MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

2022-03-03 00:52:43 | goo映画レビュー

原題:『Spider-Man: No Way Home』
監督:ジョン・ワッツ
脚本:クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ
撮影:シェイマス・マクガーヴェイ
出演:トム・ホランド/ゼンデイヤ/ベネディクト・カンバーバッチ/ジョン・ファヴロー/ジェイコブ・バタロン
2021年/アメリカ

ヒーローと匿名性の相性の良さについて

 前作『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム』(ジョン・ワッツ監督 2019年)ではフェイクニュースがメインテーマだったと思うが、本作は主人公のピーター・パーカーが自分自身がスパイダーマンであるという「真実」をどのように処理するのかが問われることになる。
 フェイクニュースは正せば何とかなるが、「真実」は取り消しようがない。ピーター個人はどうなっても仕方がないとしても、例えば、ピーターの恋人のMJや友人のネッドもMITの入学を取り消されるのは不本意であろう。そこでピーターがとった行動がドクター・ストレンジに頼んで魔法で自分の正体が暴露される前まで時を戻して欲しいというものだったが、ドクター・ストレンジはタイムストーンを失っており、代わりにピーターの存在を忘れさせるということならできると提案される。一度は同意したのだが、いざ自分の存在がMJやネッドたちに忘れられると考えると戸惑ってしまい、中止させるのだが、その代償としてこれまで戦ってきた悪役たちがピーターを倒しにやって来ることになる。
 ピーターは彼らを改心させることを使命にするのだが、ドクター・オクトパスを除いて失敗し、そんな時に現れるのがトビー・マグワイアのピーターとアンドリュー・ガーフィールドのピーターで、3人のピーターとドクター・ストレンジが悪者たちを更生させるために大合戦を演じ、ピーター・パーカーは忘れ去られることになり、ピーターがMJにコーヒーを注文してもMJはピーターのことを思い出せないのだが、MJもネッドもMITに入学できたことを確かめるとそのまま店を後にし、あらためてヒーローと匿名性の相性の良さと、ヒーローには帰る場所が無い(ノー・ウェイ・ホーム)ことを確認することになるのである。
 
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-115449


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