ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「007/慰めの報酬」

2009-01-31 18:43:26 | Weblog
                          007/慰めの報酬
前作「カジノロワイヤル」のエンディングの数時間後が今作のオープニングとなっている。
 凄まじいカーチェイス!このオープニングで観ているものの心を鷲掴みにする!
素晴らしい開幕である。

ちょいストーリーを・・・。
前作で、愛した女ヴェスパーを殺されたボンド(ダニエル・クレイグ)は、復讐の鬼となる!
M(ジュディ・デンチ)とともに、とらえたミスターホワイト(イェスパー・クリステンセン)を追及すると、その裏にはとてつもない悪の組織が存在することが判明した・・。

ボンドは復讐のために手段を選ばない鬼と化す・・・!

ダニエル・クレイグ、カッコイイっす(^^♪!!
歴代ボンドの中でも、私的にはショーン・コネリーと並ぶくらい素敵ですね!

硬派なんですよね、クレイグのボンドは。笑顔一つ見せない。
鋼のような体で壮絶なアクションを顔色一つ変えずにこなしてゆきます!
なにやら、アクション・シーンもほとんど自分でやったという話も・・。

今回のボンド・ガール、オルガ・キュリレンコ演ずるカミーユは、幼い頃に両親と姉をメドラーノ将軍に目の前でレイプ、殺害された過去を持っています・・。

ボンドとカミーユは「復讐」という一つの共通の思いで通じ合い、立ち上がるのです・・。

アクション映画とはかくあるべし、というところを見せ付けてくれた快作でした!

監督 マーク・フォースター

出演 ダニエル・クレイグ
   オルガ・キュリレンコ
   マチュー・アマルリック
   ジュディ・デンチ
   ジェフリー・ライト
   ジェマ・アタートン     他

                        
 


読書・重松清「きみの友だち」

2009-01-29 03:09:14 | Weblog
 「青い鳥」に続いて重松清の「きみの友だち」を読んでみました。

316ページの長編ですが、10の章から成り、それぞれの章で主人公が変わります。が、必ず「和泉恵美さん」とつながりのある人のお話です。

恵美さんは小学4年生の梅雨のある日、交通事故に遭って左ひざを複雑骨折してしまいます。

それからは松葉杖が手放せない生活になりました。

事故の直前、恵美さんの傘に友だちが「いれて、いれて」とぎゅうぎゅう詰めになり、仕方なく恵美さんが、前の方を一人で歩いていた由香さんの傘に入れてもらおうとして車道に出た時に、ライトバンにはねられてしまったのです・・・。

この本に書かれている物語は、読むものに問いかけます。

「友だちたくさんいていいね」って本当なのか?と・・。

「千羽鶴」の章で西村さんは言う、「友だちって、なに・・・?」

私は思い出しました・・「本当の友達なんて、一生で1人か2人、いればそれでいいんだ・・。」という恩師の言葉を・・。

恵美さんと由香さんは、二人で「もこもこ雲」を探しながら、想い出をたくさんたくさんつくったんだと思います・・。





「博士の愛した数式」

2009-01-27 22:53:59 | Weblog
 博士の記憶は、80分しかもたない・・。

数学、中でも整数学の天才である博士(寺尾聰)は、不慮の交通事故によって記憶

に障害が残り、事故以前の記憶はあるものの、それ以降は80分しか記憶がもたな

くなってしまった・・。

そんな博士の家政婦として、杏子(深津絵里)は雇われることになった。依頼したのは博士と同じ敷地の母屋に住む義姉(浅丘ルリ子)だった。

杏子が初めて博士の住まいを訪れた時、博士は開口一番「君の靴のサイズはいくつかね?」
24ですと答えると、博士は微笑みながら「それはいい、非常にいさぎよい数字だ」杏子が??となっていると、「4の階乗だ、あがりなさい」

その日から博士と杏子と√[ルート、杏子の息子・10才](斉藤隆成)の驚きと微笑みに満ちた日々が始まった・・。

いやぁ、好きですね、こういう映画!作り手のセンスが光りますね(^^♪!

