MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『蜜蜂と遠雷』

2020-02-17 12:53:52 | goo映画レビュー

原題:『蜜蜂と遠雷』
監督:石川慶
脚本:石川慶
撮影:ピオトル・ニエミイスキ
出演:松岡茉優/松坂桃李/森崎ウィン/鈴鹿央士/臼田あさ美/ブルゾンちえみ/斉藤由貴/鹿賀丈史
2019年/日本

結局、松岡茉優の話になってしまうレビューについて

 とりあえず栄伝亜夜高島明石マサル・カルロス・レヴィ・アナトール風間塵の4人のコンテスタントたちが2019年11月に行われる記念すべき第10回の芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む物語ではあるが、13歳の時にピアノを教えてくれていた母親を亡くした栄伝亜夜が、その7年後に再起をかけた挑戦がメインストーリーとなっている。
 しかし亜夜と母親の関係が具体的に描かれるわけではなく、逆に高島風間がテレビインタビューで心情を答えるシーンの生々しさや、冒頭とラストの黒い馬や、滴る雨粒に濡れるグランドピアノのイメージなどまるでアンドレイ・タルコフスキーの作風を彷彿とさせる。亜夜と塵の2人が満月の下、連弾でドビュッシーの「月の光」、ハロルド・アーレンの「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ ムーン」、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」を披露するシーンも素晴らしいのだが、やはり亜夜を演じた松岡茉優の名演があってこそ成り立った作品のように思う。


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