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「介護のうしろから「がん」が来た!」篠田節子

2020年03月29日 18時32分07秒 | 読書(介護/終活)

「介護のうしろから「がん」が来た!」篠田節子

篠田節子さんの介護&闘病記。

P24
配偶者でも肉親でもない人々の排泄物のついたパンツに嫌悪感を抱かない嫁や婿がいるだろうか。それを強要して相手の愛情や倫理、人間性を見極めようとする行為ほど卑しいものはない。

P26
高齢化が進み、寿命が尽きた後も死なせない技術だけが発達し、その一方で医療福祉関連の支出がふくれあがる中、負担を丸投げされた家族が形ばかりの公的支援の中で疲弊し、病み、次世代を巻き込んで崩壊していく。

看取った後の後悔、罪悪感
P96
最大の原因は限界を超えた介護にあるとしても、本来解放されて青天井になるはずの介護者を、そうした心情に追い込む空気がまんえんしている。
「その後」の介護者から生きる気力を奪い去るほどの後悔や罪悪感、喪失感については、理詰めで説得してどうなるというものでもない。

救われた言葉
P159
「お母様は私どもにお預けになって、あなたが少しゆっくりなさってください。このままでは家庭崩壊まで行きますよ」

P208
一冊の本と違い、人生は死ぬまで終わらない。悲劇も喜劇もオチもない。
老いた母のこの先は見当もつかず、自分の病気についてもわからない。事が起きればそのときはそのとき。その都度粛々と対処するだけだ。
最善の選択などありえないが、最悪の結果を回避できれば、まずは上等、(後略)

【ネット上の紹介】
直木賞作家・篠田節子が、乳がん発覚から術後までの怒涛の日々―検査、手術、乳房再建、同時進行で認知症の母の介護―を、持ち前の取材魂をもとにユーモア溢れる筆致で綴る、闘病&介護エッセイ。聖路加国際病院ブレストセンター乳房再建担当医との特別対談を掲載
発見
入院まで
再建の決断
手術
院内リゾート
退院
手術後25日の海外旅行
日常復帰
二度目の手術へ
解禁
乳房再建その後
波乱含みの年明け
介護老人保健施設入所の経緯
ホーム巡礼 八王子十四ヵ所
ここは絶海の孤島!? パラオ
グループホームに引っ越し
エッセイは終わっても人生は終わらない
“特別対談”篠田節子×名倉直美(聖路加国際病院・形成外科医)
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