大人になり数学の先生になった√(吉岡秀隆)を物語の語り部としたことも、ストーリーを引き締めるのに効果的だったと思います。

ネーピア数や友愛数といった数学用語が出てきますが、博士が微笑みながら教えてくれるので、見ている私も博学になった気分です。

寺尾聰の博士はもちろん素敵なのですが、深津絵里がいい!!芯の強さ、女性としての美しさ、母としての優しさ。力みなく好演していますね(^^♪。
この映画の清清しさは、彼女に依るところが大きいと思いますよ!

そして何と言っても映像が美しい!夕暮れの陽が差し込む博士の部屋、桜咲く春の道・・。プロの仕事ですね・・・!

決して派手な映画ではありませんが、とても素敵な映画です。
また一本、名作に出会えた。そんな気持ちにさせてくれる作品でした・・。

原作 小川洋子「博士の愛した数式」

監督 小泉尭史

出演 寺尾聰
   深津絵里
   斉藤隆成
   吉岡秀隆
   浅丘ルリ子   他

「劇場版 カンナさん大成功です!」

2009-01-27 15:32:39 | Weblog
ユナイテッドシネマ 豊島園にて。

おはなし。
神無月カンナは幼い頃からずっと「カンナ菌」「ブタゴリラ」といじめられてきたが、ある日初めて優しい言葉をかけてくれた男性・浩介に出会う。 大感激したカンナは彼の恋人になるため、貯金をはたいて全身整形美人に生まれ変わった! 浩介の職場の受付嬢におさまったが、きれいなだけじゃダメ、美人にもランクがあることを知る…。 (象のロケットより)

そこへ、整形前に同じ縫製工場で働いていたブスのカバ子が現れる。
天然美人の奈々子を巻き込んで「カバ子改造計画」をするも上手くいかず、カバ子はいつのまにか「勘違いブス」になっていた・・・!

浩介とカンナの恋はどうなるのでしょう・・・!?

それは観てのお楽しみということで・・・。

この映画、少女漫画が原作ということで、独特のノリみたいなものがあります。
私は結構乗れました。ノッたもん勝ちでしょうね、この手の映画は。

「整形美人ですが、何か?」というキャッチフレーズがこの映画のスタンスをよく表していると思うのですが、
私は男性ですが、美容整形は有りだと思いますよ。男でも女でも。
「人間は見てくれじゃない、中身だ」なんて半分は嘘ですよ。男だって厳しいですから(T_T)/~~~
要は、見た目で限界を味わう時代は終わった、と思うわけです。

この映画のラストは、「やはり美人でも、中身が大切だよね」という感じでプライドを感じさせてくれるんですが・・中身って人間性ってことなのでしょうか・・?

とにかく、この映画の主人公「神無月カンナ」が好きな人に気に入ってもらうために一大決心をして「全身整形」を受けた勇気に拍手を贈りたいです!

しかし、田宮五郎演じるコーディネーターの仕事っぷりはすごかった・・・!
                    「劇場版 カンナさん大成功です!」

監督 井上晃一

出演 山田 優
   山崎静代
   中別府葵
   永田 彬
   柏原 崇
   浅野ゆう子
   佐藤仁美
   田宮五郎   他






「チェ・28歳の革命」

2009-01-26 06:50:09 | Weblog
ユナイテッドシネマ豊島園にて       「チェ・28歳の革命」                                                                                人の魅力というのは、時としてその国籍、主義主張を超えて感じることがあります。

私はこの映画の主人公であるエルネスト・チェ・ゲバラにそういう魅力を感じます。

この映画を見るまでは、チェ・ゲバラについて「カストロと共にキューバ革命を成し遂げた人」
くらいしか知識がなかったのですが、この映画を観た後、彼の若い頃の南米の旅の様子が垣間見れる「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見たりして、彼の実像に少しでも近づこうとしてみました。

政治的な主張や革命における主義などは別にしても、チェ・ゲバラという人は人間的に
尊敬できる人物だと思いました。

「チェ・28歳の革命」では、メキシコで出会ったカストロと意気投合し、当時軍事政権下にあったキューバに渡り、ゲリラ戦を戦い抜くわけですが、
アルゼンチンの裕福な家庭に生まれ、大学で医学を学んだ、いわゆる「富裕層」のチェが、何故危険を冒してまで他国キューバの革命に身を投じたのか・・。

