ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「イングロリアス・バスターズ」

2009-11-29 17:03:09 | Weblog
                      「イングロリアス・バスターズ」

監督・脚本 クエンティン・タランティーノ

多少の中だるみはあったものの、ラストでそのうっぷんを思う存分晴らしてくれました!!

ネタバレあります・・!

あらすじ・・・。
1941年、数え切れないほどのユダヤ人を捕らえて虐殺してきた“ユダヤ・ハンター”の異名を取るハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)は、
ある民家の床下に隠れていたユダヤ人一家を銃撃して殺した・・!

が、一人だけ銃撃を逃れた娘、ショシャナ(メラニー・ロラン)は、泥まみれになりながら、辛くも走って逃げたのであった・・。

一方、ヒトラーは近頃、ある事に苛立っていた。それは、「イングロリアス・バスターズ」という連合軍の極秘部隊の存在だった。
彼らはフランスに潜入し、ナチを殺しては頭の皮を剥いで持ち去っていた。
彼らのボス、アルド・レイン(ブラッド・ピット)曰く「ナチの頭の皮、ひとり100枚持って来い!」

そして1944年・・・。ショシャナは“エマニュエル・ミミュー”と名を変え、映画館の館主として辛くもナチを欺いていた・・。

そんな折、ドイツの国粋映画「国家の誇り」のプレミア上映会が、ひょんなことからショシャナの映画館で行われることになった・・!!

ショシャナは一計を案じた・・!この上映会にはナチのお偉方、そしてヒトラーも来る・・。
上映中に、劇場もろともナチの中枢を焼いてしまおう・・!
当時の映画用フィルムは、爆発的な燃焼力を持っていた・・。それを使って・・・!!

一方「イングロリアス・バスターズ」も、そのプレミア上映会の情報を入手!!
“ナチの中枢”そしてヒトラーを狙って、女優ハマーシュマルク(ダイアン・クルーガー)の友人のイタリア人と称して、レイン達は劇場に潜入した・・・!!

この作品は、典型的な“復讐劇”なのですが、その舞台を第二次大戦にして、ユダヤ系の娘が悪漢ナチに復讐するという非常に解りやすく、かつ斬新な切り口で描かれていますな。

さらにそこに、ブラッド・ピット演ずるレイン達「イングロリアス・バスターズ」が絡んできて、へたをするとぐちゃぐちゃにこんがらがっちゃいがちなところを、
本編では第1章、第2章、第3章・・・という具合に整理整頓(笑)してあるので、大変解りやすく、楽しむことが出来ました(^^♪!

中盤ややアクション・シーンや銃撃戦などが、なりをひそめるので、「このまま終わったらどうしよ~・・」と心配になってきましたが、
ラストの劇場でのシーンで、「そうこなくっちゃ!!」と我が意を得たりといった爽快感でした(^^♪!!

この映画のもう一つの魅力は、「かつての第二次大戦映画のようにドイツ兵が英語でしゃべったり」しないことなんですな!!
つまり、そのキャラクターが話すべき言語で話しているんです!

フランス人は普段はフランス語で・・しかしナチとコミュニケーションをとる必要があるときには、フランス訛りの英語で・・・そのとき床下に隠れていたユダヤ人家族はその英語が解らないので・・・。
という風に、当たり前のことなんですが、ハリウッドの監督たちはほとんど避けてきたやり方(米国アカデミー賞は、英語をメインの言語とした作品だけが対象となるので、そのせいもあるのでしょう)
を、タランティーノ監督は見事にやってのけました。

そのお陰もあって、史実にはのっとっていないにもかかわらず、とてもリアリティのある映画が出来上がったのですな。

今回タランティーノ監督が選んだ音楽は、エンニオ・モリコーネ作曲のマカロニ・ウェスタン物が随所に登場し、「フランスは一応ラテン系だからいいのか・・」などという屁理屈など吹き飛んでしまうパンチ力を映画に与えています。
その他にも“ここ一番”で流れるロック・サウンドは鳥肌ものですな!

