MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『のぼる小寺さん』

2020-07-23 00:58:07 | goo映画レビュー

原題:『のぼる小寺さん』
監督:古厩智之
脚本:吉田玲子
撮影:下垣外純
出演:工藤遥/伊藤健太郎/鈴木仁/吉川愛/小野花梨/両角周/田中偉登/中村里帆
2020年/日本

脚本家のスタイルについて

 主人公で高校のボルダリング部に所属している小寺は同級生たちの注目の的で、同じ体育館で練習している卓球部の近藤のみならず、四条は小寺と同じ部に所属して活動しており、小寺と同じクラスの田崎ありかはずっと小寺を隠し撮りしている。
 何故小寺がみんなの注目の的になるのかはよく分からないし、小寺だけが注目の的ではない。中学生の時は気持ち悪いと言われていた四条は急に烏丸梢に告白されて交際するようになったりしている。
 本来ならばあかりが撮っていた動画を見た小寺が、自分が想像していた登り方と齟齬があり、小寺は2018年8月のボルダリングユース大会で個人準優勝、近藤は卓球部地方予選でベスト8、ありかは写真コンテストで佳作、高校と同時にネイル学校に通っている倉田梨乃も実習で先生に怒られておりそれぞれ誰もがイマイチで、そこから自分のイメージと他人が自分を見るイメージの違いが描かれてもよかったはずなのだが、脚本を担っている吉田玲子の執筆スタイルは「何も起こらない」ことを持ち味としており、本作においてはそれはそれで上手く行っていると思う。


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