その起爆剤の原点は「モーターサイクル・ダイアリーズ」の中に描かれています。

大学を休学して友人とバイクで廻った南米諸国の劣悪な政治状況とそれに伴った

人々からの搾取の現実。ペルーにあるハンセン病隔離施設の非人道的封じ込め医療など・・。

もともと正義感の強い青年エルネスト・チェ・ゲバラにとっては、どれも許しがたい
現実だったのでしょう。

普通の人間だったら、そういう現実に憤っても、すぐそれが行動に結びつくとはいえないでしょう。

チェ・ゲバラは、それらの現実を起爆剤として立ち上がり自らが先頭に立って戦ったのです。自らが喘息という爆弾を抱えながら・・。

イデオロギー云々はよくわかりませんが、同じ男として尊敬する次第です。

この映画をご覧になった方、これからご覧になられる方は「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見ておくことをお薦めします。

監督 スティーヴン・ソダーバーグ

出演 ベニチオ・デル・トロ
   デミアン・ビチル
   サンティアゴ・カブレラ
   カタリーナ・サンディノ・モレノ
   ロドリゴ・サントロ
   ジュリア・オーモンド       他
   


「大停電の夜に」

2009-01-24 21:39:07 | Weblog
DVD。
井川遥が、原田知世が、イイのである!!
クリスマス・イブの夜、東京が大停電に見舞われる・・。

不倫を清算した美寿々(井川遥)が泣きながらエレベーターに入って来た・・。
東京の高層ホテルでのことだった・・。
下へ行くエレベーターの中は、ホテルの中国人研修生冬冬(阿部力)と美寿々だけ・・・。
ぎこちない会話が続いたその時、東京を大停電が襲った・・・。

大停電のクリスマス・イブ・・・何故か、普段心の奥にしまった想いがポツ、ポツと言葉になる・・・。
 ビル・エヴァンスの「Waltz for Debby」に乗せて、12人の男女の想いが交錯する。
過去を告白する者、星を見つける少年と明日手術を受ける女の子・・・。

陣痛に耐える女性と、その人を病院に届けるべく止まった地下鉄の線路を歩く男・・・。

12人みなそれぞれが、少しずつ交わりあう東京の夜・・。

のぞみ(田畑智子)が営むキャンドル・ショップと、その向かいにあるジャズ・バー
のマスター木戸(豊川悦司)。

のぞみはガラス越しにずっと木戸に憧れていた・・。そんな想いが、大停電の夜に

キャンドルの明かりでふっと浮かび上がってくる・・。

絶妙ですねぇ~!!とにかく映像が綺麗です!!
光と影の美学とでもいうのでしょうか、本当に美しい・・。

「ブラックレイン」のころのリドリー・スコットにも似た映像美です。

スタッフで、監督のほかに、撮影監督がいらっしゃったということです。プロの仕事ですな!

冒頭に書きましたが、原田知世、井川遥がはまってるんですよ!
原田知世さんは、この映画で、一番ポイントの高い役を演じていらっしゃいますが、
素敵だし、貫禄さえ感じさせるんですよ。

井川さんも「ハマリ役」って感じで、瑞々しかったですよー!

また一つ、名作に出会えた。そんな気分にさせてくれる素敵な映画でした・・。

監督 源 孝志

撮影監督 永田鉄男

出演 豊川悦司 田口トモロヲ 原田知世 吉川晃司 寺島しのぶ 井川遥
   阿部力 本郷奏多 香椎由宇 田畑智子 淡島千景 宇津井健
                                  他




「感染列島」

2009-01-23 20:26:04 | Weblog
MAX THEATER 上越にて。

なんとこの映画館にはメンズ・デーなるものがあり(というか新潟県全体か!?)男性は1000円で鑑賞OKなのである!!

ということで旧友と誘い合わせて(いい年こいて男二人!!)行ってまいりました!

国産ウイルス・パニック物!感染列島!

昨今はCGやVFXっていうんですか、進歩に目覚しいものがあり、邦画といえどもあなどれない時代に

なってきた事はとても喜ばしい限りでありますが・・。

謎の新型ウィルスに日本が襲われます!!

1月のある日、市民病院へ一人の急患が運び込まれた。
救命救急医の松岡(妻夫木聡)が対応。
高熱、痙攣、多臓器不全。新型インフルエンザの症状に似てはいるが、何かが違う。全てのワクチンが通用せず。吐血、及び眼窩からの出血おびただしく、心停止後除細動を施すも再鼓動なく、死亡。

徐々に感染は広がっていきます。入院患者にも感染者は広まっていく。
同僚の医師・安藤(佐藤浩一)も感染。松岡の懸命の処置も空しく、死亡・・。

WHOよりメディカルオフィサー小林栄子(檀れい)が派遣されて来る。

松岡は小林と衝突しながらも、未知の感染症へ共闘の体制を模索する・・。

果たして感染爆発(パンデミック)を阻止できるか・・・!?