撮影前、タランティーノ監督は、女優ハマーシュマルク役をなんと、ナスターシャ・キンスキーに出演依頼していたというではあ~りませんか!
私的にはナスターシャ・キンスキーのハマーシュマルクを是非観てみたかったです。


え~、個人的には、ショシャナ役を演じたメラニー・ロランの魅力にノックアウトされてしまいました(゜o゜)
映写室で赤いチークを入れるシーンは凛としてカッコイイっす(^^♪!
思わず普段買わないパンフレットを買ってしまひました・・・


ひきばっち的満足度★★★★











「ぐるりのこと」

2009-11-26 16:35:12 | Weblog
                             「ぐるりのこと」

木村多江繋がりで・・・こんな話題作まだ観てなかったなんて・・・なんとなく題名が苦手だったので・・。でも勇気を出してDVD観てみました!

翔子(木村多江)とカナオ(リリー・フランキー)という一組の夫婦の物語ですな。
まるでこの夫婦の1993年から2003年までの10年間の記録をフィルムに収め、丁寧に編集したかの如く、すごく自然体な二人の演技に見入ってしまいました・・。

ストーリー冒頭でお腹の赤ちゃんをなでて、幸せそうにしていた翔子・・。
翌年のシーンでは、お子さんの位牌が・・。
これをきっかけに、翔子はうつになってゆきます・・。心療内科にも通い、投薬治療を受けるようになります。

この辺りの翔子の心の微妙な動きを、木村がとても繊細な演技で表現していて秀逸だと思います。
橋口亮輔監督もご自身がうつ病になり、そこから復活されたという体験が、女優木村に対して、そしてそれを受けとめる側のフランキー氏への細やかな演出につながったのでしょう・・。

翔子がリビングで泣き崩れるシーンは、すごく長回しで、軽く6,7分は超えると思いますが、主演2人の力量がいかんなく発揮されたシーンだと思いますな・・!

ストーリーにはもう一つの側面があり、法廷画家であるカナオの目を通して映し出されるその時代、時代の大きな事件の裁判のシーンがあるのです。

連続幼女誘拐殺人事件・・地下鉄毒薬事件・・小学校児童殺傷事件・・。

これらの事件の裁判のシーンが、かなりリアルにインサートされてくるのです。
これは、時間の流れを観たものに感じさせる効果が一つあると思います。が、それだけでなく、おそらく橋口監督はこの時代・・バブルが崩壊し、このような事件が起きた1993年からの10年間の日本(または世界)を、この映画を観る者に再認識してもらおうという狙いを持って、あえてこういうシーンを入れてきたように、私には感じられます。

しかし、木村多江という女優さんは、「ゼロの焦点」で演じた垢抜けない受付の女から、この作品の翔子、そして「電車男」で演じたどことなく洗練された女性まで、役の振り幅が大きいっすな(^^♪!

個人的なイメージとしては、夏目雅子の遺志を継いで、是非「西遊記」の玄奘三蔵の役を、いつかやって欲しいなぁ~・・・いや、マジで・・・!


ひきばっち的満足度★★★☆




「ゼロの焦点」

2009-11-22 02:09:47 | Weblog
                              「ゼロの焦点」

原作 松本清張「ゼロの焦点」
監督 犬童一心
脚本 犬童一心・中園健司

広末涼子・中谷美紀・木村多江、アカデミー賞女優三人が共演するミステリー大作であります!

この作品は、本を映画化した場合に避けられない事でありますが、原作を読んだことがある人と、そうでない人で、かなり感想が違ってくると思いますな・・。

ネタバレあります!!あえてストーリーの核心に触れた部分がありますのでご注意ください!

私は原作をかなり以前に読んだことがありました。
なので、ゼロの焦点映画化の話を聞いた時に、「終盤からラストをどうやって脚色もしくは変えてくるのだろう」「あの北陸の雰囲気をはたしてうまく出せるだろうか」と、非常に楽しみに、かつ一抹の不安を抱いていました・・。

主人公、板根禎子役を広末涼子さんが演じると聞いて、多少の違和感はつきものですから、「頑張って欲しいな」と期待半分、不安半分・・。

いざ、上映開始。不安的中(笑)

やはり、広末涼子さんにはこの役は荷が重すぎましたかな・・。
彼女は声が高い。それに童顔です。
現代劇には向いているのかもしれませんが、昭和30年代を舞台にしたこのような重厚なミステリーには、正直いってちょっとキビシイかなぁ・・。まぁ、少なくとも、私が思い描いていた“板根禎子”像とは異なっていましたな・・。

