MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

マルチメディア商法

2010-11-03 00:30:01 | Weblog

水嶋ヒロ小説大賞賞金2000万円辞退(日刊スポーツ) - goo ニュース

 水嶋ヒロという芸名を隠してペンネームで応募して受賞したという一報を聞いた時

には、たいしたものだと思ったが、11月2日のフジテレビの「とくダネ!」で水嶋の

受賞会見の日の密着ドキュメンタリーを見たときに、これは昔、椎名桜子という

作家で試みられたマルチメディア商法であることが分かった。知名度のある水嶋に

史上最高額の副賞の文学賞を与えて話題を作った上で「ポプラ社小説大賞」を

終わらせたいポプラ社と映画化権が欲しいフジテレビと水嶋の思惑が一致したので

あろう。言うまでもなく水島が「ポプラ社小説大賞」に応募した理由は、同賞の選考は

社内の人間で行われ、浅田彰や斎藤美奈子のような“ウザイ”選考委員がいない

からである。「とくダネ!」でコメンテーターの竹田圭吾が「本を出版してから正体を

明かしてもよかったのに」と的確に指摘していたが、司会の小倉智昭は完全に無視

していた。いずれにしてもこの戦略が今回は成功するのか見物ではある。


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『エル・トポ 製作40周年デジタルリマスター版』 70点

2010-11-03 00:27:00 | goo映画レビュー

エル・トポ 製作40周年デジタルリマスター版

1969年/アメリカ

ネタバレ

この手の作品を好きになる人について

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 『ゾンビランド』(ルーベン・フライシャー監督 2009年)はビル・マーレイを通してフランスの作家ジャン=ポール・サルトルの言葉「さらば、モグラよ」で終わっており、ついでにその解説もしておいたが、‘エル・トポ’はまさに‘モグラ’の意味である。
 この作品は様々なモチーフが取り入れられており難解というイメージがあるが、冒頭でガンマンのエルトポが息子に母親に別れを告げるように促すところからも推察できるように、軸となるテーマは‘マザー・コンプレックス’である。
 その後、女性の靴を偏愛するガンマンや地面に描かれた女性と性交するガンマンが現れる。特に刀でバナナをスライスするガンマンのイメージは刀の手腕を示しているのではなく、自らの‘去勢’を意味していると捉えるべきであろう。
 旅の途中で出逢った女性に愛の証拠として砂漠にいる4人のマスターガンマンを殺すように請われたエルトポは、2人目のマスターガンマンの母親まで襲って殺したにも関わらず、結局は恋人に認められずに裏切られてしまう。
 ‘詩篇’に現れる街では裕福で肥えた女性たちが若い男たちをこき使っていたり、ラストでは再び挫折してしまったエルトポが焼身自殺した後に、エルトポの息子がエルトポの再婚相手とエルトポと彼女の間に出来た赤ん坊を連れて旅立つという‘オイディプス’的な神話で終わる。
 リマスターのおかげで色彩が鮮やかになり、特に空の青と鮮血は強烈で、このようにマザー・コンプレックスをテーマに描かれているために、同じコンプレックスを共有しているジョン・レノンや寺山修司などには絶賛されたのであるが、やはりコンプレックスがベースになっているために物語に力強さが欠けていると個人的には感じる。


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