MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『あいあい傘』

2018-11-18 00:45:19 | goo映画レビュー

原題:『あいあい傘』
監督:宅間孝行
脚本:宅間孝行
撮影:鈴木雅也
出演:倉科カナ/市原隼人/入山杏奈/高橋メアリージュン/やべきょうすけ/立川談春/原田知世
2018年/日本

無理なオチで台無しになった作品について

 過去をモノトーンの細かいカット割りで、現在をカラーの長回しで描くところなど演出はかなり凝ったもので、欲張りすぎて多少のぎこちなさはあるものの、例えば、松岡玉枝の娘の麻衣子を演じた入山杏奈を軸とした2度の場面転換は素晴らしいのではないだろうか。
 しかし作品前半から炸裂するスベり気味のコテコテの関西のノリに個人的には付いていけずに困ったものだと思って観ていたのだが、主人公で横浜から亡くなったはずの父親の六郎を探しに来た高島さつきを演じた倉科カナがメインとなったあたりから関西色が薄まり、長回しでこそ実力が発揮されるその巧みな演技力で俄然面白くなる。
 ところがラストに驚嘆するシーンが挿入されている。死に場所を探していた六郎は傘をかざしてくれた玉枝と一緒に暮らすことになるのだが、何とそこに当時5歳だったさつきも雨の中父親の後を追ってきていたのである。六郎が娘に気がつかないまま玉枝と立ち去った後に、さつきは迷子になるのだが、その時助けてくれたのが市原隼人が演じていた若き雨宮清太郎だったというオチなのだが、どう考えても設定に無理があると思う。


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