物語りの舞台は昭和30年代・・。板根禎子(広末涼子)はお見合いで出会った10歳年上の鵜原憲一(西島秀俊)と結婚した・・。
憲一はある広告代理店の金沢出張所に勤務しているが、この結婚を機に、東京本社へ異動になる予定だった。
しかし、結婚して間もなく、金沢へ残務整理に行ったまま、憲一の行方が判らなくなった・・。
禎子は単身、初冬の北陸、金沢へ向かった・・。

異郷の地、金沢で憲一を探す禎子を待ち受けていたのは、謎の連続殺人事件だった・・。
憲一の兄・宗太郎(杉本哲太)と、憲一の後任である本多良雄(野間口徹)が殺されたのだ。
宗太郎は毒殺、本多は刺殺であった。

殺害現場で目撃された“赤いコートの女”。スラング混じりの英語を話す受付の女・・。“曾根益三郎”という男の遺書・・。
ウイスキーに混ぜられた“毒薬”・・。煉瓦会社の社長・・。その妻・・。
陰鬱とした北陸を舞台に起きた連続殺人の真犯人は?その真相は・・・?


とまぁ、こんな感じなのですが・・。

観終わって、まず、脚本が弱いっす!演出力にも疑問が残りました・・。
この原作が書かれたのは昭和33年ですから、当時としては凄いミステリーで、この小説が口火となって、現在まで至る「ミステリー小説」の流れが出来上がったほどでしょう。
しかし、この映画を観るのは、平成21年の人々なのです。

当然、原作通りでは通用しませんし、この映画のような中途半端なストーリーの改変では・・。お客さんはテレビの「○○サスペンス劇場」や、劇場で公開されるミステリー物などをいつでも観れるし、実際に観ている方も多いでしょう。

そういう観客を唸らせるには、あのストーリー展開(特に後半部分)では弱いですよ。
いまどき、わざわざ真っ赤なコート着て、包丁で一刺しもないでしょう。
さらに、刺し殺したのなら、死体はそのままにしないでしょう。どこかへ隠すとかするでしょう。
リアリティが無いんですね・・。

さらに、犯人はわざと赤いコートを○○に着せて、車を止め、殺そうとしますが、
そんな計画的で用意周到な殺人犯が、○○の涙のセリフを聞いて急にうろたえるでしょうか??何か不自然なんですな・・。

さらに、ラスト近くで、禎子に平手打ちされた佐知子は、車に乗って走り去って、その後が全く描かれていません。どこ行っちゃったの?どうなっちゃったの・・?

という間に映画は終わってしまいます・・。消化不良・・(T_T)/~~。

それぞれの俳優さんは素晴らしい演技だったと思いますよ。

特に中谷美紀は圧巻でした!彼女のお陰でこの作品が瓦解せずにあるという感じでしたね。

音楽もとても良かったですね。
こういう、良作になり得る要素があっただけに、残念だったです。

戦争で全てを失い、唯一残った弟のために、生きるために、アメリカ兵相手の娼婦になった・・。
その苦渋に満ちた過去を断ち切るために・・・。
という部分を、もっと丁寧に描いてほしかった・・。

「砂の器」の真似をしろという訳ではありませんが、焼け野原で防空頭巾を被った
佐知子が、弟に「今日からあたしがお父さん。・・で、今日からあたしがお母さん」というシーンから立川での暮らしのシーンを、何十倍にも膨らませてほしかったっすね(その方が殺人の動機づけともなる)。

まぁしかし、人は好きずき、○井は月々と申しまして、
一緒に観た連れは「非常に楽しめた!」と申しておりました・・。

というわけで、

ひきばっち的満足度★★☆


11月23日加筆、訂正。


















 

「笑う警官」

2009-11-17 02:23:11 | Weblog
                               「笑う警官」

ユナイテッドシネマ豊島園にて。
ポイントが貯まっていたので、無料で観れました(^^♪。
この作品、脚本・監督が角川春樹御大なので、いやな予感が、というか観る前から諦めの境地みたいになっていたんですが・・。

観始めたらやはり予感的中・・演出してないのか、しすぎたのか、役者さんセリフ
棒読み・・。アフレコは浮いてずれまくってるし・・厳しいなぁ・・と思って観てました(T_T)。

ところがですねぇ、主人公・佐伯刑事を演ずる大森南朋がイイんですよ!!
他がダメでも、この大森さん1人でこの映画を引っ張ってくれるんですよ(^^♪。
私は「ハゲタカ」未見なので、初めてこの俳優さん見たのですが、オーラがハード・ボイルドなんですねぇ・・!