近い未来に起きてもおかしくないストーリーですね。

かなり期待していただけに、ちょっと残念という感じは否めないですね・・。

まず、ウィルスの原因になる南方の島の描写が、何故かイマイチ説得力がないんですよ・・。
いきなりゾンビみたいな集団が起き上がってきたり、みつけた病死体の血痕のメイクが雑だったり・・・。

それと、国仲涼子扮する看護師の発病のしかたが、あまりにも唐突で・・。
そんないきなり倒れるかい!!舞台じゃあるまいに!

この手の映画はリアリティ命ですからねぇ・・・!

それともう一点、せっかくのスペクタクルに恋愛ネタは興ざめもいいところです。

WHOから来たメディカルオフィサーが主人公の元カノ・・・ええ~~~・・!!
パニック大作なんだからそれはないでしょ~~・・・(T_T)/~~~。泣きたくなりましたよ・・。


なにやら、制作前に「感染爆発(パンデミック)を題材とした映画を作る」と、カンヌ映画祭で発表したところ、世界20数ヵ国から配給のオファーがあったそうな・・・。

「明日、地球が滅びようとも 君は今日、林檎の木を植える」

ラストの詩(マルチン・ルター)だけが妙に心に残りました・・・。

脚本・監督 瀬々敬久

出演 妻夫木聡 藤 達也 国仲涼子 池脇千鶴 カンニング竹山 三石研
   檀 れい 佐藤浩一 田中裕二(爆笑問題)金田明夫 キムラ緑子
                 
                                   他








「クライマーズ・ハイ」

2009-01-17 15:41:36 | Weblog
 1985(昭和60)年、8月12日。

日本でこの日を過ごした方のほとんどが、忘れはしないだろう。

日航ジャンボ123便が群馬県の御巣鷹山に墜落。全乗員524名中、死者520名という

単独航空機の事故としては世界最悪の大惨事となった。

今でも、生き残った方を自衛隊のヘリコプターへ救助していく映像が忘れられない。

あれから23年・・。

正直言って、「クライマーズ・ハイ」の製作発表があったとき、驚きと同時に、なんとも言いようがない「不快」な感覚をもよおした。

なるほどあくまでも「報道」という視点から捉えるということなのか。なるほど。

私ごときのケツの穴の小ささでは毛頭思いつかない。

ストーリーは、あの事故が起きてから1週間に渡る「北関東新聞社」(群馬地方紙)の壮絶な編集部の現場を、急遽全権デスクに任命された悠木(堤真一)の目を通して描いている。
 監督の撮影方法が功を奏し、見事なリアリティを出している。

原田監督は、編集部にいる「その他」の人たちにも、それぞれ新聞社にある仕事を与え、決して滞っている「エキストラ」のいない現場にしたという。お見事である。

そして随所に「登山(クライミング)」をしている悠木の映像がカットインされる。そもそも「クライマーズ・ハイ」とは、興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態を言うのだそうだ・・。

そして、佐山(堺雅人)と玉置(尾野真千子)の苦労の末、スクープとなりうる新事実が悠木の元へ届けられる・・・。

見終わって・・・。新聞社の編集部がひとたび燃え上がると・・まるでそこは戦場。。・

しかし、私的に、あの日航ジャンボのことを思い出してしまうので、あまり手放しにのめり込めず。

あの時ラジオの「オールナイト・ニッポン」のパーソナリティーだったビートたけしさんが、「今日は勘弁してよ・・」と言って休んだことを今でも憶えています・・・。

原作 横山秀夫

監督 原田眞人

出演 堤 真一
   堺 雅人
   尾野真千子
   高嶋政宏
   山崎 努
   遠藤憲一
   田口トモロヲ
   堀部圭亮
   マギー
   皆川猿時
   でんでん
   矢島健一
   野波麻帆     他


~coffee break~「青い鳥」 重松清

2009-01-12 07:09:56 | Weblog
 8つの短編から成る本です。

私は遅読なので、読書はあまり得意ではないのですが、昨年公開された映画「青い鳥」の原作ということで、頑張って読みました!

