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北東北の山は、入れない!

2024-07-02 17:35:19 | アウトドア

北東北の林道やキャンプ場は、熊の人身事故で入れません。 先月も酸ヶ湯で死亡事故が有り、八甲田は入山禁止になっています。 関連する記事を掲載しますので、注意下さい。

「ヒグマとツキノワグマの悪魔合体が起きている」…!いま秋田の猟師たちが恐れる「最凶のハイブリッド熊」の正体

前編記事『「警察官の鼻が半分もげて、めくれあがり」…秋田のクマ出没現場にいた目撃者が振り返る、エグすぎる「襲撃の瞬間」』より続く。

「稀グマ」の存在

高橋さんは、声を上げる余裕もないまま一目散に逃げだした。記憶に残っているのは、後方から聞こえる「助けて」という警察官のか細い声と、自分を追い越して逃げる消防隊員たちの姿だ。

「消防隊員たちと車に戻って息を整えていると、血だらけになった若い警察官が戻ってきたんです。右耳から顎までが割れていて、鼻の半分はえぐれてなくなっていた。あまりにも凄惨な状態だったもので、脳裏に焼きついてはなれません。

その後、中年の警察官が身体を引きずるようにして歩いてきました。『腕に力が入らない』と口にしたのを覚えています。腕を攻撃されて神経を損傷したのでしょう。すぐ2人は救急車で搬送されました」(高橋さん)

その後、クマに襲われないよう重機で遺体を搬送することになり、林道を広げる工事を行った。ようやく遺体を回収できたのは、死亡から1週間が経った22日のことだ。

Photo by gettyimages

「佐藤さんは、山菜やタケノコを売ったわずかな稼ぎと、身体が不自由な奥さんの障害年金でギリギリの生活をしていました。佐藤さん自身も手に障害を持っていて、ずっと定職に就くことができなかった。つい先日、『もう身体が言うことを聞かないから山に入るのが厳しくなった』と話していた矢先の出来事なので、本当に切ないです」(佐藤さんの友人)

この事件を受けて、県は発令中のツキノワグマ出没警報を延長。佐藤さんを襲ったクマについては、県の緊急対策会議で「人そのものを『食べ物』と認識して攻撃する個体」の可能性があるという衝撃的な分析が出された。まだ佐藤さんを襲ったツキノワグマは見つかっていない(5月29日時点)。

狩猟文化研究者の田口洋美氏はこう解説する。

「元来、ツキノワグマはブナやドングリなどを主食とする草食に近い雑食性の動物です。臆病で警戒心が強く、めったに人や動物を襲うことはない。積極的な攻撃性を持つヒグマよりは、人間との遭遇を察知して回避することを選択する動物です。

人を食べ物だと認識するクマは、猟師の間で『稀グマ』と呼ばれるほど珍しい存在なのです」

 

「K」の遺伝子は残った

県が佐藤さんを襲ったのが「稀グマ」であるかのように考えたのはなぜか。それは、本州史上最悪の獣害として知られる「十和利山クマ襲撃事件」を起こした、「スーパーK」を思い出さざるを得なかったからだろう。

十和利山クマ襲撃事件とは、'16年の5月中旬から6月にかけて、同じ十和田大湯エリアの山中に入った4人が死亡、4人が重軽傷を負った事件だ。すべての遺体が食い荒らされ、枯れ葉や土が覆うようにかけられていた。

当時、主犯と目されていた雄グマにつけられた名前が「スーパーK(鹿角市の頭文字)」だ。この事件について、鹿角市の地元住民はこう語る。

「人間を襲撃し、食害したクマは主に2頭いました。1頭は、3人を食い殺したスーパーK。そして、もう1人を食い殺したのがスーパーKの母親。120キロ級と大型で、赤毛の雌グマです」

同年9月にスーパーKは箱ワナで捕獲され駆除される。ところが母グマは、様々なワナをかいくぐって生き残った。

それから8年後、同じ十和田大湯エリアで人を殺し、枯れ葉で遺体を隠すツキノワグマが現れた。こうした経緯が、関係者の間で「佐藤さんを殺したクマと、スーパーKは関係があるのでは」と言われている所以だ。

つまり、「逃亡したスーパーKの母グマが、次々とスーパーKのような『人食いグマ』を産んでいる」という説だ。

Photo by gettyimages

「この十和田大湯の地域には、人間の味を覚えたスーパーKの系統が幅広く生息していると考えられます」(高橋さん)

また、本来は草食性のツキノワグマが、肉を食べるようになった原因を前出の田口氏が推測する。

「'70年代後半に環境庁は、減少傾向にあったニホンジカやカモシカの保護政策をとりました。すると両者は爆発的に増殖。個体数が増加したカモシカを、ツキノワグマが捕食するようになったのだと考えられます。人間の味を覚えたのは、山中に入った行方不明者などの死体を漁るようになったからかもしれません」

