たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

スイスアルプス花紀行 NO.10 (ボナッティ小屋へ ) 2013.07.27

2013-08-30 | 海外

 



NO.9 の続きです。

7月27日

今日はバスを利用して国境越えです。
3日と半日楽しんだシャモニからモンブラントンネルを抜けて、イタリアのクールマイユールへ移動、
その後は、ツール・ドゥ・モンブランのコース上にあるボナッティ小屋からエレナ小屋までハイキングする計画。

シャモニ駅前から出るバスの時刻は08:30、余裕をもって早めにホテルを出る。

乗車券は、一昨日に購入しているので、慌てる必要はないけれど、
すべてにおいて、早め早めに行動することで気持ちに余裕が生まれる!
なぁ~~んてね^^;;、海外に限らず、普段から日常的に心がければ、
極度の“おっちょこちょい”は少しは改善されるかしらね^^;;


バスは定刻に出発したけれど、トンネルの入り口で渋滞にハマってしまった。
なかなか先に進めない理由は、今日が土曜日で車の絶対数が多いことに加え、
片側一車線のトンネル内は、車間距離を一定に保つため一台ずつ調整している。
以前、トンネル火災が発生し大惨事となったことから、トンネル内は一定の車間距離を設けての走行となったらしい。
という訳で、入り口で詰まっていても中に入ってしまえば、後はスイスイで、あっという間ににクールマイユールに到着した。

それでも予定より約15分遅れ、09:30過ぎにクールマイユール(Courmayeur-P.le Monte Bianco)着

 



宿泊先のホテル・クルー(Hotel Croux)は、バス停のすぐそばにある。荷物を預かってもらい、身軽になったところで
さっそくボナッティ小屋方面行きのバス乗り場を探す。
ボナッティ小屋へは、アルノーヴァ(Arp Nouvaz Cap)行きのバスに乗り、
2つ手前のラバシェ(La Vachey)バス停から歩き始めるのが一番の近道らしい。

バスは30分間隔で走っており、私たちは10:20発のバスに乗り、ラバシェを目指した。
乗車時間は約30分、予定通り目的地に到着。



ラバシェは、避暑地の雰囲気で、広々とした芝生の上でファミリーやカップルが思い思いにくつろいでいる。
こんな山の中で、若い女性がビキニ姿で日光浴している光景は日本ではまず考えられない気がする…
やはりヨーロッパ的だなぁとつくづく感じた。

私たちもベンチで腹ごしらえをした後、ボナッティ小屋へ向けて歩き始めた。
時刻は11:30を過ぎており、照りつける太陽がジリジリと暑い!!



登山口の案内がなく道が分かりづらかったけど、何とかトレイルを見つける事ができた。


ラバシェ方面を振り返る



咲き誇るお花畑に付いた一本道を辿っていくと、木陰に入り涼風が吹き渡る。

おや、オオレイジンソウに似た花が咲いている…


アコニトゥム・リコクトリム Aconitum lycoctonum  キンポウゲ科

 その他、シュウメイギクに似た花やキキョウ科の花たち、日本でもありそうな花がそこら中に咲いていて興味津津
すべてを写真に収めたいけどそれも叶わず、先を急ぐ。


ロサ・ペンドゥリナ Rosa pendulina (バラ科 バラ属) 和名:セツザンバラ


次に登場したのはピンクのユリ「マルタゴン」
開花時期が比較的早いため、なかなか出会えないはずのユリが群生しており嬉しい悲鳴!!


リリウム・マルタゴン Lilium martagon  (ユリ科 ユリ属)


下部ではほぼ終盤だったけれど、上部ではまだ蕾も残っていた。


リリウム・マルタゴン Lilium martagon  (ユリ科 ユリ属)


これまでに出会ったフィテウマ属の花とは別の種類で、草丈も短く、花も茎もがっしりしている。

フィテウマ・グロブラリィフォリウム Phyteuma globularifolium
(キキョウ科 フィテウマ属)




ペディクラリス・ウェルティキラタ Pedicularis verticillata (ゴマノハグサ科 シオガマギク科)
和名:タカネシオガマ、ユキワリシオガマ




お花畑の道をさらに進み振り返ると、後方にグランドジョラスらしき岩峰が目に飛び込んできた。
イタリア側から見るとこんな姿になるのですね~
教えてもらわなければさっぱり見分けがつきませぬ。


ハンニチバナとグランドジョラス?

