原題:『Gagarine』
監督:ファニー・リアタール/ジェレミー・トルイユ
脚本:ファニー・リアタール/ジェレミー・トルイユ/バンジャマン・シャルビ
撮影:ヴィクトル・セガン
出演:アルセニ・バティリ/リナ・クードリ/ジャミル・マクレイヴン/ドニ・ラヴァン
2020年/フランス
時代錯誤のフランス製「アメリカンニューシネマ」について
ガガーリン団地とはフランスのパリ郊外で1963年に落成された実在する公営団地なのだが、老朽化のために2020年に解体されることになり、実際の団地を使って撮られた作品である。
フランスの新設団地にソ連の宇宙飛行士の名前を付けるということ自体に団地と巨大なスペースシップの相性の良さというものを感じるし、団地の近辺に住んでいるロマたちは必然的に「宇宙人」という雰囲気を醸し出す。
16歳の主人公のユーリは自分たちの家族の思い出がなくならないように団地の存続のために孤軍奮闘するのだが、その際に、特に電気系統に注力するのはやはり「宇宙船」だからなのである。そんなユーリの孤独で無駄な抵抗はかつての「アメリカンニューシネマ」を彷彿とさせる。
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