
「人間仮免中」卯月妙子
コミックエッセイと呼ぶにはあまりに重すぎる内容。
すべて実話。
著者は統合失調症。
この病気は、かつて精神分裂病と呼ばれていた。
患者側から表現されたコミックは初めてかも・・・そういう意味でも貴重。
単なる闘病記じゃなく、著者とボビーの愛の記録でもある。
いきなり歩道橋から飛び降りるシーンが衝撃。
顔面から落下し粉砕骨折。
よく助かったと思う。
著者の背中は『般若心経』の刺青に覆われている。
これが御利益、というものか?
PS
読んでいて、「自虐の詩」を思い出した。


「彼女がその名を知らない鳥たち」も思い出した。
十和子と陣治のカップル・・・ボビーさんの愛情と懐の深さは、陣治に通じる。

さらに、難病の方のエッセイというと「困ってるひと」大野更紗を思い出す。

ネット上の【著者紹介】を載せておくので読んでみて。
壮絶すぎる経歴である。
【著者紹介】
卯月 妙子 (ウズキ タエコ)
1971年、岩手県生まれ。20歳で結婚。しかし程なく夫の会社が倒産し、借金返済のためにホステス、ストリップ嬢、AV女優として働く。排泄物や嘔吐物、ミミズを食べるなどの過激なAVに出演。カルト的人気を得る。その後夫は自殺。幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化し、自傷行為、殺人欲求等の症状のため入退院を繰り返しながらも、女優として舞台などで活動を続ける。さらに自伝的漫画『実録企画モノ』『新家族計画』(いずれも太田出版)を出版し、漫画家としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【ネット上の紹介】
壮絶な過去と統合失調症を抱えた著者が、36歳にして出会った25歳年上のボビー。苛烈で型破りで、そして誰より強靱なふたりの愛を描いた感動のコミックエッセイ。