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毎秒1800万手

2012年01月16日 | Weblog

コンピュータは、毎秒1800万手を読むという。30秒将棋だと5億4千万手になる。

で、何を考えているのだというと、基本的に人間と同じで、自分がこうやったら、相手がこうきて、自分がこうやる・・・・といった感じだろう。あーやる、こーくるが、仮りにそれぞれ10の選択肢があるとすると、あーやって(10種)、こーきて(10種)、こーやる(10種)の3手読みは、10×10×10=1000の局面を読むことになる。10×10×10×10×10×10×10×10×10=1億だから、この仮定で9手先を読むには1億の局面を読むことになる。 

終盤の詰み探索モードは、この調子で調べていく。あーやってで、王手がかかる手を全部書き出し、こーきてで、それぞれの「あーやって」について相手が王手から逃げる手を全部書き出して・・・というように先読みして詰みを探していく。王手の選択肢が少ないほど深く先読みするのだろうが、設定時間内に読みきれない場合は詰みはないと判断する。しかし一旦詰み筋を見つけると間違うことはない。

中盤は、この調子で全て読んでいってはコンピュータといっても時間が足りないので、例えば良さそうな手から読んで、さっき読んだ手より今読んでいる手の筋の方が悪そうだと判断するとその筋は深読みを打ち切って、次の手の読みにかかる・・・という省力化を行う。局面をどのように評価するかというのがキモである。人間はここらを片っ端から読むという馬鹿なことはせず、経験や直感でいくつかの候補手をピックアップする。毎秒1800万手を読まなくても人間はできてしまうのである。しかし、人間は、悪そうだけど実際に読んでみるとけっこういけるかもという筋を最初から捨ててしまう危険性があったりする。そこが面白いところだが、コンピュータはそこをついたりするのである。

 


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