ニラの花
「最後の恋」
阿川佐和子
角田光代
沢村凛
柴田よしき
谷村志穂
乃南アサ
松尾由美
三浦しをん
と、今人気の女性売れっ子作家さんたちが
「最後の恋」をテーマーに書きあげた短編小説集
これがどの最後の恋話も面白いです
せつない話、くすっと笑える話、あるあると共感する話
特に面白かったのは
阿川佐和子さんの
「海辺食堂の姉妹」
でした
性格の違う姉妹のお話
二人は姉妹とは思えないほどに正反対の性格であった。
姉は明るくて社交的。
明らかに母親の血を譲り受けていた。
物怖じすることなく、誰とでもすぐ仲良くなる素質があり、店に来る客たちにはマスコットのように可愛がられた。
一方、妹は極度な人見知りだった。
客の前には出ていこうとせず、台所で母親の手伝いをすることを好んだ。
料理を作るのは決して嫌いでなく、何時間でもオーブンの前にいられるが、店に出て接客をしろと命じられるや、たちまち二階の洋服ダンスのなかへ逃げ込んでしまう。
店の常連のなかには、この家に娘が二人いることを知らない客もいた。
この陽と陰のような姉妹
姉は引っ込み思案の妹が心配で仕方がない
お店にくるお客さんのだれかとくっつけようと世話をやく
そんなある日
姉妹の両親が相次いで亡くなる
姉は、妹とふたりでこの店を守っていこうと覚悟を決め、大丈夫、大丈夫、と楽観的な言葉を妹にも自分にも言い聞かせる
が、悲観的に捉える質の妹は寝込んでしまう
彼女たちのご両親が相次いで亡くなって、店も開かない
常連客の男性たちがで次々に心配してお店を見舞います
姉は自分のことを心配してきてくれたものとばかり思ったのだが、
どの男性も心配しているのは妹のこと
滅多にお店にも出ない妹なのになぜ?
妹を心配して見舞いに来る男性にそれぞれ話を聞いてみると
意外な妹の行動を知ることになるのだ
実は、姉の知らない裏の顔を妹はもっていた
とっても恋多き女性だったのだ
姉はしだいに胸苦しくなってきた。
今まで自分は妹を哀れな女だと思っていた。
そして自分のほうが勝っている。
意識していたわけではないが、心の奥にそういう自負があったのは確かである。
だから私は妹のことを素直に心配してきた。
妹を不憫だと思うからこそ、自分には余裕があった。
しかし、事実はちがった。
哀れなのは私のほうだ。
なんと妹に失礼なことをしたのだろう。
私は姉として、いや、女として最低だ。
そして、このお話、最後にその姉が救われる落ちがついています
ちょっとした空き時間に読むのには丁度いい長さ、そして面白いお話です
今日の私の小さな幸せ
ニックがホームラン3本
なのに、なのに負けた~!!!