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小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

最後の恋

2012-05-08 18:27:45 | 読書

 

 

ニラの花

 

「最後の恋」

 

阿川佐和子

角田光代

沢村凛

柴田よしき

谷村志穂

乃南アサ

松尾由美

三浦しをん

 

と、今人気の女性売れっ子作家さんたちが

「最後の恋」をテーマーに書きあげた短編小説集

 

これがどの最後の恋話も面白いです

せつない話、くすっと笑える話、あるあると共感する話

 

特に面白かったのは

阿川佐和子さんの

 

「海辺食堂の姉妹」

でした

 

性格の違う姉妹のお話

 

二人は姉妹とは思えないほどに正反対の性格であった。

姉は明るくて社交的。

明らかに母親の血を譲り受けていた。

物怖じすることなく、誰とでもすぐ仲良くなる素質があり、店に来る客たちにはマスコットのように可愛がられた。

 

一方、妹は極度な人見知りだった。

客の前には出ていこうとせず、台所で母親の手伝いをすることを好んだ。

料理を作るのは決して嫌いでなく、何時間でもオーブンの前にいられるが、店に出て接客をしろと命じられるや、たちまち二階の洋服ダンスのなかへ逃げ込んでしまう。

店の常連のなかには、この家に娘が二人いることを知らない客もいた。

 

 

この陽と陰のような姉妹

 

姉は引っ込み思案の妹が心配で仕方がない

お店にくるお客さんのだれかとくっつけようと世話をやく

 

そんなある日

姉妹の両親が相次いで亡くなる

 

姉は、妹とふたりでこの店を守っていこうと覚悟を決め、大丈夫、大丈夫、と楽観的な言葉を妹にも自分にも言い聞かせる

が、悲観的に捉える質の妹は寝込んでしまう

 

 

彼女たちのご両親が相次いで亡くなって、店も開かない

常連客の男性たちがで次々に心配してお店を見舞います

 

姉は自分のことを心配してきてくれたものとばかり思ったのだが、

どの男性も心配しているのは妹のこと

滅多にお店にも出ない妹なのになぜ?

 

妹を心配して見舞いに来る男性にそれぞれ話を聞いてみると

意外な妹の行動を知ることになるのだ

実は、姉の知らない裏の顔を妹はもっていた

とっても恋多き女性だったのだ

 

姉はしだいに胸苦しくなってきた。

今まで自分は妹を哀れな女だと思っていた。

そして自分のほうが勝っている。

意識していたわけではないが、心の奥にそういう自負があったのは確かである。

だから私は妹のことを素直に心配してきた。

妹を不憫だと思うからこそ、自分には余裕があった。

しかし、事実はちがった。

哀れなのは私のほうだ。

なんと妹に失礼なことをしたのだろう。

私は姉として、いや、女として最低だ。

 

 

そして、このお話、最後にその姉が救われる落ちがついています

 

ちょっとした空き時間に読むのには丁度いい長さ、そして面白いお話です

 

 

今日の私の小さな幸せ

 

ニックがホームラン3本

なのに、なのに負けた~!!!