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「みんなのふこう」若竹七海

2011年04月26日 21時28分24秒 | 読書(小説/日本)


「みんなのふこう」若竹七海

これは面白かった、軽妙にして洒脱。
久しぶりに若竹七海作品を読んだけど、熟練の業を感じた。
タッチは軽いんだけど、構成にプロの技を仕掛けてある。

17歳のココロちゃんが主人公なんだけど、本人は前面に出てこない。
周囲の人物がココロちゃんを語ることによって、物語が展開する仕組みになっている。
特に重要な語り手が、女子高生のぺんぺん草ちゃん。
この2人の青春小説でもあり、全体としてミステリ構造にもなっている。

ココロちゃんのキャラクターがけっさく。
要領が悪く、不器用で失敗ばかりだけど、めげずに明るく元気、超天然。
小さいときから施設で育ち、父を知らず。
母とはそりが合わず、1人で生活している不幸な少女。
(このあたりまでは、フツーの小説で、キャラとしてもフツー)

しかし、ここから展開が違ってくる。
とにかく、人がいいから欺されやすく、人に利用されてしまう。
ところが、ココロちゃんを欺したり、悪く言ったりすると、その人は災厄に見舞われる。
たたりのある動く依り代、である。
そんな事も知らず、カルト教団がココロちゃんに手を出してしまう。
さて、どうなるか!?


【ネット上の紹介】
田舎町のラジオ局・葉崎FMで、毎週土曜夜に放送される読者参加型番組「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が評判の人気コーナー。そこに届いた一通の投書。「聞いてください。わたしの友だち、こんなにも不幸なんです…」。海辺の町・葉崎を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、いつでも前向きな17歳のココロちゃんと、彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃんがくりひろげる、楽しくて、ほろ苦い、泣き笑い必至な青春物語。