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【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

2009読書ベスト

2010年02月27日 18時37分35秒 | 読書(ベスト)

昨年2009年読書ベストを書く、と言いながら、2月末になってしまった。
遅くなってスマン。
これ以上遅延すると、具合悪いので、簡単に書いておく。

まず、小説部門。
もろ私の趣味で「RDG」が1位。
まもなく第三弾も出るようで、楽しみ。
「武士道」シリーズもよかった。(これで最終刊なの?)
「テンペスト」は2008年出版だけど、読んだのが昨年なので入れた。
「RDG レッドデータガール」(2)荻原規子(角川書店)
「武士道エイティーン」誉田哲也(文藝春秋)
「床屋さんへちょっと」山本幸久(集英社)
「テンペスト」(上・下)池上永一(角川書店)
「悪いことはしていない」永井するみ(毎日新聞社)
「あぽやん」新野剛志(文藝春秋)
「セレモニー黒真珠」宮木あや子(メディアファクトリー)
「黒百合」多島斗志之(東京創元社)
「オリンピックの身代金」奥田英朗(角川書店)
「神去なあなあ日常」三浦しをん(徳間書店)
「あなたにもできる悪いこと」平安寿子(講談社)
 
 

ライトノヴェルでは、ダントツ松田志乃ぶさん。
今野緒雪さんの「私の巣」もよかった。
一般の小説と変わらない、と思う。
(ただし、ロサギガンティアとかスール、ってセリフを除けば)
「恋する後宮」松田志乃ぶ(集英社)
「姫盗賊と黄金の七人」(前編)松田志乃ぶ(集英社)
「姫盗賊と黄金の七人」(後編)松田志乃ぶ(集英社)
「ふたりの東宮妃」松田志乃ぶ(集英社)
「私の巣」今野緒雪(集英社)

海外小説はあまり読まなかったので、省略。
ノンフィクション&エッセイでは、石井光太作品がどれも良かった。
(特に、「神の捨てた裸体」は、すごい)
瀬川正仁作品もよかった。
ぜひ、読んでみて。
「神の棄てた裸体」石井光太(新潮社)
「物乞う仏陀」石井光太(文春文庫)
「老いて男はアジアをめざす」瀬川正仁(バジリコ)
「若者たち」瀬川正仁(バジリコ)
「あの戦争から遠く離れて」城戸久枝(情報センター出版局)
「怖い絵」(3)中野京子(朝日出版社)
「絶対貧困」石井光太(光文社)
「白旗の少女」比嘉富子(講談社)
「米原万里の愛の法則」米原万里(集英社新書)
「ルポ貧困大国アメリカ」堤未果(岩波新書)

さて、問題はマンガ部門。
あまりにいろいろありすぎて、選びにくい。
迷う、迷う。
無理に選んで、下記のとおり。
(「海街」(2)は、2008年秋、出版と同時に読んだので、入れてない)
「テレプシコーラ・第二部」(2)(3)山岸凉子(メディアファクトリー)
「この世界の片隅に」(上・中・下)こうの史代(双葉社)
「リアル」(9)井上雄彦(集英社)
「チャンネルはそのまま!」(1)佐々木倫子(小学館)
「3月のライオン」(3)羽海野チカ(白泉社)
「女の子の食卓」(5)志村志保子(集英社)
「ニッポン昔話」(上・下)花輪和一(小学館)
「千年の夢 文人たちの愛と死」(上・下)齋藤なずな(小学館)
「乙嫁語り」(1)森薫
「彼らの犯罪」樹村みのり(朝日新聞社)
「エマ」(全10冊)森薫
「そこをなんとか」(2)(3)麻生みこと(白泉社)
「きのう何食べた?」(3)よしながふみ(講談社)
「野田ともうします。」柘植文(講談社)
「町でうわさの天狗の子」(3)(4)岩本ナオ(小学館)
「鈴木先生」(7)武富健治(双葉社)
「石の花」(全5巻)坂口尚(講談社)
「ウランバナ」勝田文(集英社)
「ちくたくぼんぼん」勝田文(集英社)



「あ・うん」向田邦子

2010年02月27日 17時30分05秒 | 読書(小説/日本)

「あ・うん」向田邦子(文春文庫)

