MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ロスト・バケーション』

2016-08-03 00:58:59 | goo映画レビュー

原題:『The Shallows』
監督:ジャウム・コレット=セラ
脚本:アンソニー・ジャスウィンスキー
撮影:フラビオ・ラビアーノ
出演:ブレイク・ライヴリー/オスカル・ハエナダ/アンジェロ・ロザーノ・コルソ
2016年/アメリカ

確実に拡大している女性の活躍の度合について

 主人公でインターンのナンシー・アダムスは2016年4月に学校を休んでアメリカのテキサス州から友人とサーフィンをしにメキシコの秘境を訪れていたが、二日酔いの友人を残して一人でサーフィンに出かけた。たまたま秘境のそばに住んでいるカルロスの車に乗せてもらって行ってみると既に2人のサーファーが波乗りをしていた。
 そろそろ夕刻になり2人のサーファーが先に岸に上がり、ナンシーも最後の波に乗って帰ろうとした時、サメが現われる。車に乗って帰ろうとしていた2人に合図を送って助けを求めたが、2人は気がつかずに帰ってしまい、ナンシーは一人でサメと格闘するはめになる。
 例えば、『ジョーズ』(スティーヴン・スピルバーグ監督 1975年)ならばサメに襲われる恐怖が描かれているが、医師の卵が主人公の本作はサメのみならず、岩や珊瑚や鉄棒などで身体へのダメージによる「痛み」も丁寧に描かれている。実はナンシーは亡くなった母親に対してコンプレックスを持ち、医師の限界を感じており、メキシコへは感傷旅行として来ていたのであるが、自身が戦って生き残ることでマザコンを克服するのである。
 本作は決して『ジョーズ』の続編ではないが、ヒーローからヒロインに変化している点は、間もなく日本で公開される『ゴーストバスターズ』(ポール・フェイグ監督 2016年)の4人の主人公が全員女性に変わっているところと同じで、ヒロインの活躍はますます拡大しつつある。


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