 
ケンタウレア・ネルウォサ Centaurea nervosa (キク科 ヤグルマギク科)


トンネルをくぐってイタリア側に来ただけで、シャモニ周辺では見ることができない花々の登場に
興奮を隠しきれない!!
そのひとつがこの赤褐色のリンドウ「プルプレア」、意味は“紫色”とのことです。


ゲンティアナ・プルプレア Gentiana purpurea (リンドウ科 リンドウ属)

花を愛でながら、のんびり歩くこと一時間でボナッティ小屋に到着。

ツール・ドゥ・モンブランの経由地「ボナッティ小屋」は大勢の人で賑わっていた。



丁度お昼時、小屋前の広場では大展望をお供にランチをとる人、日光浴をする人、思い思いに楽しんでいる。

 


記念撮影^^;

 


小屋前に広がるグランドジョラスの展望

ボナッティ小屋はツール・ドゥ・モンブランのコース上にある景勝地であるにもかかわらず、
日本で企画されたツアー計画を見ると、クールマイユールに降りたあとは次のエレナ小屋へと進み、
ボナッティ小屋は省略されていることがままある。実にもったいない…と思う!
とはいえ、私たちも今日は半日しか使うことができないので、エレナ小屋まで進むのははやり無理だと判断。
エレナを選んでもきっと素晴らしい光景が広がっているに違いない。

いつかは、ツール・ドゥ・モンブランの全行程を歩いてみたいものだ。


フゲニニア・タナケティフォリア Hugueninia tanacetifolia (アブラナ科 フゲニニア属)

 



アンティリス・アルペストリス Anthyllis vulneraria ssp.alpestris (マメ科 アンティリス科)
属名:アルペストリス・クマノアシツメクサ



背の高い黄色い花は、セネキオ・ドロニクム Senecio doronicum (キク科 キオン属)



心地よい風を受けながらしばし草原で戯れハイジ気分に浸る。


 

足下にも小さい草花が群生している!!  


白い花はサクシフラガ・ブリオイデス、青い花はベロニカ・フルティカンス

 



こちらも気持ちよさそう!!



ゲンティアナ・ニバリス Gentiana nivalis (リンドウ科 リンドウ属)



大回りで 下山すると、登りのコースとは全く別の景色が広がり、奥行きの広さを痛感する。

 

 


アルペストリス・クマノアシツメクサが花盛り 


フィテウマ・ベトニキフォリウム Phyteuma betonicifolium (キキョウ科 フィテウマ属)


カヌパヌラ・コクレアリイフォリア Campanula cochleariifolia (キキョウ科 ホタルブクロ属)
和名:チャボギキョウ


ゲラニウム・シルバティクム Geranium sylvaticum (フウロソウ科 フウロソウ属)
※ハクサンフウロの仲間

 


ロトゥス・アルピヌム Lotus alpinus (マメ科 ミヤコグサ科)
オレンジと黄色の花冠が交じり合って美しい!


 


カヌパヌラ・ロンボイダス Campanula rhomboidalis (キキョウ科 ホタルブクロ属)


黄色い花はリナントゥス・グラキアリス、ピンクの花はオノブリキス・ヴィキイフォリアなど。

 


リヌム・アルピヌム Linum alpinum (アマ科)



ポリガラ・アルペストリス Polygala alpestris (ヒメハギ科)

 

 
カヌパヌラ・バルバタ Campanula barbata (キキョウ科 ホタルブクロ属)

 


トリフォリウム・プラテンセ Trifolium pratense? (マメ科 シャジクソウ科)

 


 ケンタウレア・ネルウォサ Centaurea nervosa (キク科 ヤグルマギク科)

 


ティムス・ポリトリクス Thymus polytrichus (シソ科 イブキジャコウソウ属)




セルペウス・アラクノイデウム Sempervivum arachnoideum (ベンケイソウ科 クモノスバンダイソウ属)
和名:クモノスバンダイソウ


 

 

 


ペディクラリス・ツベロサ Pedicularis tuberosa (ゴマノハグサ科 シオガマギク科)

 


どっちを向いてもお花がいっぱい!!

 


エウフオルビア・キパリスアシス Euphorbia cyparissias (トウダイグサ科 トウダイグサ属)
和名:マツバトウダイ



グルリと回って車道が見えてきた。
登りと下りは別の道を通ったお陰で植生の異なる魅力的なトレイルを堪能できた。
僅か3時間半の短いハイキングだったけれど、想像をはるかに超える様々な植物を目にすることができた。


14:55 バス通りに到着

 

 

 バス停のことをイタリア語でFermata(フェルマータ) Fermata.svg  というのですね^^;   

降りたバス停よりひとつ先のRifugio Bonatti から15:16のバスに乗ります。



最終便は19:46、 夏の日は長いからこの時間でも十分に明るいので、エレナ小屋まで足を延ばすことも可能
だったけれど、無理はぜず明日に備えることにした。

っていうか、皆ちょっとお疲れ気味ですσ(^^;)


明日は、ヴェニ谷、エリザベッタ小屋を目指します。

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