まず、表紙に「My teacher cannot speak well.So when he speaks,he says something important.」

と、書いてあります。この本に登場する村内先生は吃音(昔で言うどもり)で、上手く話せません。特にカ行とタ行と濁音で始まる言葉は苦手です。

だから、村内先生が話す時は、大切なことしか言いません・・。

8話すべてに、村内先生が登場します。といっても、いわゆる「金八先生」的に表舞台で活躍するわけではありません。

ポイント、ポイントで必要最小限の発言をするのです。どもりながら・・。

村内先生は、どのお話でも、臨時代用教員として登場します。そして風のように、清清しさを残して去ってゆきます・・。

先生は言います「ひとりぼっちは、いやだなあ。でも、ひとりぼっちが二人いれば、それはもう、ひとりぼっちじゃないんじゃないか、って思うんだよなぁ・・。
僕は、一人ぼっちの子のそばにいる、もう一人の、ひとりぼっちになりたいんだ。
だから、先生は、先生をやっているんだ」

この本の著者、重松清さん自身も吃音をお持ちであるという話を耳にしたことがあるのですが、

村内先生が吃音であるという設定をもたせることによって、先生の言葉が読んでいる我々にもズバッと響いてくるんですね・・!顔をまっ赤にしながらつっかえて、つっかえて、それでも大切なことは言わなくてはいけない・・!

涙を禁じ得ませんでした。本当に大切なこと。「正しいこと」ではなくて、「大切なこと」が、この本には書かれています。

映画「青い鳥」で使われた、まきちゃんぐの「鋼の心」が心の中に流れています・・・。









「阿賀に生きる」

2009-01-10 10:22:01 | Weblog
                                     映画「阿賀に生きる」                      

一昨年の9月にお亡くなりになった佐藤真監督が17年程前に発表したドキュメンタリー映画です。

源流を会津の山間に持ち、新潟を流れて新潟市を河口とする一級河川、阿賀野川。

近世においては、60近い発電所で開発しつくされ、さらには工場から垂れ流される有機水銀によって、第二水俣病の舞台にもなった川である・・・。

工場を運営する会社を訴えようにも、住民の多くがその「会社のおかげで我々は生きている」という思いが強く、また実際に多くの住民がその工場で働いているという現状もあって、思うようにはならなかった・・・。

そんな感覚もあって、佐藤監督曰く「撮影を始めた時、阿賀野川は死に絶えた川だと思っていた・・。」

しかし、撮影を始めてみると、阿賀の川辺や山あいに生きるお年寄りたちのしぶとく、それでいて明るい日常に遭遇した・・。


このドキュメンタリー映画は、とかく「第二水俣病」のイメージで暗くなりがちな
阿賀を、実際に長谷川芳男さん、ミヤエさんのおたくに数年間泊まりこんで撮影し、ありのままの日常を写す事によって、ニュートラルな視線で見れるようにしてくれる。

厳しい自然の中、骨がきしむような農作業があり、夕げの晩酌があり、集会所で水俣病の会議もある・・。
全てが日常なのである。
無論、この作品は1992年の作品なので、ここへ至るまでの辛酸は計り知れない。

私は昨年の東京国際映画祭でこの映画を見たのですが、なかなかレンタルとかしてないんですよね・・。映画のイベントとかで上映される可能性はあると思います。よかったら、是非・・・。

監督 佐藤真

撮影 小林茂

「レッドクリフpartⅠ」

2009-01-06 07:06:06 | Weblog
映画『レッドクリフ・partⅠ』

ようやく観て参りました!

中国史はイマひとつ得手でない小生にとって、三国志はちょっとキビシイなという感じで

今まで先延ばしにしときましたが、なにやら評判がすこぶるいいので、勇気を出して行ってきました。

導入は劉備側と曹操側との戦いから始まりましたが、やはりベースとなる知識があまりないので、「ここで赤ん坊を背負う必然性はあるのか・・??」だいたい背負って馬に乗り逃走しているのが劉備側の趙雲だということも、あとになって解るくらいですから・・(T_T)/。

その赤ん坊は、劉備の子供だったんですね。
大敗を喫した劉備軍は、呉の孫権と連合軍を組み、曹操の天下統一を阻むべく再度
戦いに挑みます・・・!

