「ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ」ヤマザキマリ
先日読んだ「ムスコ物語」と対をなす作品。
自身の破天荒な母・リョウコさんを描いている。
P76
親子の愛情は距離を縮め共有する時間を増やすだけで確かめ合えるものなのだろうか。
(中略)
親というものは、子供にとって、まず強く生きる人間の手本であるべきだと思うし、手放しでも子供がしっかり育っていけること、生きていけることを信じてあげるべきなのだと思う。
誕生日に母から電話をもらう
P231
「今日は、私があなたを生んだ日です」
自分の想像を絶するその一言を聞いてしばらく黙り込んでしまった後、私はその言葉に対して「あ、そうですね。本当にご苦労様でした」と答えた。51年前の出産をねぎらわれた母はこのように続けた。
「誕生日って子供にとっては確かにめでたいことだけど、それ以前に、生むのにあんなに頑張った自分もおめでとうだな、と思ったわけよ」
「いや、確かにそうだと思います」
「子供が生まれた日って、つまり自分おめでとうだよね」
「うん、まあ、51年前の出産、おめでとうございます」
【関連図書】
「ムスコ物語」ヤマザキマリ
【ネット上の紹介】
生きることって結局は楽しいんだよ。音楽と娘と自分の人生を真摯に愛する規格外な母リョウコのまるで「朝ドラ」のような人生!
第1章 リョウコが母になるまで
第2章 働く母、リョウコ
第3章 リョウコに教えてもらったこと
第4章 リョウコと衣食住
第5章 リョウコと家族
第6章 リョウコという母親