クマ牧場の杜撰な管理体制

人間の肉を食べるようになったと考えられる背景は以上の通りだ。だが、ここでひとつの疑問が残る。前述のとおり、ツキノワグマは臆病で警戒心が非常に強い。弱っている人や遺体ならまだしも、スーパーKや佐藤さんを襲ったクマのように、積極的に人を襲う個体が現れたのはなぜなのか—。

その疑問に答えてくれるような証言を、本誌は地元住民から得た。

「10年以上前の冬に、八幡平のクマ牧場から逃げ出したヒグマがいたっていうのは地元では知られた話だ。そのヒグマが、ここらのツキノワグマと交配して子供を大量に作っているんだろう」(鹿角市の土木業者社長)

八幡平のクマ牧場とは、秋田県鹿角市にあった「秋田八幡平クマ牧場」を指す。この牧場は、'12年に起きた大事故によって閉鎖に追いやられた。

「牧場から6頭のヒグマが脱走して、従業員2名を殺したのです。4.5メートルの高さがあるコンクリート塀に囲まれていたため、普通は逃げられません。ただ、積もった雪が雪かきで一角に集中して投棄されていた。その雪が壁の上部から約1メートル下にまで達していたことから、ヒグマは雪を登って逃げ出したことがわかりました」(地元新聞社社会部記者)

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駆け付けた地元猟友会によって、逃亡した6頭はすべて射殺されている。そしてその後、牧場の杜撰すぎる経営が取り沙汰されるようになった。

このクマ牧場は、飼養管理台帳の作成を怠り、飼育頭数を把握していなかったことが明らかになったのだ。最盛期には約130頭いたクマは事件当時30頭あまり。すべて死亡していたと仮定しても、クマの死骸をどう処理したのか示す記録が残っていなかったという。

こうした管理体制を把握していた地元住民たちは、「報道されていないだけで、逃げ出したヒグマは他にもいる」とかねてから話題にしていた。

恐怖の「ハイブリッド個体」

佐藤さんの遺体の第一発見者である高橋さんは、こう語る。

「何年も前から、一般的なツキノワグマの倍ほどもある大型の個体を見たと、山の仲間たちは話していました。私たちは、ヒグマとツキノワグマが交配して誕生したであろう彼らを『ハイブリッド個体』と呼んでいます。

ヒグマの体格と獰猛な性格を受け継いだ個体が、秋田の山の中をウロウロしていると思うと、恐ろしくてたまりません」

スーパーKやその母グマ、そして佐藤さんを襲ったクマが「ハイブリッド個体」であれば合点がいく。いずれもヒグマ特有の「積極的な攻撃性」を持っているからだ。

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ただ、クマとはいえ種の違う動物同士が交配を重ねることはありうるのか。動物研究家のパンク町田氏は、こう解説する。

「ヒグマとツキノワグマが交配する可能性はあります。そう考えると、今回の事件を起こしたクマにはヒグマらしい性質が2つあります。

1つは、捕獲した獲物に対する執着心が異様に強い点。もう1つは、積極的に走って人を襲った点です。このクマは、異なる種が交配をしたことで、ヒグマの攻撃力とツキノワグマの立体的な敏捷性という両者の特性を併せ持っている可能性も否定できません」

スーパーKの遺伝子を継いだ「ハイブリッド個体」が、本州全土に出没する日は近い。

「週刊現代」2024年6月8・15日合併号より

2024.06.10

 

秋田の山中に出没した「人喰いグマ」の「ヤバすぎる正体」…!報じられない地元の証言「どう見てもツキノワグマじゃねえ」「デカすぎる」

赤毛で大型の個体の目撃例が増えてきた

秋田県鹿角市大湯の山中でこの5月、クマに襲われた警察官2名を含む計3人の男性が死傷した。そのうちの一人、命を落とした佐藤宏さん(64歳)の遺体は損傷が激しく、妻も見ることができなかったという。

このクマは今に至るも駆除されていないが、年間を通じて山菜を採りに山に入るというある男性は、首を傾げながらこう語る。

「ここ5年ほどだと思うのですが、秋田側の熊取平や田代平、岩手側の四角岳、青森側の迷ケ平など、三県の境界周辺で、大型の個体の目撃例が増えてきたのです。

しかも、そのほとんどが赤毛の個体でした。

ツキノワグマは高齢になると稀に褐色の毛色になる個体もありますが、偶然にそのような個体が増えているのか、別の理由があるのかは定かではありません。

去年の秋口にも、岩魚の養殖場あたりで通常の倍ほどの大きさの個体を目撃した仲間がいました。『食糧事情が良いせいだろう』と言う人もいるのですが、先輩猟師たちの間では、大型の個体のことを隠語で『ハイブリッド』と名付けて警戒をしています。ツキノワグマとヒグマの交配だから、ハイブリッド(交雑種)ということなのです」

本来、本州にヒグマは生息していないはずである。ヒグマは北海道、ツキノワグマは本州という、厳格な棲み分けがあるものだと思っていた。はたして本当に「ハイブリッド」は本州に生息しているのか。

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