MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『水曜日が消えた』

2020-07-15 00:58:28 | goo映画レビュー

監督:吉野耕平
脚本:吉野耕平
撮影:沖村志宏
出演:中村倫也/石橋菜津美/中島歩/休日課長/深川麻衣/きたろう
2020年/日本

オチが弱いSF作品について

 『ウルトラQ』や『タイム・トラベラー』のようなSFテレビドラマを映画化したような趣を感じる。それは妙に登場人物が少なく、例えば、主人公の「火曜日」が行きつけの市立図書館の司書の瑞野と映画を観に行った帰りに2人以外に誰も登場しないなど、まるでミケランジェロ・アントニオーニ監督作品に感じる寂寥感を醸し出している。
 交通事故で割れた車のサイドミラーに映る1羽から7羽に分かれる、あるいは2羽から1羽に戻る鳥のイメージなども良い味を出してはいるが、結局、最後に残った「月曜日」が何をしたかったのか分からなかった。「月曜日」のワイルドな性格からするならば自分が6人を支配してやりたい放題したいはずなのだが、穏やかな性格の「火曜日」ならともかく「月曜日」が各曜日の著名を集めて「結合」手術を決断するというオチには動機の弱さを感じるのである。


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