ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「イングロリアス・バスターズ」

2009-11-29 17:03:09 | Weblog
                      「イングロリアス・バスターズ」

監督・脚本 クエンティン・タランティーノ

多少の中だるみはあったものの、ラストでそのうっぷんを思う存分晴らしてくれました!!

ネタバレあります・・!

あらすじ・・・。
1941年、数え切れないほどのユダヤ人を捕らえて虐殺してきた“ユダヤ・ハンター”の異名を取るハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)は、
ある民家の床下に隠れていたユダヤ人一家を銃撃して殺した・・!

が、一人だけ銃撃を逃れた娘、ショシャナ(メラニー・ロラン)は、泥まみれになりながら、辛くも走って逃げたのであった・・。

一方、ヒトラーは近頃、ある事に苛立っていた。それは、「イングロリアス・バスターズ」という連合軍の極秘部隊の存在だった。
彼らはフランスに潜入し、ナチを殺しては頭の皮を剥いで持ち去っていた。
彼らのボス、アルド・レイン(ブラッド・ピット)曰く「ナチの頭の皮、ひとり100枚持って来い!」

そして1944年・・・。ショシャナは“エマニュエル・ミミュー”と名を変え、映画館の館主として辛くもナチを欺いていた・・。

そんな折、ドイツの国粋映画「国家の誇り」のプレミア上映会が、ひょんなことからショシャナの映画館で行われることになった・・!!

ショシャナは一計を案じた・・!この上映会にはナチのお偉方、そしてヒトラーも来る・・。
上映中に、劇場もろともナチの中枢を焼いてしまおう・・!
当時の映画用フィルムは、爆発的な燃焼力を持っていた・・。それを使って・・・!!

一方「イングロリアス・バスターズ」も、そのプレミア上映会の情報を入手!!
“ナチの中枢”そしてヒトラーを狙って、女優ハマーシュマルク(ダイアン・クルーガー)の友人のイタリア人と称して、レイン達は劇場に潜入した・・・!!

この作品は、典型的な“復讐劇”なのですが、その舞台を第二次大戦にして、ユダヤ系の娘が悪漢ナチに復讐するという非常に解りやすく、かつ斬新な切り口で描かれていますな。

さらにそこに、ブラッド・ピット演ずるレイン達「イングロリアス・バスターズ」が絡んできて、へたをするとぐちゃぐちゃにこんがらがっちゃいがちなところを、
本編では第1章、第2章、第3章・・・という具合に整理整頓(笑)してあるので、大変解りやすく、楽しむことが出来ました(^^♪!

中盤ややアクション・シーンや銃撃戦などが、なりをひそめるので、「このまま終わったらどうしよ~・・」と心配になってきましたが、
ラストの劇場でのシーンで、「そうこなくっちゃ!!」と我が意を得たりといった爽快感でした(^^♪!!

この映画のもう一つの魅力は、「かつての第二次大戦映画のようにドイツ兵が英語でしゃべったり」しないことなんですな!!
つまり、そのキャラクターが話すべき言語で話しているんです!

フランス人は普段はフランス語で・・しかしナチとコミュニケーションをとる必要があるときには、フランス訛りの英語で・・・そのとき床下に隠れていたユダヤ人家族はその英語が解らないので・・・。
という風に、当たり前のことなんですが、ハリウッドの監督たちはほとんど避けてきたやり方(米国アカデミー賞は、英語をメインの言語とした作品だけが対象となるので、そのせいもあるのでしょう)
を、タランティーノ監督は見事にやってのけました。

そのお陰もあって、史実にはのっとっていないにもかかわらず、とてもリアリティのある映画が出来上がったのですな。

今回タランティーノ監督が選んだ音楽は、エンニオ・モリコーネ作曲のマカロニ・ウェスタン物が随所に登場し、「フランスは一応ラテン系だからいいのか・・」などという屁理屈など吹き飛んでしまうパンチ力を映画に与えています。
その他にも“ここ一番”で流れるロック・サウンドは鳥肌ものですな!

撮影前、タランティーノ監督は、女優ハマーシュマルク役をなんと、ナスターシャ・キンスキーに出演依頼していたというではあ~りませんか!
私的にはナスターシャ・キンスキーのハマーシュマルクを是非観てみたかったです。


え~、個人的には、ショシャナ役を演じたメラニー・ロランの魅力にノックアウトされてしまいました(゜o゜)
映写室で赤いチークを入れるシーンは凛としてカッコイイっす(^^♪!
思わず普段買わないパンフレットを買ってしまひました・・・


ひきばっち的満足度★★★★