そのうちに小島刑事役の松雪泰子もいい感じでストーリーに絡んできて、期待しなかった分、結構引き込まれましたね。

ストーリー的には、これが非常に複雑でして、二転、三転するのですが、
出だしだけおおまかに書くと、
北海道警が組織ぐるみで「裏金」を作って、道警のトップが着服していたという疑惑がマスコミで報じられるんですな。

道警本部は当然否定するのですが、その真偽を確かめるために、議会で「百条委員会」なるものを開き、現職警官が証言台に立つことになったのです・・。

その証言台に立つ予定の警官が津久井(宮迫博之)なんですねぇ!
超重要人物に宮迫をキャスティングした角川は凄い(笑)!!
宮迫は演技上手ですけどね・・なんちゅうか、もちょっと痩せてから出てほしかったですな。

それはさておき、その委員会が開かれる直前に、札幌市内のアパートで現職の女性警官殺害事件が起きるのです。
道警は以前この女性と交際していた津久井を犯人と断定し、見つけ出したら即射殺せよと、特殊犯捜査係・SITをも動員してきます。

津久井と親友の佐伯を筆頭に、「この殺人事件には他に真犯人がいる。津久井を射殺させるな!」という思いの五人の刑事が、タイムリミット15時間内に裏からこの謎に挑むのであります・・。

いやー、ツッこみ所はいくらでもあるんですが、原作がしっかりしているからか(未読ですm(__)m)最後までそれなりに楽しめましたね~!

大島ミチルさんが担当した音楽が結構いいんですよ。主人公がサックス吹くのは演出過多だと思いますが、劇中の音楽は「野獣死すべし」を彷彿とさせるようなジャジーな雰囲気で個人的には好きですね。

なにせ私なぞは角川映画で育った人間なので、この作品も、どことなく懐かしく感じてしまうわけですな・・。


ひきばっち的満足度★★★☆






「沈まぬ太陽」

2009-11-14 13:38:44 | Weblog
                              「沈まぬ太陽」

新宿ピカデリーにて。
途中に休憩が入る長編と聞いていたので、なかなか観る勇気(?)がなかったが、丁度新宿での用事が早く終わったので、映画館へ飛び込んだ。

3時間20分・・あっという間だった。
途中に休憩が入ってリセット出来たせいもあるが、ぎゅぎゅっと凝縮されたストーリーに終始引き付けられた。

私はあまり本を読まない(自慢にもなりませんねm(__)m)ので、この映画の同名の原作(山崎豊子著)も読んだことはないのだが、
観終わって、よくこれほどまでの映画化が出来たものだと、驚きました!
是非、原作も読んでみたいと思いましたよ。

ストーリーは色々な所で語られているので、大まかにしか書きませんが、
舞台となる「企業」は日本の国際線の筆頭である「国民航空」。
1960年代に劣悪な労働状況を変革しようとした労働組合の組合長・恩地元(渡辺謙)は、差別人事に遭い、カラチ(パキスタン)、テヘラン(イラン)、ナイロビ(ケニア)と9年間に渡る海外勤務を過ごすことになる・・。

その間に、かつては副組合長として共に闘った行天(三浦友和)は会社側に傾き、出世の道を歩んでいた・・。
やっとの思いで日本に戻って来た恩地であったが、かつて労組で共に闘った連中は、みな酷い差別人事に遭っていた・・。
そんな時、あの事故が起きた。
羽田発大阪行き国民航空ジャンボ・ジェット123便が群馬県御巣鷹山に墜落したのである・・。


この映画は、冒頭間もなく123便の墜落事故に時系列が移る。
そして恩地が海外で勤める9年間の間にも、この事故に関する場面がインサートされるのである。

この編集方法によって、ストーリーの向かう先に待ち受けている厳然たる事実を、観る者に常に意識させるのである。

この作品は、恩地元という一人の男が、どんな苦境に立たされても、屈することなく自らが属する“企業”と闘い、第一義を貫かんとするその生き様をメイン・テーマにしていることは明らかであろう。

