「原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年」堀川惠子
読み返し。
P252
遺体の処理作業が一気に進められた背景には、真夏の炎天下、死体の腐敗が進むと伝染病が蔓延するため早急な対応が迫られたという事情もあったし、特殊爆弾の惨状を放置すると、本土決戦に向けた国民の士気にかかわるという背景もあった。
P273・・・動かなかった海軍兵学校
日本の将来を担う海軍エリートの卵に、放射能にまみれた現場で危険を冒させるわけにはいかない、(後略)
P283
原爆が投下される前、広島市の戸籍簿はすべて疎開させていたため無事だった。
【ネット上の紹介】
広島の平和記念公園にある原爆供養塔には、七万人もの被爆者の遺骨がひっそりとまつられている。戦前、この一帯には市内有数の繁華街が広がっていた。ここで長年にわたって遺骨を守り、遺族探しを続けてきた「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる女性がいた。彼女が病に倒れた後、著者はある決意をする―。氏名や住所がわかっていながらなぜ無縁仏とされたのか?はじめて明かされる、もうひとつのヒロシマの物語。本格ノンフィクション!
[目次]
第1章 慰霊の場
第2章 佐伯敏子の足跡
第3章 運命の日
第4章 原爆供養塔とともに
第5章 残された遺骨
第6章 納骨名簿の謎
第7章 二つの名前
第8章 生きていた“死者”
第9章 魂は故郷に