
ヤマハルーターでのVPN速度の改善のヒント
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
ヤマハルーターで数多くのVPNを構築しています。ヤマハルーターに限らず、典型的なVPNは、音声とデーター統合が行われます。音声とデーターを統合したネットワークでは、音声品質の低下が発生することがあります。音声はリアルタイム処理なので、ルーターは直ぐに接続先のネットワークに転送する必要があるのです。ルーターには「到着した音声パケットは直ぐに転送する」設定、優先処理を行うことになります。
音声パケットの優先処理を行うことで、待たされるパケットが発生します。「お先に失礼!」と音声パケットが割り込んで電車に乗るのですから、この時待たされるパケットもお世話してあげないと、全体のネットワークが期待通り動きません。
TCP/IP通信では、データーを効率よく送るための工夫がされています。通信途中でデーターが欠落した時でも「欠落の検知と再送機能」により、欠落したデータを送り直し、正しい情報となります。この機能により、正確なデータ通信が成り立ちます。ところが一つのパケットが失われた場合でも、その回復のために、数倍のデータ通信が発生することを、忘れてはなりません。
即ち、通信回線が立て込むために、ルーターの中で捨てるパケットが増えれば増えるほど「欠落の検知と再送」機能で、通信に必要なパケット量が増える傾向になります。ルーターの処理能力も有限ですし、通信回線の伝送速度も有限ですから、無節操に大量のパケットが到着するとルーターの中に収納することに失敗し、パケットの欠落につながります。
ルーター技術者は、このことを回避するためにルーターの優先処理機能や帯域制御機能を利用して「なるべくパケットの欠落を押さえる」設定を施す必要があります。ルーターや通信回線で改善できないときは、サーバーやアプリケーションの配置の見直しが必要にもなります。そのことは、ネットワーク層の技術者が声を上げないと、ソフトを開発した人は判りません。ソフトの開発者は何を言っているのか判らないかもしれませんが、それでもネットワークの技術者が声を上げ、全体的な仕組みの中で解決する必要があるのです。
ヤマハルーターでは
show status lanX
でLANインターフェースで失ったパケット数を知ることができます。失ったパケットがあれば、まずはルーターのパケット処理機能を適正に調整することをお薦めします。
有限資源を使うからこそ、みんなで助け合って良い仕組みができあがります。ますます技術要素を束ねる視点が必要になります。アプリケーションとネットワーク技術者交流会でも始めた方が良いかも知れませんね。ご興味があればコメントやメールをいただければ幸いです。
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