しかし、恩地の生き様だけであれば、「国民航空」という企業でなくてもよかったはずである。
この映画には、後に遺族係として御遺族と直接関わる恩地の姿と、もしかしたら防げたかもしれない「事故」の背景を描く事が、本当のテーマとしてあったのであろう。
そうでなければ、「御巣鷹山」という地名を使った意味が無いと、私は思います。

この映画の製作に携わった全ての方々に敬意を表します・・。

原作 山崎豊子「沈まぬ太陽」

監督 若松節朗

脚本 西岡琢也

出演 渡辺 謙 三浦友和 石坂浩二 松雪泰子 鈴木京香 草笛光子 松下奈緒
   香川照之 加藤 剛 小林稔侍 宇津井健 木村多江 清水美沙 鶴田真由
   神山 繁 西村雅彦 大杉 漣 山田辰夫 柴 俊夫 小野武彦 菅田 俊
   他

ひきばっち的満足度★★★★☆





「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」

2009-11-09 03:47:24 | Weblog
                   「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」

2009年6月25日に急逝した“KING OF POP”マイケル・ジャクソンの、夏にロンドンで開催されるはずだったコンサート“THIS IS IT”・・。

このコンサートの4月~6月までのリハーサルや舞台裏の映像を編集し、まるでコンサートを体感しているような映画「THIS IS IT」が出来上がった・・!

監督はロンドン公演でのステージ監督だったケニー・オルテガである。

私は豊島園のシネコンでこの映画を観たが、始まってすぐ気付いたのだが、座る座席を完全にミスチョイスしてしまった・・!

いつものクセで後ろのほうの端っこの席を選んでしまった・・!

この映画は、映画という名のついた「コンサート」だったのだ・・!

当然、音のS席、中央やや後ろに陣取るべきだった。
この作品のテーマは「ミュージック&エンターテインメント」である。私の席と、音のS席とでは、受ける感動に雲泥の差がある・・(T_T)/~~。

まぁ、そげな事言っても始まらんけん、観よったですたい(どこの方言じゃ?)

次々と曲に細かいチェックを入れるマイケル・・。こだわりますねぇ~。
それに対応できるバックミュージシャンがすごいですわな。超一流ってやつですよ!

私は個人的にはマイケル・ジャクソンはあまり詳しくないっちゅうか、正直1枚もCD持っとらんのですが、
マイケルは元々モータウンですから、曲的にはポップなのが多いですな。

しかし、「ビリー・ジーン」だけはビリビリ来ましたぜ!!この曲はロックであり、ファンキーでもある名曲ですな!!

それと、凄腕の女性ギタリストが登場しましたね!
彼女の名は、オリアンティ。オーストラリア出身の弱冠24才であります!
6才からギターを弾いてるそうでやんすよ・・・!

こうして改めてマイケル・ジャクソンのパフォーマンスを見て、歌を聴くと、「コンサートに行けばよかったなぁ・・。」
と、今になって思う私でした・・・。

マイケル、お疲れ様でした・・・。

P.S.上映期間中にもう一度、いい席で観てきます!!


ひきばっち的満足度★★★★

「レスラー」

2009-11-07 05:31:37 | Weblog
                               「レスラー」

池袋・新文芸坐にて。

6月の封切り時に見逃してしまっていたのですが、今回新文芸坐でリバイバル上映されたので、観に行ってきました。

お帰りなさい、ミッキー・ロークという感じですな。

ネタバレになりますが、ストーリーは至ってシンプルで、かつて絶大な人気を誇ったプロレスラー、ランディ“ザ・ラム”(ミッキー・ローク)も今では50才を越え、スーパーマーケットで働きながら、週末だけリングに立つ過去の人になってしまっていた・・。

心の依り所は、酒場で働くストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)だけであった・・。

或る時、ランディは試合後に意識不明に陥る・・。
若い頃からのステロイドの過剰摂取が心臓に発作を起こしたのだ。

心臓のバイパス手術を受けたランディは、引退を決意し、キャシディの勧めもあって、長い間会っていない娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に会いに行く・・。

しかし、その父娘の絆が儚く散った時、ランディは自分の居るべき場所に気付くのだった・・。

この作品で見るミッキー・ロークのマッシブな体はハンパではありません・・!
あの「ネコパンチ」の頃と同一人物とは思えません・・。相当なトレーニングとビルドアップをしたのだと思います。

リングでのファイト・シーンも、8割方本人がやっているように見受けられます。

この映画の素敵なところは、ロートルのプロレスラーの悲哀を題材としていながらも、終始一貫してカラッとしているところなんですね!
劇中にも出てきましたが、まさにロックン・ロールなんですよ!!
オープニングで流れる80'sロックで、あぁ、もうやらんちったな、カッコイイな!と思ってしまいましたから・・(^^♪!!


