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遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(561) 小説 <青い館>の女(50) 他 戦後八十年

2025-08-17 12:36:41 | 小説
              戦後八十年(2025.8.15日作) 


 
 戦後八十年
 語り継がれる戦争
 今は生身の記憶も薄れて逝き
 記録の中の戦争のみとなりつつある
 総てが物語の中の出来事と化して行く
 語り継ぎ 語り継がれる戦争
 第二次世界大戦 敗戦国日本
 この国に於ける戦後八十年
 口にすれども 痛みを知る者達 
 再び辿りたくは無い
 思い出したくは無い
 記憶 あの惨状
 語り継ぎ 語り継がれる度に
 心の傷が痛むだけの悲惨な日々
 戦後八十年 今 口にする人々 報道機関
 良心の衣を纏ったお祭り騒ぎの口調
 悲惨な日々 過酷な時を生きた者
 あの惨状を知る 今は残り少ない者達
 その中の一人としての耳には それ等の言葉の数々が虚しく
 懐古趣味にも似た言葉としての響きしか伝えて来ない 
 この国 日本の戦後八十年 その間 
 世界のあちこち あの場所 この場所
 今でも絶える事無く繰り広げられる 醜い争い戦争 が
 続いている 
 今 この時 必要なのは 醜い争い 戦争を止める事
 日々日頃 平和な世界の構築 そこに力を尽くす
 八十年 九十年 関係ない
 日々 歴史の事実を胸に刻んで今を生きる 
 過去の感傷に浸っている時では無い




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               <青い館>の女(50)



 
 平穏な日常が愚かで軽はずみな行為への悔いと共に、今更ながらに懐かしく郷愁を誘われた。
 翌日、午前九時を少し過ぎた時刻に店に到着した。
 広い駐車場の一角を占めて二階建て構造の建物が一見、プレハブとは思えない瀟洒な姿を見せていた。
 店長はわたしの姿を見ると早速、其処へ案内した。
 可動式の商品棚がコンクリートの土間に幾つも並んでいた。
「まだ、充分な品揃えが出来て無いんですけど、将来的にはこの棚にある商品を全部二階へ運んで、此処では中古の車を販売したいと考えています」
 店長は淀みの無い口調で将来に向けての構想を話した。
「二階は今、空いてるの ?」
「いえ、少し商品を置いて有ります。ですけど、充分に余裕が有りますから社長にも度々、足を運んで戴いて車の販売も前向きに考えて貰っています」
 開店時間前にも関わらず、ロシアの漁船員と思われる男達が早くも姿を見せていた。
 食品売り場に戻ると其処では<海明け祭り>と称した海産物の特売展が企画されていた。
「こうした特売展をやりますと売り場も活気付いて営業的にも結構違います」
 店長は言った。
「やれ何展だ、何々フェアだって、しょっちゅう特売展を開いています」
 一緒に居た川本部長も店長の打ち出す企画を苦笑交じりに解説した。
「なんでも、営業成績に結び付くんならそれでいいよ」
 わたしは言った。
 店長は黙って笑顔を見せただけだった。
 午後一時過ぎに二人に見送られて店を後にした。
「どうも身体が本調子じゃないんで、ホテルで一休みしてから帰る事にするよ」
 視察を早めに切り上げた口実に体調不良を使った。
 店長も川本部長もわたしの体調不良は知っていた。
 ホテルへ帰った後、部屋から加奈子に電話をした。
 時計の針が二時二十五分近くを差していた。
 この時間、加奈子は何をしているのだろう ?
 漠然とした思いの裡に考えていた。
 若しかして、男と一緒に居るのだろうか ?
 それとも、わたしが訪ねると言った事を考えて一人で居るのだろうか ?
 いずれにしてもあの時、電話口で見せた加奈子の不機嫌な様子を考えると気が重かった。
 加奈子は今度もまた直ぐに電話に出た。
「三城だよ」
 わたしが言うと、
「ああ・・・」
 と言った。
 驚いた様子は無かった。
「今、何処に居るんですかぁ」
 直ぐに聞いて来た。
 その声には何時もの弾んだ響きは無かった。
 この前の電話が尾を引いている事は明らかだった。
「海岸ホテルに居る」
 わたしは言った。
 何故、わたしのマンションに来ないでホテルなんかに泊まったのかと、加奈子が不審を募らせてもそれはそれで仕方が無いと思った。
 既にわたしは加奈子との間の破局を思い描いていた。
 彼女に欺かれて惨めな気分を味わうより先に、自ら身を引いて少しでも心の傷を軽くして置きたいと考えていた。
「今日、来たんですかぁ」
 加奈子は言った。
 明るい響きは無かったものの不信感を抱いた様子は無かった。
「いや、急用が出来て昨日来たんだ。それで仕事が夜遅くまで掛かってしまったので海岸ホテルに泊まったんだ」
 加奈子は黙っていた。
 その沈黙が何を意味るのかは分らなかったが、或いは、二、三日の内に行くと言った電話口での言葉との矛盾を感じ取っていたのかも知れなかった。
 わたしはそんな思いを抱きながらも加奈子の無言に被せる様にして言った。
「漸く仕事の区切り付いたんで、これから行きたいと思うんだけど、どうかな ?」
 加奈子は何故か、一瞬の間を置いてから、
「いいですけどぉ、これから直ぐですかぁ」
 と言った。
 迷惑気な様子は感じられなかったものの、少しの戸惑の気配があった。
「うん。何か用事が有るの ?」
 わたしは詰問では無く静かな口調で聞いた。
「用事は無いけどぉ、タクシーで来るんですかぁ」
 加奈子は言った。
 その声からは何時もの明るさは感じ取れなかった。
 わたしは何となく、傍に男は居ないという感覚を得た。
 その感覚と共に、
「うん、直ぐに行くよ」
 と以前の親しみを込めた口調と共に言っていた。
「じゃあ、分かりましたぁ」
 と加奈子は言った。

