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「サイレント・ブレス」南杏子

2018年11月15日 23時05分13秒 | 読書(介護/終活)


「サイレント・ブレス」南杏子

看取りの問題を扱っている。
訪問診療クリニックの医師が主人公。
どう最期を迎えるのか、迎えさせるのか。

P38
死にゆく患者にとって、医師の存在価値などあるのだろうか。そもそも病気を治せない医師に、何の意味があるのだろう。

P67
終末期の患者の多くは、人生の意味や価値を見失うことによる根源的な苦痛に見舞われる。

P241
「医師にとって、死ぬ患者は負けだ。だから嫌なもんだよ。君も死ぬ患者は嫌いか?」
「え?」
 何と答えたらいいのだろう。
「よく考えてごらん。人は必ず死ぬ。いまの僕らには、負けを負けと思わない医師が必要なんだ」

【ネット上の紹介】
誰もが避けては通れない、愛する人の、そして自分の「最期」について静かな答えをくれる、各紙誌で絶賛された現役医師のデビュー作。 2018年6月21日のNHK「ラジオ深夜便」にて紹介され、話題沸騰中!「生とは何か。死とは何か。答えの出ない問いへの灯りのような一冊」(書評家・吉田伸子さん)「本書を読んで何よりも私は、救われた、と感じた」(書評家・藤田香織さん) 大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。 そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。 命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。 そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、大きな決断を下す。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか?

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