先日、珍しく質問袋に質問を載せました。 しばらく欧州を見ていなかった自分を反省し、皆さんにも公開します。 (今回は、長いから写真は無し。)
私の質問
「欧州車の燃費について教えてください。
ユーロ圏でも、3L で100km走行を目指していた筈ですが、現状はどうなのでしょうか。 昔、日本にもシャレードのディーゼルターボ1,000ccで35km/Lを普通に出していた車が有りました。
現在の日本は、ハイブリッド一色で、欧州の現状は分かりません。
先日プジョーに乗る機会が有り、2日で1,000km走りましたが、1日目が16km/Lで2日目が20km/Lを超えました。(通常の街乗りでは10km/L)
普通の1,600ccですが、70km/h走行で2,000rpmでした。
十分にパワフルで、この燃費は欧州車の現在の水準なのでしょうか。
だとすれば、無駄にコストが高く、部品点数の多いハイブリッドは不要なのではないか、疑問を感じています。
欧州車の現状をお知らせ下さい。」
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この質問に対し、複数の回答を頂きました。
なかなか興味深い内容なので、ブログヘ。
私のベストアンサーはこの方です。
EU圏では,自動車のコスト意識が日本以上に高いこともあり,日本のJC08モードのような数字上だけの低燃費ではなく,実際に走行したときの燃費に関しては,遙かにシビアですね。
日本では,市街地など低速走行に有利なハイブリッド一色の様相を呈していますが,日本よりも高速移動が多く,しかも移動距離が長いEU圏では,そのような使用状況ではあまり燃費が良くなくコストも高いハイブリッド車の人気は低く,やはり燃費が良くてコストも安い小排気量のディーゼルターボエンジンのモデルが圧倒的に人気があり,次に0.8~2リッター前後の小排気量のガソリンターボのダウンサイジングエンジンが多くなっています。
車両本体価格は別にしても,小排気量の1~1.6リッタークラスのターボディーゼルモデルの燃費やコストは,日本車の小型車を圧倒するような数値ですし,ダウンサイジングガソリンエンジンモデルも,トータルコストで見るとハイブリッドモデルよりも優れているケースが多いようです。
すでに,ガソリンモデルもゴルフクラスでは1.2~1.6リッタークラスが当たり前になりつつあり,それより大きなミドルクラスでも1.4~2リッター前後のモデルがメインモデルになりつつあります。
これに,ボディを軽量化し,燃費にも貢献する効率の良いMTやツインクラッチ方式などのトランスミッションを組み合わせることにより,特に長距離移動では,あなたが先日体験された程度の燃費は,もはや当たり前に出せる状況になっています。
ハイブリッド技術に関しては,使用状況の差から日本とは考え方が違い,日本のメーカーが省燃費のための基幹技術と位置付けているのに対し,ヨーロッパメーカーはどちらかというと電気自動車や燃料電池車に至るまでのツナギの技術と考えているフシが有り,ハイブリッドの位置付けとしてはターボチャージャーのようにエンジン本体のパフォーマンスを補う補助的な役割を果たすメカニズムと捉えているようです。
したがって,経済的なモデルにハイブリッドが採用されるケースは希で,どちらかというと燃費の悪くなりがちな大排気量の高級車のパワーやパフォーマンスを落とさずに,燃費の悪化を抑えるために活用されるケースが多いようですね。
もちろん,ヨーロッパでも燃費貢献のモデルとしてハイブリッドを活用する方向もありますが,それはむしろディーゼルエンジンと組み合わせたディーゼルハイブリッドが本命と見ているようで,そうなると数字上ではなく実際の燃費が1リッター当たりの走行距離が50~70キロという実用車のモデルが出現してもおかしくない状況ですね。
また,電気自動車に関しても実用化に向け,ルノーがトゥイジーなどをいち早く市販モデルとして投入していますし,BMWもiシリーズという電気自動車を間もなくリリースする予定になっている他,メルセデスベンツやVWグループも開発を進めていますね。
あと,最近シトロエンが発表した圧縮空気を利用したエアハイブリッドという技術は,実用化されると軽量でレアアースもバッテリーもモーターも必要ないという画期的なものになるかも知れませんよ。
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Wさんからも、凄いのが。
Audi A3 e-tronが来年までには販売開始
http://car.watch.impress.co.jp/docs/event_repo/2013geneve/20130325_593069.html
VW XL1も
普段、閉ざされたガラパゴスのような日本人をやっているので、海外の進化が見えません。
これは非常に危険な事かも知れませんね。 時間が有ったら、デュアルクラッチ・ツインクラッチについても、紹介しますね。