出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

返品入帳のお願い

2009年11月17日 | 返本
久しぶりに返本ネタ。各社いろいろポリシーはあるだろうが、うちは「献本」と「スリップなし」以外、すべて受け取る。こういう条件付きなのもフリー入帳というんだろうか?

何度も書いているが、「返品入帳のお願い」は本当にむかつく。ただでさえ返ってくるのに手間と通信費がかかるのがその理由だが、困ったことにむかつく相手がハッキリしない。いや、逆送をくらうから手間をかけるのであって、おそらく取次が問題だというのはわかっている。

しかし、取引のない取次経由(仲間渡し)は基本的に「買い切り」という話も聞いたので、取次をずらりと揃えてないうちのせいか、という気もするわけである。この仲間渡しに関しては、しばらくのあいだ「注文扱い」なのだと思っていた。同じようで微妙に違うのかわからんが、問題は、建前が本当に建前として機能することもあれば基本に戻ることもあるということである。

おそらく、同じ版元&取次&書店のケースでいちいち違うことはないんだろうが、そのうちの一者が違うだけで「ケースバイケース」になる。民間業者同士の取引だから別に構わないと言っちゃそうなんだが、こと返品に関しては、「いいから黙って返してくれ」と言いたくなる。

うちから一番近い本屋さんの帳合は、うちは取引がない取次だ。ちょっと前にここからお願いFAXが届いた。ちなみにバイトしていた(フルタイムでシフトに入れないという理由でクビになった。残念)書店なので、多めに在庫を持ってもらったりすることもある。が、「版元了解者名」リストにぐりぐりと自分の名前を書いてあるので、理由を解明しに行った。もしかして新しいバイトがよく理解してないのかもしれないと思ったのである。結果は、そうでなくて逆送であった。トーハンでは「返本は常時OK」と登録してあるが、やはり仲間渡しが問題らしい。

店長とじっくり話したんだが、「おそらく取次の返本を捌くセクションにいるバイトとか外人のせい」というところで落ち着いた。念のため、了承の紙を準備して、コピーでも何でもいいから使ってください(だから、もうFAX送ってくるな)という処理をしておいたんだが、また来た。

版元了承の紙があっても逆送を食らうとなると、これは取次に相談しなければならない。いや、毎回FAXを返してもいいんだが、そうしなくていいように用意したあの紙はダメなのか?

本日、電話してみました。

その書店はその取次にとってはいい取引先と言える書店なので、その書店からの返本は一切逆送しないことになっているらしい。やはり問題は仲間渡しと思われる。で、うちは仲間渡しはトーハンにお世話になっていて、トーハンではすべての返本を受けるようになってることを伝える。細かいことを言うと掛け率がどうとかあるんだろうが、悪いがそこまで気にしていられない。「トーハンさんに返してくだされば問題ないはずですので、書店さんに戻さないでください」とお願いする。

ちなみに大阪屋のとき(口座開ける前)は、面倒だから取引しろみたいな話になったこともあったが、今回はそういう話は出ない。

なにやら、仲間渡しの返本は通常の返本と違うところ(「本社」と言われた)で処理をするが、その書店には逆送しないで取次が「返本入帳のお願い」FAXを送っているという。ちょっと前は違った(ちゃんと逆送された)んだが、とにかく本日の時点ではそうらしい。ならばということで、「トーハンさんに返してくだされば問題ないはずですので、ごちゃごちゃ言わないで処理してください」とお願いする。

店長曰く、その取次は「機械的じゃない」ところがいいらしく融通きかせてくれるとかいろいろあるんだろうが、「機械的じゃない=事務的な処理に不安あり」というイメージがなきにしもあらず。ま、様子見である。

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