MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』 80点

2009-10-09 00:16:05 | goo映画レビュー

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官

2008年/アメリカ

ネタバレ

‘Crossing Over’の真意

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 この作品が誤解されているとすればそれは『正義のゆくえ』とした邦題に問題があり、‘I.C.E.
特別捜査官’と付け足してしまったがために、この物語をグリーンカードを巡る群像劇に矮小化してしまったためであろう。
 辞書を引けばすぐに分かるように原題『Crossing Over』とは生物学の相同染色体の‘乗換え’という意味である。通常の乗換えであるならば遺伝的組換えが起こり、対等の遺伝子交換が起こり遺伝的連鎖を導くことになるが、いつも対等に交換がなされることはなく、不平等な乗換えもある。しかし不平等な乗換えがいつも悪いということはなく、この‘遺伝的変異’は進化の元にもなる。
 私たちはこの作品でどの組み合わせが‘通常の乗換え’でどれが‘不平等な乗換え’でどれが‘進化の元’なのかは断言はできない。ラビの振りをして上手くグリーンカードを入手したガヴィン・コセフの将来も、9.11のハイジャック犯を擁護して国外退去になった15歳のタスリマ・ヤハンジールの将来も、ハミド・バラヘリに見逃してもらったヨン・キムの将来も、デニス・フランケルが養女にしたナイジェリアの女の子の将来も私たちには全く想像さえつかない。しかし確実に言えることはグリーンカードがアメリカという国を良くしているという証拠がないということだけであり、全ては法律を軽々と乗り越えてあたかも遺伝子のように‘乗換え’が起こっているという事実だけなのである。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 決定方法改善のために | トップ | メールという“軽すぎる”ツー... »
最新の画像もっと見る

goo映画レビュー」カテゴリの最新記事