昨年のまだ春遠い頃、親しくさせていただいていたお友達が病気で他界しました。
今朝、仕事に行こうと車のキーを取ると家の電話がなるので着信表示を見ると、その他界した彼女のご主人から。
「庭のカサブランカが今年も咲いたから、近くを通ったら寄って見て」
との事。
「うん、寄る、寄る、仕事の帰りに寄るから」
バックの中のお弁当の横にデジカメを入れ、いざ、今日も出陣!
こういう日に限って、帰り際に面倒な電話を取ってしまったり、お客さんが来たり・・・・。
やっと開放され、さあ、カサブランカ、カサブランカとつぶやきながら玄関のインターホンに手を。
もうすでにそこまで、花のあま~いあま~い香りが漂っていました。
勝手知ったる友の庭。
さっさと庭に入っていくと、咲いていました、咲いていました。
雨に濡れていても凛と気高く。
全部で何輪咲いていたかしら?
毎年この花が咲くと彼女から
「見に来て!」
と電話がありました。
その時必ず
「これね、私、植えた覚えがないのよ。
大きい球根だから、鳥が運んでくるわけないしね、本当に不思議」
毎年、そう聞かされていたを思い出したので、ご主人に
「この花の球根植えたのひょっとしたら、○○さん?」←ご主人のお名前
と花を見ながら尋ねると
「ははは・・・。あいつが植えたのを忘れたんだよ」
って。
でもあんなに花好きの彼女が大きな球根を1番眺めのいい場所に植えたことを忘れるかしらと私は思ったのですが。
真実は、藪の中いえ、カサブランカの中。
「ね、あなたたちを植えたのは誰?」
と心の中でこの花たちに尋ねました。
「きっと、彼が奥様のびっくりする顔見たくて植えたんだよね。違う?」
花後の手入れもご主人ががしっかりされるので、さて来年は一体何輪咲くかしら。
彼女がいなくても毎年、同じ時期に同じ花が咲きます。
ご主人がその花々を見ても、さみしさを感じなくなるのには後何年かかるのでしょうか。
今日の私の小さな幸せ
カサブランカを見ながら彼女の思い出話をしたこと。