観ているうちに、徐々に名前とキャラクターがわかってきて、面白くなってきます。

とにかくスケールのデカさには息をのみます!!

八卦の陣が動く様を俯瞰でとらえた映像は圧巻でした!

「これは100億かかるわけだ・・」と思わずつぶやきましたよ。

観終わって、やはり凄い作品ですし、面白いです!

partⅡが待ち遠しいですね。

監督 ジョン・ウー

出演 金城 武
   トニー・レオン
   チャン・フォンイー
   ヨ・ウン
   フー・ジュン
   チャン・チェン
   リン・チーリン
   ヴィッキー・チャオ
   ザン・ジンシェン
   バーサンジャブ   他


「ローズ」

2009-01-06 04:36:21 | Weblog
 あれはまだ私が中学生だった頃、片田舎で唯一聴けるFMであるNHK-FMで、ベット・ミドラーが歌う「ローズのテーマ」(原題 THE ROSE)が流れた。「Some say love,it is a river・・・」
おおまかな意味しか解らなかったが、「いい歌だなぁ・・・」と、たまたまエアチェック(死語(ToT)/)
していたので、繰り返し聴いたのを覚えている。
この映画の主人公のモデルになったジャニス・ジョプリンを初めて聴いたのは、それからずいぶん経ってからだ。映画「ローズ」を観たのは、さらに後だ。サントラまで持っていたのに・・。
何か、この映画は、雲上に聳える山のような、ハンパ気持ちでは観てはいけない、そんな印象があって最近やっと観た。
音楽、恋、人生に対して、悲しいほどに純粋で真摯な主人公に圧倒された。ジャニス・ジョプリンを知っている方も知らない方も、是非観て欲しい映画だ。

監督 マーク・ライデル

音楽 ポール・A・ロスチャイルド

出演 ベット・ミドラー
   アラン・ベイツ
   フレデリック・フォレスト  他

(元のブログより)*今思えば、見たけりゃすぐ見りゃいいっつーの(笑)



「K-20 <TWENTY> 怪人二十面相・伝」

2009-01-04 13:05:18 | Weblog
今年劇場で観た一本目は「K-20」でございまする!

以前の私だったら観に行かないであろう作品ですが、最近、こーゆーのも好きになってきました。

映画館でみるとね・・迫力がありますからね!

で、面白かったです~(^^♪!!

松たか子がいいんですよ!ちょっとピントのずれた役で!

正直、松さんはあまり好きではなかったのですが、

ファンにならせていただきました!

ストーリー?・・??ネタバレしない程度に書きますと、

え~主人公の遠藤平吉(金城武)は、ひょんなことから怪人二十面相に間違われて逮捕されてしまった・・・。なんとか牢獄から抜け出した平吉は、無実を証明すべく、源治(國村隼)らの助けを借り、真の二十面相を捕らえに・・・。

とまぁこんなかんじで、なにせ怪人二十面相ですからね!ネタバレ厳禁。

アクション映画としても充分見ごたえがありましたですよ。

「第二次世界大戦を回避できたあとの日本」という舞台設定がおもしろいですね。
CGは見事です!

映画『K-20 <TWENTY>怪人二十面相・伝』
脚本・監督 佐藤嗣麻子

出演 金城武 松たか子 仲村トオル 國村隼 高島礼子 本郷奏多
   今井悠貴 益岡徹 鹿賀丈史  他





「うん、何?」

2009-01-01 23:01:22 | Weblog
 新年2発目は、今や映画の発信地の雄となりつつある、島根県を舞台にした青春映画、「うん、何?(ウン、ナン?と読みます)」を紹介いたします。

 島根県、雲南市。

雲南高校3年生の鉄郎(橋爪遼)の日課は、父(菅田俊)が経営する精乳工場の牛乳を、入院中の母親(宮崎美子)に朝一で届けること。

鉄郎の目下の悩みは、卒業後の進路と、幼馴染で同級生の多賀子(柳沢なな)への想い・・・。

好きであることは明白なのに、言葉に出して言ったことがない・・。

周りの友達が言うには、多賀子はずっと自分のことが好きで、言ってくれるのを待っている、とのこと(そんな世の中上手くいくか~!はい、すみませんm(__)m)。

鉄郎は陸上部で多賀子は水泳部・・ときたら!

