「XS怪・ヴィンセントSP」に伴うバーチカルツイン考察
そもそも「バーチカル」と言うのは直立という意味で、バーチカルツインは直立2気筒というエンジンです。初期のエンジンは、直立かスーパーカブ的な水平や原始的な星型でした。単気筒では、BSAゴールドスターやノートンマンクスなど。
BSAゴールドスター
ノートンマンクス
メグロスタミナZ7
2気筒では、トライアンフがポピュラー。ここにパラレル(平行)ツインが入ってくる。(前傾ツイン)ラベルダやノートンコマンドなど。
マルチについては、次回です。(MVアグスタのエンジンがすべての手本?
直立のデメリットは、排気管が長くなる事・エンジン高が高くなる・ロングストロークが取り辛い・などなど。ただし、カスタマーにとってはバーチカル空冷エンジンは美しさの点では、垂涎の的なのです。
日本では、メグロがBSA・A10のコピーからK0・K1を作り、カワサキW1となった。
ホンダはラベルダと酷似したエンジンのCB72(パラレルツイン)からCBのバーチカルツインに移行し、その後前傾に戻っている。
ヤマハは、XS1のバーチカルツインにウエットサンプ(サンプはOIL溜め)を用い、トライアンフやW1のドライサンプに対し、軽量化を図った。ホンダも同様だが、なぜかツインカム450のエンジンは消えて行く。(残念ながら、マルチに向かった。ツインカム450は非常に残念なエンジンだ。1台確保したが、ホイールベースが短くカスタムの自由度が狭い。フルノーマルのKIスタイルがベストだろうか。)
XS1
トライアンフやW1の360度クランク同爆に対し、ヤマハ・ホンダは180度クランクとDOHCで高性能を模索した。XSについては調査中。(トルクと排気音に違いがある。しかし、XS1もCB450K1も借りて乗ったが、高速側は伸びない。)
ホンダはCL72・CB72などでType1(180度クランク)とTypeⅡ(360度クランク)の選択を可能にした。(これも、実用速度は80km/hまでで、私のCL72Type1はオーバーサイズの10番まで組んで並行研磨で圧縮を上げ、CB72のミッションを組んだが、音がうるさくなっただけで100km/h以上はスカスカだった。)
で、日本で一番美しい空冷バーチカルツインは、私はXS1と確信する。対抗馬はカワサキWシリーズ・ホンダCB450K1・他・・・。(どちらもカスタムしづらい。セレン・シリコン整流器が入手困難。)
時代とともに、バイクは前衛的になった。しかし、Wシリーズやエストレア・SR・トライアンフが売れるのは何故だろうか。高性能以前に、我々のような人間は鉄馬に対し求めるものが違っているのだ。
私の彼女XS650は、気むづかしく気分屋で、しょっちゅう爪を立ててくる。しかし、その咆哮は凄まじく、ソレックスの吸気音とともに他を圧倒する。(昭和46年騒音規制対象外)身をよじりながら加速していくその姿には、ゾクッとする色気とエロチズムすら感じる。(ただ単にフレーム強度が足りないからなのだが。高速コーナリング中にフレームがよじれるのが分かるが、別の意味でも背筋がゾクッとする・・・。板橋時代、XS650スペシャルとXS650Eで首都高・竹橋付近で恐怖を味わった・・・。)
ヴィンセントのレーシングタンクにXSの空冷バーチカルツイン、私の中でこれはカスタムの上で無敵の組み合わせなのだ。(カンリンのドラムで完璧なのだが、予算的に絶対に無理。30万円以上する。だからXS1の6穴ドラムを用意した。SRは5穴で、正式ではない。)
バイクから引退する前に、なんとかXS怪の車検を・・・。あと5年は現役でいたい・・・。
以上、好き勝手な個人的考察ですので、間違いのご指摘・反論は大歓迎です。 次回はあと20年程、遡りましょう。 星型エンジンも、やろうかなあ。
写真はネットから勝手に拝借しました。