うまい!
向田邦子さんは昭和4年生まれだけど、全然旧さを感じない。
生き生きとした登場人物、繊細な心理描写。
昭和初期の世相を背景に、家族と友情を描いている。
仙吉は堅物、門倉は遊び好き、対照的な2人の設定。
門倉は仙吉の妻・たみに思いを寄せている。
他にも印象深い登場人物は・・・
仙吉の父で元山師・初太郎。
仙吉とたみの娘・さと子(18歳)。
門倉の妻・君子。
門倉の2号・禮子。

ところで、タイトルの「あ・うん」だけど門倉と仙吉を表現している。
小説で次のように紹介している。
初太郎が、ぽつんと言った。
「狛犬だな」
 神社の鳥居のところにいる同じ格好をした石造りの犬だと言った。同じように見えるが、口の形が違う。一頭は阿であり、一頭は吽である。
 そういえば「こまいぬさん、あ。こまいぬさん、うん」というのを聞いたことがあった。不意にさと子は、教育勅語の一節を思い出した。
「夫婦相和シ」
「朋友相信ジ」


こんな感じで、門倉と仙吉の友情とお互いの家族が太平洋戦争間近な世相を背景に描かれる。
私が「うまい」、と思った箇所はP111。
2号の禮子が子どもを産んだことで、君子が仙吉の家にやってくるシーン。
(以下、ネタバレなので未読の方は注意)

「今まで別れようって何度も思ったわ。こんな暮らしは夫婦じゃない。でも、あたし、主人に未練があって、惜しくて人にやれないの。今も地獄だと思うけど、別れたらもっと地獄だろう。たしかにこんな暮らしは夫婦じゃないけど、世の中にはずい分不思議な夫婦もいる。友達が自分の女房に惚れているのを知っていながら、仲よくつき合って」
「奥さん」
たみが言いかけたのと、仙吉がのんびりした調子で、茶の間へ呼びかけたのと一緒だった。
「おい、りんごあったんじゃないか」
「りんごもりんごよ」
 言ってから、君子が吹き出した。


う~ん、とうなってしまう。
それにしても、絶妙なうまさだ。


「こどもエイティーズ」柘植文

2010年02月27日 16時40分30秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「こどもエイティーズ」柘植文(ぶんか社)

柘植文さんの最新刊。
エッセイ風コミック。
80年代の世相と共に描かれる。
だからタイトルが「こどもエイティーズ」、となっている。
タイプとして「ちびまる子ちゃん」風だけど、
著者の個性がより強く、オチもついて、自虐風、となっているのが特徴。
過去の作品では、「野田ともうします」「柘植文のつつウラウラまんきツアー」がある。
「野田ともうします」は、私もオススメ。
主人公・野田さんは、まじめな大学生、彼女の学生生活が淡々と描かれる。
じっくり笑いがこみ上げる作品。
「つつウラウラまんきツアー」は、著者体験レポート。
こちらも笑えて、旅行も楽しめる仕組みになっている。
いくつか私も行きたい場所をチェックした。
以下の場所である。
①牧場へ行こう、栃木県・那須・千本松牧場
②大島一周とリス村
③洞窟探検、神奈川・田谷の洞窟
④東京下町路線バスの旅
⑤バカンス行っちゃう!?横浜鶴見沖縄ストリート
⑥花見だ花見、伊豆河津
⑦富士の樹海でケイビング
・・・どう?


「ひまわりっ」(13)東村アキコ

2010年02月27日 11時07分07秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「ひまわりっ」(13)東村アキコ(講談社)

これが最終刊。
最初、直ぐ終わるのかな、と思っていたけど13巻まで続いた。
途中で、新キャラ・ウィング関さんも登場。
(ウィング=羽、即ち、関+羽=関羽、三国志同人のカリスマ)
憎まれ役・節子もよく頑張った。
最終刊では「ポーの一族」のパロディもあり、萩尾先生も「登場」する!
いったい、リアルなのかシュールなのか、よく解らない作品だけどエネルギーを感じる。
聞くところによると、すごく「ネーム」が早く、筆入れも一気、とか。
他にもたくさん連載を持っておられるが、私が一番好きなのは「きせかえユカちゃん」。
なかなか新しい単行本が出ない。
待っているのに。
ところで、ギャク、ナンセンスが多い、東村アキコ作品だけど、
シリアスものも上手い。
「ゑびす銀座天国」なんてロードムービーみたい。