名声 地位 他三篇(2023.4.22日作)
名前や名声 地位に惑わされるな
この世界 世の中には
眼には見えない場所 葉隠れで
それ以上の仕事をしている人は
数多くいる
石垣の石は堅固 質実 充実していても
個々の存在として 人の眼に触れる事は少ない
突出した場所 その位置に建つ城だけが
人の眼に触れる 脚光を浴び 尊ばれる その城は
石垣が無ければ存在しない
リーダーとは
人の話しを「耳」で聞き
「口」で人に伝える「王」である
人の話しを耳で聞き
口で人に伝える「王」とは
「聖」の人である
リーダーとは
その「聖」の人
聖人であるべき存在
突出した存在は
並みの存在に取っては 常に 異質な
居心地の悪い存在に思える
突出した存在が
善の存在か 悪の存在か
突出した存在自身の問題
善の存在であれば 尊敬 崇拝の的となり
悪の存在であれば 忌み嫌われ
嫌悪の的と なる
理論より
現実をしっかり把握する その眼を
持つ事
現実は常に動いている
ーーーーーーーーーーーーーーーー
いつか来た道 また行く道(5)
「だって、準備なんて何もしてないじゃない」
彼は言った。
口調は穏やかだった。
わたしを脅迫しているようには思えなかった。
それでもわたしの心は息苦しい程の圧迫感で押し潰されそうになっていた。
「しているわよ ! 誰がそんな事を言ったの ?」
わたしは思わず喧嘩腰の口調になって強く言っていた。
「誰も言わないよ。でも、分かってるんだ」
彼は何か、楽し気な気配を漂わせた口調で嬉しそうに言った。
「いったい、何を言うの、あなたは 。変な事を言わないでよ !」
わたしはますます喧嘩腰の口調になって言っていた。
「じゃあ、今晩会って、どんな準備をしているか教えてよ」
彼の口調は依然として穏やかで、この会話を楽しんでいるのようにさえ思えた。
彼の口調は依然として穏やかで、この会話を楽しんでいるのようにさえ思えた。
わたしはそんな彼を意識するとなぜか自分自身も奇妙に冷静になっていて、
「なぜ、あなたにそんな事まで教えなければならないの」
と、冷たく突き放すようにして静かに言った。
「パリやニューヨークへ行くなんて嘘だからさ」
彼はそんなわたしの冷やかさを意識したのか、これまでとは違った冷徹な口調で静かに言った。
「嘘じゃないわよ !」
わたしはこの時、彼はすでに事情を知っている、と思った。すると彼は、
「ぼくの腕の注射の跡を見たんでしょう。それでぼくが怖くなったんでしょう」
と言った。
ふと、わしは何故か、自分が追い詰められたような感覚を抱いた。
彼の言葉は明確に、わたしが彼の腕に見た注射の跡に気付いている事を彼が知っている事実を告げているように思えた。
わたしは逃げ場のないという思いと共に、
「何を言っているの、あなたは」
とだけしか言う事が出来なかった。
「クスリ(麻薬)を使っているぼくが怖くなったんでしょう」
彼は言った。
その声は静かだった。
「電話を切るわよ」
わたしは言った。
ただ、彼との関わり合いを断ち切りたい思いのみが激しくなっていた。
わたしは彼の返事も待たずにそのまま電話を切った。
息苦しい程に動悸が速くなっていた。
わたしは電話を戻した手を机の上に置いたまま、空白になった頭でしばらくは何も考えられにずいた。
どれだけの時間が過ぎていたのかも分からなかった。
ようやく我を取り戻した時に最初に浮かんだのは、麻薬常習者の彼、という存在だった。中沢栄二。
拭い難くわたしの存在の中に関りを持って来ている。
払拭したくても今更に払拭出来ない事実だった。
わたしに取っての一番の恐怖は、これ以降、中沢栄二がどのような行動に出て来るか、という点だった。判断も予測も出来なかった。
最早、彼とは完全に手を切ってしまいたかった。それにはどうすればいいのだろう ?
何よりもわたしには、麻薬常習者との関りを持つ女として世間に知られてしまう事が一番の恐怖だった。この事実だけは、どんな事があっても隠しておきたかった。それでなければ今日まで営々と築いて来た努力の跡が一瞬の間に灰燼に帰してしまう。
少しの後の冷静になったわたしの頭に最初に浮かんだ思いは、金で総てを解決する方法だった。
彼に望むだけの金額を与えて口を封じる。
しかし、この方法にはすぐに疑問符が浮んで来た。
彼が一度の現金手渡しで引き下がるとは思えなかった。いい餌食を見付けた肉食動物のようにしつこく何度も何度も後を追いかけて来るだろう。その間に二人の交際が目敏い週刊誌などの記者に知られてしまわないとも限らない。
では、どうする ?
他に方法はあるのか ?
わたしの思いはそこでまた、ゆき場を失った。
ほとんど絶望感に捉われたわたしは、取り敢えず、これ以降の中沢の出方をみてみるより仕方がない、という思いに総てを託して待つ心算になった。
わたしは中沢からの電話は必ず、またあるものと読んでいた。
翌日、二日と過ぎても電話はなかった。
それでもわたしは、彼がこのまま大人しく引き下がるとは思っていなかった。
だが、彼からの電話は四日が過ぎてもなかった。
わたしの心では彼が何を企んでいるのだろう、という漠とした不安が拭い切れなかった。
そして事実、五日目に彼からの分厚い封書が届いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
takeziisan様
有難う御座います
アメイジンググレイス 好い曲ですね
わたくしは神などまったく信じないのですが この曲を聞くと
何故か神の恩寵というイメージが湧いて来ます 黒人ーこの言葉は嫌いなんですがー霊歌
アフリカ系アメリカ人の魂の叫びが伝わって来るような気がするのです いい歌です
グレイダ―マン いろいろありますね 流行りました
懐かしの曲という感じです
様々な花々 林の中の木道 好い景色です 心が洗われます
花の盛り 花の命は短くて
わが家のクンシラン 今年も遅ればせながら咲いてくれましたが
そろそろ終わりです 散り始めています
ハゴロモジャスミンも茶色が混じって来て季節の終わりを漂わせています
休日 終日家にいる事の多い身には土曜 日曜
休日の区別が付きません 昨日土曜 新聞夕刊が来ないので電話をしたら
今日は旗日で夕刊はお休みです 販売所の答えでした
ああ 今日は休日 ?
そうです 販売所の人は笑っていました
困ったものです
何時も美しい風景の数々 有難う御座います
楽しませて貰っております
桂連様
有難う御座います
いろいろ大変な御様子 お大事にして下さいませ
アインシュタインの理論はわたくしにはよく分かりませんが
人に取っての時間は確かに相対的なものですね
一日二十四時間は絶対的なものですが 人によってその場によって
人が感じ取る時間はそれぞれ異なります
新作 興味深く拝見しました
何時もの事ですが冒頭のお写真 美しいです
住環境の良さが想像されます
朝八時の面談 ? 早いですね いつも何時にお起きに
なっているのか分かりませんが パートナーの方としても大変では・・・・
突然にこのような症状が現れたのでしょうか
いずれにしても一日も早い御快復を願っております
実際 何処かが悪いと普段している事も億劫になって来ますから
くれぐれも御無理をなさらぬよう お気を付け下さいませ
何かと多忙 多難の中 いつも有難う御座います