壁に生える美しい花。


セムペルウィウム・アラクノイデウム Sempervivum arachnoideum
(ベンケイソウ科 クモノスバンダイソウ属)
◆ひと目でベンケイソウ科とわかるこの花、ヨーロッパアルプスとても多い。



セルペルウィム・モンタヌム Sempervivum montanum
(ベンケイソウ科 クモノスバンダイソウ属)
◆上に比べ、花弁が細い。





アキレア・ナナ Achillea nana (キク科 ノコギリソウ属)

 


ティムス・プラエコクス Thymus praecox (シソ科 イブキジャコウソウ属)




登山道沿いを飾る花々





カムパヌラ・バルバタ Campanula barbata (キキョウ科 ホタルブクロ属)
種名:バルバタホタルブクロ



ニグリテラ・ニグラ Nigritella nigra (ラン科 ニグリテラ属)
【和名:ニグラ・バニララン】
◆目立たない地味な花だけど、ラン科の植物



ホモゲネ・アルピナ Homogyne alpina(キク科 ホモギネ属)




ペディクラリス・ウェルティキラタ Pedicularisu verticillata(ゴマノハグサ科 シオガマギク属)




アステル・アルピヌス Aster alpinus (キク科 シオン属)
◆ミヤマアズマギクにそっくり。




レウカンテモプシス・アルピナ Leucanthemopsis alpina (キク科 レウカンテモプシス属)
◆デージーのような花だけど、高山の植物らしく葉は羽状に裂けて細い披針形。


ミオソティス・アルペストリス Myosotis alpestris (ムラサキ科 ワスレナグサ属)




ビオラ・ビフロラ Viola biflora (スミレ科 スミレ属) 【和名:キバナノコマノツメ】
◆日本でおなじみのキバナノコマノツメがスイスにも存在していた。




オクシトロピス・ウェルティナ Oxytropis halleri ssp velutina(マメ科 オヤマノエンドウ属)
◆花色、花の付き方、絹毛をまとった葉は礼文島の「レブンソウ」に似ている。




アストラガルス・アルピヌス Astragalus alpinus (マメ科 ゲンゲ属)
◆日本のレンゲソウを思わせるので勝手に「アルプスレンゲ」と呼んでいた^^;





クレピス・アウレア Crepias aurea  (キク科 フタマタタンポポ属)
◆花色がコウリンタンポポに似ているが別種。





プルサティラ・ヴェルナリス Pullsatilla vernalia (キンポウゲ科 オキナグサ属)
◆オーバーロートホルンでも出会ったが、今回も開花株は見逃す。




カヌパヌラ・ショイヒツェリ Campanula scheuchzeri (キキョウ科 ホタルブクロ属)
【和名:ヒメイトシャジン】
◆キキョウ科の植物は種類が豊富でどれも似ているが、この花はイトシャジンの和名のごとく、葉は細い。




トロリウス・エウロパエウス Trolius europaeus (キンポウゲ科 キンバイソウ属)
【和名:タマキンバイ】
◆花は一際大きく全開することはない、アルプスを代表する花のひとつ。






フィテウマ・ヘミスファエリクム Phyteuma hemisphearicum (キキョウ科 フィテウマ属)
種名:ヘミスファエリクム・タマシャジン
◆花筒が中央に向かって曲がるため「悪魔の爪」と呼ばれる





フィテウマ・ヘミスファエリクムは、このような環境にも咲く


フィテウマ・ベトニキフォリウム Rhyteuma betonicifolium(キキョウ科 フィテウマ属)
種名:ベトニキフォリウム・タマシャジン
◆悪魔の爪に似ているが、牧草地でも普通に見かけた。






ドリアス・オクトペタラ Dryas octopetala (バラ科 チョウノスケ属)
【和名:チョウノスケソウ】
◆日本の高山に咲くチョウノスケソウよりやや大きめで花色が白い。




バルトシア・アルピナ Bartsia alpina (ゴマノハグサ科 バルトシア属)




アルテミシア・グラキアリス Artemsia glacialis (キク科 ヨモギ属)
左端のキク科の植物は、エリゲロン・アルピヌスErigeron alpinus(キク科 ムカシヨモギ属)





サリックス・レティクラタ Salix reticulata (ヤナギ科 ヤナギ属)





ビスクテラ・ラウェガタ Biscutella laevigata (アブラナ科 ビスクテラ属)

⇓ ⇓ 花の拡大

ビスクテラ・ラウェガタ Biscutella laevigata (アブラナ科 ビスクテラ属)




サクシフラガ・パニクラタ Saxifraga paniculata(ユキノシタ科 ユキノシタ属)
種名:パニクラタ・ユキノシタ







ソルダネラ・アルピナ Soldanella alpina (サクラソウ科 ソルダネラ属)
【和名:イワカガミダマシ】




ロデデンドロン・フェルギネウム Rhododendron ferrugineum (ツツジ科 ツツジ属)
【アルペンローゼ】




サクシフラガ・ブリオイデス Saxifraga bryoides (ユキノシタ科 ユキノシタ属)
種名:ブリオイデス・ユキノシタ
◆シコタンハコベを思い浮かべる美しい花。



ドロニクム・クルシイ Doronicum clusii (キク科 ドロニクム属)
◆可愛い花だけど「泥憎む、苦しい」と読んで、思わず笑ってしまった!!
 



ヴァレリアナ・トリプテリス Valeriana tripteris (オミナエシ科 カノコソウ科)






ゲンティアナ・ニワリス Gentiana nivalis (リンドウ科 リンドウ属)
◆茎は根本から分岐して細かい、根生葉はロゼットをつくる。




ワッキニウム・ウィテイスーイダエア Vaccinium vitis-idaea(ツツジ科 スノキ属)
【和名:コケモモ】
◆アルプスで見かけたコケモモはほとんどが白色だった。





ピロラ・ミノル Pyrola minor (イチヤクソウ科 イチヤクソウ属)



ゲンティアナ・カムペストリス Getiana campestris (リンドウ科チシマリンドウ属)
◆よく似たゲンティアナ・ラモサとの違いを調べていたら、こちらはガク片の幅が広いことが判明!
 

ガク片が広い


こんな風に群生する






ヒエラキウム・スタティキフォリウム Hieracium staticifolium(キク科 ヤナギタンポポ属)





ディアントゥス・カルツゥシアノルム Dianthus carthusianorum (ナデシコ科 ナデシコ属)




ゲラニウム・シルバティクム Geranium sylvaticum  (フウロソウ科 フウロソウ属)
◆日本のハクサンフウロに比べてやや紫色がかって見えた。




明日はシャモニーへ移動します。


① 日程表  ②サース・フェー  ③オーバーロートホルン   ④ヘルンリ小屋へ  

NO.6に続きます

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