「詩歌川百景」(2)吉田秋生
新シリーズ2作目、最新刊。
人物関係を忘れているので、①を読んでから、②に入った。
ネタバレありなので、未読の方ご注意!(当ブログを読まずに、ソッコー購入して!)
文句なしに、本年度ベスト読書の一冊。
「あいつはゲス野郎よ」
「わかっている 大目に見るつもりはないわ
でも あの人は多分この町以外行くところがない
自分のついたうそのせいで もう十分崖っぷちよ
突き落としたところでいいことなんて一つも無い
逆恨みなんて面倒をさけるためなら安い芝居ぐらいいくらでもするわ」
「子供は一生けんめいがんばる 深場や流れにはまっても 一人で何とかしようとする
そして力尽きると あっという間に沈んでしまう」
「親の盛る毒は巧妙でねえ・・・
解毒するのにエラいエネルギーが必要だもんで」
恋は突然やってくる
そして苦悩が始まる
【閑話休題】
フツーのホームドラマ、って創作するのは難しい。
その「生活」を描写するには、ディーテイルの積み重ねという細かい地道な作業が必要。
日本のマンガ界広しといえど、どれだけの作家が可能だろうか?
吉田秋生作品は、どのジャンルの作品も、日本マンガ界の最高到達点、と思うが、特に面白いのは、「普通の日常」を描いた作品群。
つまり、本作品や、「海街diary」「河よりも長くゆるやかに」「カリフォルニア物語」、だ。
【関連図書】
「詩歌川百景」(1)吉田秋生
【「詩歌川百景」②・・・ネット上の紹介】
山間の小さな温泉町の老舗旅館で湯守見習いとして働く青年・和樹(かずき)は、友人たちや大女将の孫娘・妙(たえ)とともに様々な大人たちと関わりながら過ごしている。ある日、東京の大学に進学しそのまま就職した「まーこ姉ちゃん」が帰ってきて・・・?第5話から第8話まで収録。