そしてさらにドラマを感じるのは、主人公ランディの生き様と、ミッキー・ロークのそれとがオーヴァー・ラップするんですね・・。
時を遡れば、「ロッキー」とシルベスター・スタローンがそうでした。

この「レスラー」は別として、私はミッキー・ロークの出演作では「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」が大好きですね!
ジョン・ローンとの対決、また見直して観たいです・・!

本作「レスラー」は、ヴェネチア映画祭の金獅子賞をはじめ、世界中で数々の賞に輝きました。

ミッキー・ローク、これからが楽しみです・・。


ひきばっち的満足度★★★☆







「母なる証明」

2009-11-06 03:21:27 | Weblog
                              「母なる証明」

新宿バルト9にて。

平日の昼間だというのに、何であんなに混んでいたのでせうか・・・?

13時の上映に余裕で間に合ったのに、座席がほぼ満席・・(T_T)。

最前列はイヤだったので、しぶしぶ次の回の座席を予約・・。

おそらくこの混み具合は、「This Is It」の波及効果だと思われますな。
しかたなく新宿をぶらついた私でした・・。

それはさておき、「母なる証明」。韓国映画であります。

「チェイサー」といい、最近の韓国映画、あなどれないっすからねー!

監督は「殺人の追憶」「グエムルー漢江の怪物ー」のポン・ジュノ。

キム・ヘジャ演ずるこの映画の主人公には“役名”がありません。
「母」とか「かあさん」と呼ばれるのであります。

その「母」の一人息子で、子供の心のまま大人になった青年トジュンをウォンビンが、そしてその友人で少々不良っぽい青年ジンテをチン・グが演じています。

少々ネタバレ・・。
韓国のとある地方の町・・。
漢方薬局で働く母と一人息子のトジュンは、裕福とはいえないが、それなりに平凡な日々を送っていた・・。

こののんびりとした平和な町で、ある日、女子高生殺人事件が起きる・・・!
そしてなんと、警察の車がやって来て、トジュンを容疑者として連行して行ったのである!
殺人現場から、トジュンの所有物と見られるゴルフボールが見つかったのだ・・!

たしかにトジュンは犯行があった夜、ひどく酩酊して犯行現場を通りかかり、歩いていた被害者に話しかけたが、そのまま家へ帰って来たのである・・!

警察も弁護士も、誰も当てにならないと知った母は、自らの手で真犯人を捕らえ、トジュンの無実を証明するために一人立ち上がる・・・!
        
観終わって・・・凄いっす。細かいところで解らない箇所が幾つかあったものの、
私の田舎の言葉で言えば、「やらんちゃったね」という感じですな・・。

ストーリーが進んでゆくなかに、ラストに繋がる伏線が散りばめられているのですよ・・。
キム・ヘジャ演じる母親が艱難辛苦の末、辿り着く結末・・。

サスペンスとしては、非常によく出来ていると思います。
舞台になった町も、ソウルとは違いどこかうら寂しい感じで、ストーリーに独特の質感を与えていました・・。

ただ一つ看過できない問題がこの作品にはあります。
この物語の中に出てくるトジュンは、知的障害という設定だと思いますが、その事がこのストーリーの核心部分に関係してくるのです。
私は正直の所、非常に心にひっかかりました・・。


ひきばっち的満足度★★★★




「カムイ外伝」

2009-11-04 04:25:13 | Weblog
                              「カムイ外伝」

何度か都合が合わずに観れなかった本作をやっと観て参りました!

