愚人大統領(2025.5.23日作)
この 大言壮語の果ての無能ぶり
アメリカと言う国の品性 権威が
日毎 月毎 低下 失われ
渦巻く嘲笑の波は
世界各地に沸き起こる
それでも御当人 何処吹く風の
暴言 妄語 愚行の数々 乱発
アメリカ大統領 トランプ
かつては限り無い憧れの国
垂涎の的だったアメリカ
只今現在 その魅力は失せ果てて
失望と軽蔑の対象国へと成り下がって行く
無能な大統領 下卑た動作のあの 身振り手振り
歪めた顔での悪口雑言 世界各地に撒き散らす
品性 品位 資質の欠けらも無い アメリカ大統領
愚かで無能なトランプ故に
世界の平和 秩序が乱され 日毎 月毎
壊れてゆく
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<青い館>の女(38)
「切ってしまった」
わたしは気を取り直して加奈子に言った。
「なんて言ったんですか」
不安気な表情で加奈子は聞いた。
「会う必要なんか無いって言った」
「全く卑怯なんですよぉ」
込み上げる怒りを抑えられない表情の憎悪を込めた口調で加奈子は言った。
わたしは手に持ったままの受話器を元に戻した。
加奈子は窓辺へ行くとカーテンを揺らす事なく小さく開いて外を覗いた。
「見えるかい ?」
その背中に問い掛けた。
「見えないですよぉ」
加奈子は外を見詰めたまま言って、なお外を覗いていた。
その夜は再び電話の鳴る事は無かった。
男はわたしと加奈子の上に共通の影を落として新たな気懸かりとなった。
その夜、わたし達は同じ難題を抱えた者同士としての共通意識の下、思いも掛けない充足感を何時もの行為の中で得ていた。
「だからと言って、無理をしてはいけません。抑制だけがこの安定を保証してくれるんですから」
斎藤医師の言葉が頭を過った。
斎藤医師は常にわたしの暴走を牽制する様にこの言葉を口にしていた。
「言わば、終身執行猶予の身と言う事ですかね」
わたしは取り戻す事の出来ない虚無感の中で、斎藤医師の言葉を肯定するより仕方がなかった。
「まあ、そう思っていれば間違いありません」
斎藤医師は軽い微笑と共にわたしの言葉を受け入れた。
男はその夜以降も、格別、変わった行動に出て来る事は無かった。
それでも加奈子に付き纏っている事に変わりは無くて、電話の夜以来、わたしには奇妙にそれが気になって、小うるさく鬱陶しいものに思えた。
心の表層を荒立てられる様な気分の居心地の悪さと共に、男の存在を抹殺してしまいたい苛立ちに囚われた。
無論、直接的な行動に出る事など出来るはずもなくて、わたしは苛立ちだけを募らせた。
北の街の支店ではその間にも開店一周年を迎えていた。
記念の感謝セールと銘打った安売りが一週間にわたって行われた。
改まっての行事、パーティー等は行わなかった。
経費削減、簡素が義父から受け継いだ<スーパーマキモト>の経営理念で、それはわたしや息子の代になっても受け継がれていた。
わたしはそれでも、感謝セールの最終日には支店長に、売り場の主任達だけでも一年の労をねぎらう様に言って、その為の出費を認めた。
「だから、あなたは甘いって言うんですよ」
妻なら多分,そお言うだろう。
無論、構わない。
これまでにもわたしは、義父や妻には内緒で何度もそうして来たのだ。
北のこの小さな街で思いも掛けない成績を上げた従業員達の労をねぎらうのも悪くはない。
「なかなか良いですねえ。結構、遣り手ですよ」
東京本社から送り込んだ川本部長も若い支店長の手腕を高く評価していた。
その支店長が希望している中古車販売に関しては、目立った進展は見られなかった。
息子はまず、中古部品の販売から入りたい意向で、その方面との提携を模索していた。
わたしは息子の依頼で、提携相手になりそうな業者を何度か現地に案内したが、息子は相変わらず多摩地区の物件の立ち上げに向けて精力的に動いていた。
「親父さんに北の街へ案内して貰った篠田興業が、話しに乗ってもいいって言って来たよ」
本社のわたしの部屋へ顔を出した時、息子は言った。
「いいって ? で、どうするんだ。進めるのか ?」
わたしは部外者の様に熱意も無く聞いた。
「うん、進めようと思うんだけど、今直ぐにっていう訳にもゆかないんだよ。ちょうど、多摩地区の物件も煮詰まって来ているし、先にこっちの目安を付けて置きたいんだ。だから、篠田興業の方は当分、見ていて貰いたいと思ってるんだ」
「多摩地区の相手は急いでいるのか ?」
「急いでる訳ではないけど、篠田興業の社長には、一応、会長に相談してみて詳しい返事は後でするって言って置いたんだ」
「まあ、繋ぎは付けて置くが、最後の交渉はお前がすべきだなあ。お前がこの会社の責任者なんだから」
「うん、それは分かってるよ。だから、もう一度相手の実態を詳しく洗い直してみて、間違いが無ければ進めようと思うんで、それまで繋いで置いて貰いたいんだ」
わたしが北の街へ向かう月に一度位の割合はその間も変わりなく続いていた。
その度にわたし達は加奈子の部屋で会う様になっていたが、それも慣れて来ると如何にしても部屋の狭さが気になった。
普段、広い部屋で気ままに過ごしている身には、その狭さが何に付けても息苦しく思えた。
わたしは北の街へ向かう飛行機の中で次第に一つの思いに没頭する様になっていた。
最早、不治とも言える身体不調を抱えて日々、鬱々として過ごす身に取って北の街は、思いも掛けず偶然出会った年若い一人の女の存在と共に何故かしら、不思議に生きる事の息苦しさと滅入る気持ちを解き放ってくれる空間になっていた。
その北の街で生きる為に、加奈子にマンションの一部屋を買って与えてはどうか ?
これからも加奈子との関係を続けてゆく為には一つの良案に思えた。
今のわたしには決して不可能な事では無かった。
それ位の事なら何時でも出来る。
無論、名義は加奈子のものにする。
加奈子も恐らく厭とは言わないだろう。
マンションの住居が自分の物になるのだ。
それにわたし自身、北の街へ来る度にあの狭い部屋へ行かなくて済む事になる。
周囲の眼を気にする必要も無くなる。
今のわたしに取って最良の構想に思えた。
あとは加奈子がなんと言うか ?
恐らく、世間一般の常識から見た時、如何にも馬鹿げて物好きな戯(たわ)言に思える違いなかった。
然し、当のわたしに取っては戯言で済まされる事では無かった。
残り少ないわたし自身の人生に於ける最後の自分自身を生きる為の一つの道に他ならなかった。
悔いなく残り少ない最後の人生を生きる。
後はわたし自身が納得無出来ればいい。
わたしは加奈子を付け廻す男の存在も考えた。
もし、住所が変われば男も付け回しが出来なくなるのではないか ?
だが、直ぐにその考えの甘い事に気付いた。
例え、住所を変えたとしても、仕事からの帰りを付けられた直ぐに住所はばれてしまう。
男の眼から逃れる為には住所を変えるだけでは駄目なのだ。
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tyakeziisan様
このブログをお止めになるとの事
長い間 何時もお眼をお通し戴き有難う御座いました
新しいブログわたくし自身 対応出来るかどうか分かりませんので心配です
ちょっと拝見して なんだか記事が狭苦しく感じられる印象でした
わたくし自身もこれから何処かへ移動しなければなりませんが
こういう事に疎い身に取っては心配の種です
いずれにしても長い間 有難う御座いました
感謝申し上げます