BGMは爆風スランプの「涙の陸上部」しかないでしょう!!
(手前ミソですいません・・。)

クラスメートの裕二は国彦と相談して、何とか鉄郎と多賀子をくっつけようとする

が、2人きりになっても、鉄郎が言葉に出す勇気なく、多賀子さんかわいそーって

状態が続くのであった・・。


しかし、煮え切らない男だ・・・それを言っちゃあ、おしまいですか・・。

でも、私的に1つ、「ノン子36歳~」に続き(同じ日に観たもので)、ミスキャストかなぁ。主役の橋爪さん?

監督は三千名を超える中から本当に彼がいいと思って決めたのだろうか・・???

まぁ、その疑問以外は素晴らしい作品ですよ!!

およそ都会では忘れ去られている「人ひとりの重さ」がいい意味で描かれていますね。

舞台は「天然コケッコー」や「白い船」「砂の器」などでも登場した島根県です。

ヤマタノオロチ伝説の伝わる自然の中で、瞬間、瞬間を切り取ってそっとしまっておきたくなるような溢れる緑と時の流れ・・。

田舎出身の小生でさえ、こんな素敵な青春はおくりゃせんかったですばい・・!

あこがれますねぇ・・・。好きな子と自転車二人乗り・・!

青春の必須アイテムですねぇ!!「がんばっていきまっしょい」でも田中麗奈が二人乗りしてましたね!

音楽がまた胸をしめつけるんですよ・・!浜田真理子さんの音世界です・・。

非常に良質な日本映画ですね。是非ご覧になってください・・。

原案・脚本・監督 錦織良成

音楽 浜田真理子

出演 橋爪 遼
   柳沢なな
   宮崎美子
   菅田 俊
   甲本雅裕
   松沢 傑
   平田 薫
   岡 太一
   加藤侑紀   他












「雨あがる」

2009-01-01 14:14:31 | Weblog
 明けまして、おめでとう御座います!!

本年も宜しくお願い申し上げますm(__)m。   ひきばっち。

今年よりブログ名を「ひきばっちの映画でどうだ!!」に変えまして、

映画的人生を充実させようと思っちょります!!

新年1号は、私の大好きな「雨あがる」でございます。


河の渡し場の宿・・・。外は雨が降っている・・。

宿といっても皆、囲炉裏の廻りに集まっているだけの、粗末なものである・・。

ここのところ雨が止まない。河は水かさを増し、仮に雨が止んでも河を渡れるようになるには、十日ほどもかかりそうだ、と渡し場人足たちは言う・・。

ここからネタバレ入りまーす。

浪人、三沢伊兵衛(寺尾聰)が宿へ戻ると、夜鷹の女(原田三枝子)が、

「ワタシのメシを盗んだのは誰だい!!」と大立ち回りをやっていた!

伊兵衛はその場をなんとか静めると、傘を借りてまた何処かへ出かけて行った・・。

そしてしばらくすると、米俵や酒、他にも食べ物を沢山もって宿へ戻ってきた・・!

「みなさん、手料理ということで、お願いします・・。」

囲炉裏の廻りはにわかに活気づいた!夜鷹のおきんさんも加わって、唄や芸が皆を笑顔にしていった・・。

伊兵衛は奥の部屋にお膳を持って戻り、妻のたよ(宮崎美子)に、いきなり手を突いて謝った。

たよは、全て解っている様子で、「賭け試合をなさったのですね・・。」

「す、すみません・・・もう二度といたしません・・。」

たよは静かな微笑をうかべていた・・。


いや~この映画なんといっても、宮崎美子さんがイイのよ!!

世に言う一世一代のはまり役ってやつでしょうかね。

宮崎さんでなきゃ、出来ない!と、思わせるからねぇ・・!!

もちろん、寺尾聰さんもいいですよ!賞もとりましたね。

でも、ここ一番のキメぜりふで観客の心を揺さぶるのは、宮崎さんなんですよ・・!

私なんか鼻水たらしてオイオイ泣いちゃいましたよ(T_T)/~~~。

原作 山本周五郎

脚本 黒沢 明

監督 小泉尭史

出演 寺尾 聰
   宮崎美子
   三船史郎
   檀ふみ
   井川比佐志
   吉岡秀隆
   加藤隆之
   原田三枝子
   松村達雄
   仲代達矢   他