白土三平の言わずもがなの傑作コミックの映画版であります・・。

監督は、「月はどっちに出ている」「血と骨」の崔洋一。

少々ネタバレ・・・。
徳川の時代、主人公カムイ(松山ケンイチ)はの子として生まれ、いわれのない差別と貧しさの中で育ちます・・。
貧しさ故に忍になり、しかし忍の理不尽な殺戮の掟に嫌気がさして抜け忍となります・・。
忍を抜けるとは「死」を意味する・・。カムイは追忍の手からひたすら逃げ続けます・・。

ある時カムイは、半兵衛(小林薫)という漁師を助けたのがきっかけで、半兵衛の住む島の集落に住むことになります・・。
しかし、半兵衛の女房、お鹿(小雪)は、カムイより先に抜け忍になった九の一、スガルであった・・!
      
この映画は1965年に生まれた「カムイ外伝」の「スガルの島」編を描いています。

私は何ヶ月か前、「カムイ外伝」が映画化されると知り、その予告編を見て鳥肌が立ったのを憶えています・・。
「すごい映画になるぞ!!」と一人興奮していました。

しかし、いざ封切りになって、あまり良い風評が聞こえて来ないので、観るのをためらってしまいました・・。
あの「カムイ外伝」が不評だなんて・・(T_T)。

いざ観てみると、なるほど、不評なのも頷けますな。

決定的な問題として、この種の映画として最低越えなければならないCGのレベルがあまりにも低いんですな・・!チャチといってもいいくらい!

これでは、いくらストーリーが良くても、役者さんたちが頑張っても、観ている側は感情移入する以前の問題なのですな・・。

お金が足りなかったのか、スタッフ(特にCGを担当する部門)の力量不足なのか・・。

正直のところそれ以外、大きな問題は見受けられない(細かい所は色々有るにせよ)のですな。

俳優さんたちはとても良かったと思いますよ。カムイ役の松山ケンイチは出色の出来でしたし、スガル役の小雪も、半兵衛役の小林薫もイイ味を出していたと思います。
私はこの映画で初めて知った女優さんですが、サヤカ役の大後寿々花などは、この映画のストーリーを引き締めるような名演でした!
松山藩藩主を演じた佐藤浩市のハジケた悪役ぶりも小気味良かったです!

ですので、「カムイ外伝」がこの1作で終わってしまうのは、もったいない気がします・・。

是非、CGのレベルを上げて、(個人的には雨中の格闘シーンも欲しかったですね。ほとんどピーカンでしたので)続編を作って欲しいと思います・・。


ひきばっち的満足度★★★






「わたし出すわ」

2009-11-02 22:36:55 | Weblog
                             「わたし出すわ」

森田芳光監督作品。森田氏にとっては(ハル)以来13年ぶりの自身による“オリジナル脚本”の作品であります。

題名の「わたし出すわ」。岡村孝子ファンである私は聞いた瞬間「パクったな」と思いましたが、あみんの「待つわ」のサビですな(^^♪!

この映画の舞台は函館であります。

少々ネタバレを・・。

東京から故郷へ戻ってきた摩耶(小雪)は、高校時代の友人に会いに行きます・・。
市電の運転手をしている道上(井坂俊哉)、社会人マラソン・ランナーの川上(山中崇)、専業主婦のさくら(小池栄子)、研究者の保利(小沢征悦)、そして玉の輿に乗ったはいいが、旦那が急死して一文無しになったサキ(黒谷友香)・・。

摩耶はそれぞれの友人の夢や人生のために、「わたしが出してあげる」と言って、大金を与えてゆきます・・。

お金は、それぞれの人生を少しずつ変えてゆきます・・。

お金を得ることによって、友人たちの行く末が分かれてゆくのです・・。


ストーリー的にはこんな感じなのですが、森田監督はおそらく“お金に使われてはいけないですよ、お金を使うのは人間なのですから”の、ような(しゃれじゃないよ)ことをこの作品で伝えたかったのだろうと思ひます。

メッセージとしては伝わってくるのですが、映画として、面白くないんですよ・・。
もしかして監督、「この映画は当たらなくてもいい」と思っているかのような単調で地味な作品です。
音楽も(エンドロールの歌は別として)劇中ではほとんど使われていません(使いすぎよりはいいですが)。

唯一、道上の妻のかえで(小山田サユリ)がホスト中毒になってしまう件はドラマティックではありましたが・・。

「キッチン」「それから」「39刑法第三十九条」「黒い家」などは、森田監督の作品で私の大好きな映画なので、この作品も期待したのですが・・。

今回は少し、肩透かしを喰ったかな・・・という感じでした・・。

ひきばっち的満足度★★☆