 わたしが何よりも驚いたのは、加奈子の思いも依らない体形の変化だった。




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                takeziisan様


                暑い日が続きます
               なんだかんだ言っても お元気な御様子
               記事を拝見するとホッとします これからも変わりなく続く事を期待しています
                やはり同じ世代 何時もあの時代が蘇り 郷愁を誘われます
               あの時代が良い時代だったのか悪い時代だったのか               
               いずれにしても青春の時代で再び帰り来ぬ日々への
               懐かしさに誘われるばかりです
                アオギリ 実を付けましたか
               田舎で過ごした夏の日々が蘇ります それに
               トンボ 以前にも書きましたが田圃の上を群を為して
               飛んでいて竹竿の先に糸を付け 囮の雌トンボを縛り付け
               ヤンマ ヤンマかえれ稲ヤンマかえれ にし(おまえ)等はおとこ 
               おれ等はおんな と言って振り廻してはあの綺麗な色の
               オスヤンマ捕りを競った事を思い出します
               この国がまだ貧しかった時代ですが 懐かしさに誘われるばかりです
                畑の草取り 前と後との違い 汗だく様子が眼に浮かびます
               それにしても何時もの事ですが野菜のみずみずしさ
               茄子のあの色 トマトの輝き この間の江戸川花火を見に来た
               少し田舎 に住む妹がゴオヤとミニトマト持って来て呉れたのですが
               そのトマトの味と香り 食感 売られている物との格段の相違
               驚いたのものです
               写真を拝見する度に羨ましく思います 良い暮らしだなあ と羨望の念を抱きます
               既にあれやこれやの出来る年代ではなくなりました
               せめて日常の生活の中での細(ささ)やかな贅沢を楽しみたいものです   
                AI時代 関係無い そんな心境で生きています
               過去の総仕上げ それが唯一 生きる目標で取り敢えず
               あと十年を目指しています
                有難う御座いました




                






































         

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