原題:『Cars 3』
監督:ブライアン・フィー
脚本:ボブ・ピーターソン
出演:オーウェン・ウィルソン/クリステラ・アロンツォ/アーミー・ハマー/クリス・クーパー
2017年/アメリカ
世代交代を焦り過ぎたベテランの主人公について
主人公のライトニング・マックィーンの「挫折」が描かれているということからかなり期待して観に行ったのであるが、ガッカリ感が半端ないのである。
ベテランとなったマックィーンが若手のジャクソン・ストームの台頭で焦り出し大事故に見舞われるあたりまではいいのだが、その後のストーリー展開が頂けない。「ラスティーズ・レーシング・センター」というレーサー育成施設で「再生プロジェクト」に沿った特訓を受けるのだが、その前提としてマックィーンはエンジンをモデルチェンジしたのかどうかがはっきりと描かれていない。つまりストームと同じような最新マシーンで新世代たちと争うのか、あるいは旧モデルのまま、いぶし銀のテクニックで挑むのか分からなのである。
クライマックスのレースシーンにも違和感が残る。「フロリダ500」と呼ばれるレースに出場するも、何故か途中で彼のトレーナーのクルーズ・ラミレスがマックィーンに代わって走行し、優勝してしまうのである。いくらルール上は認められているとはいえ、2台で走って優勝してしまうというストーリー展開はあり得ないのではないのだろうか。大人向けに制作したつもりが、ご都合主義に陥ってしまっていると思うのである。
ジェームズ・ベイが歌う「キングス・ハイウェイ(Kings Highway)」を和訳しておきたい。個人的にはオリジナルのトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ(Tom Petty and the Heartbreakers)版の方が好きなのだけれど。
「Kings Highway」 James Bay 日本語訳
時が来れば
僕は君を迎えに行って
トラブルから君を遠ざけるつもりだ
大きく懐かしい空の下
深緑の牧草地へ飛び出せば
僕たちは信頼に足りる何かを置き去りにしていたことに気がつくはず
僕はこの日を待っていたんだ
幸運が僕たちのもとを訪れ
僕たちは「王道」を踏みしめるんだ
君はリボルバーがはびこる街で身を隠すことはできない
僕たちは胸を張って生きたいし
逃げてはいけないんだ
僕は部屋の中で独りぼっちで人生を終わらせたくはない
僕自身さえ知らない無名の人で終わりたくはないんだ
僕はこの日を待っていたんだ
幸運が僕たちのもとを訪れ
僕たちは「王道」を踏みしめるんだ
僕はこの日を待っていたんだ
幸運が僕たちのもとを訪れ
僕たちは「王道」を踏みしめるんだ
James Bay - Kings Highway (From "Cars 3"/Audio Only)