ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「THE 4TH KIND フォース・カインド」

2009-12-30 14:14:36 | Weblog
                   「THE 4TH KIND フォース・カインド」
ユナイテッドシネマ・豊島園にて。
監督・オラントゥンデ・オスサンミ

この作品は、アラスカ北部の街ノームで、心理カウンセラーをしていたアビゲイル・タイラー博士が実際に経験した恐るべき“超常現象”を、実際に撮影されたビデオの画像と関係者の証言を元に、映画化したものである・・。

う~ん、どうなのかな~??
この手の作品は“超常現象”(例えばUFOとか)を信じる方と信じない方で、評価は大きく分かれると思いますな~。

私自身はUFOはあまり信じないほうなんですが・・(大槻ケンヂのUFOや「ムー」にまつわる話は大好きですが(笑)!)

この映画のトピックは、その斬新な映像構成ですな。
解りやすく言うと、スクリーンの左半分が、実際に家庭用ホームビデオで撮影された映像、右半分がそれを元にした再現映像・・。
名付けて「映像分割構成法(仮)」!!(誰って、ワシが名付けたんや(笑)!)
いや、誰が考えついたか知らんのですけど、妙な説得力があったのは確かですわ!

ストーリーは、ネタバレちゃうと悪いのであまり書きませんが・・。
このノームの街の住民に、睡眠障害が広がっていて、ある日その患者さんをカウンセリングしたタイラー博士は、患者さんの愁訴にある共通点があることに気付く・・。

といった感じですね~。
空撮で映るノームの街が曇っていてどことなくうら寂しげで、それだけでゾワゾワ~ッとはしましたね~。
これがフィクションだったら、もろ手を挙げて「良く出来ている!」と、言いたいところなのですが・・。

ストーリーの随所に、タイラー博士本人のインタビューがインサートされるのですが、一瞬「えっ・・」と、思ってしまうほど、生気が無いんですな・・。
もう少し、暖かな感じのメイクをしてあげればいいのに・・逆に映画的には生気が無いくらいのほうがイメージとしていいのか・・。

こういう実話を映画にして公開することの“意義”を考えてしまいました・・。
もちろんこれは「商業映画」ですから、興行的に成功することが第一義なのでしょうが・・。

例えば、1977年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の「未知との遭遇」(原題「Close Encounters of the Third Kind」直訳は「第三種接近遭遇」)
は、明らかに、ファンタジーの要素があり、娯楽映画の要素も兼ね備え、そして未知なる生命体へのポジティブな強い思いがスクリーンいっぱいに広がっていました・・。

そう思うと、「THE 4TH KIND」という映画のねらいとは・・?

まぁ、堅いことは抜きにすれば、「蒲田行進曲」の銀ちゃんじゃないっすけど
「売れてんのかぁ、この映画!?」
と言われれば、結構お客さん入っているみたいなのでいいんでしょうな~。

ミラ・ジョボビッチがこの映画のインタビューで
「自分では理解できない事もあるんだ、と思えるようになった」
と、言っておりました。私にとってもこの一言が、この映画を観終わった感想であります・・。


ひきばっち的満足度★★☆













「戦場でワルツを」

2009-12-28 14:41:20 | Weblog
                            「戦場でワルツを」
シネ・スイッチ銀座にて。
監督・脚本・音楽 アリ・フォルマン

イスラエルの映画監督アリ・フォルマンが“アニメーション”で自らのレバノン戦争従軍の記憶を追う、異色のドキュメンタリー映画です。

私はいつものクセで、事前知識ほとんどナシで映画を観始めました。
これが裏目に出た!
主人公たちが話している“戦争”が、いつの、どんな戦争についてなのか判らない
ので、話が理解出来なくなってしまったのです(T_T)。

この映画に関しては、観る前に、イスラエルという国と、それに対してパレスチナ難民について、さらには“サブラ・シャティーラの虐殺”についてある程度(本当は詳しく知っている方がよいにきまっているのですが)知っておいた方がイイと思います!

この映画は、フォルマン監督自身が「自分はレバノン戦争に従軍したはずなのに、その記憶がほとんどなくなっている」ことに気付き、セラピストや当時の戦友たちに話を聞いていくうちに、徐々に記憶が戻ってきて・・・という感じの、“ドキュメンタリー”に、戦争当時の記憶の“映像”を加えて、それらを元に“アニメーション”という手法でフィルムに収めた作品です。

私もストーリー中頃でようやく「主人公(監督)はイスラエル軍の兵士として反イスラエルのゲリラや、レバノンとの戦争に従軍したと・・・」
「そして、どうやら、イスラエル軍がパレスチナ難民を包囲して、その中で虐殺があった・・」
と、恥ずかしながらやっとストーリーが見えて来た次第でした。

鑑賞後に調べて解ったのですが、
この映画で語られる「虐殺」とは、1982年9月16日から18日にかけてイスラエル軍包囲の元、レバノンのキリスト教マロン派“ファランヘ党”によって行われた
「パレスチナ難民大量虐殺」または地名から「サブラ・シャティーラの大量虐殺事件」と呼ばれる世界的に悪名高い事件なのですな。

レバノンの首都、ベイルート郊外で起きたこの虐殺で犠牲者は1000人とも3000人ともいわれておるそうです。

その引き金となったのが“親イスラエル”のレバノン大統領、バシール・ジェマイエル氏の暗殺です。
この映画の英語題「Waltz With Bashir」のBashir氏ですな。
題名の所以は映画を観ていただければ解ります・・。

観終わって・・大変重い気分になりましたな・・。
しかし、そんなエンディングにせざるを得ない現実が今でもあるよと、フォルマン監督の強い反戦のメッセージがこもった一作でした。

P.S.色々もっと、勉強いたしますm(__)m。


ひきばっち的満足度★★★☆










「3時10分、決断のとき」

2009-12-25 16:31:00 | Weblog
                        「3時10分、決断のとき」
池袋・新文芸坐にて。
監督・ジェームズ・マンゴールド
原作・エルモア・レナード

8月公開時に見逃してしまったので、文芸坐での上映を楽しみにしていました。
観てよかった!!
男泣きでした(T_T)/~~。

聞くところによると、8月公開時も上映する映画館がそれほど多くなかったとか・・。
しかも、この映画は2007年の作品ですから、日本で公開になるまでに結構時間があったのですな。
一般的に“西部劇は女性に受けが悪い”からなのでせうか・・??

たしかに、ストーリーの中盤までは「この映画どこが見せ場なんだろう??」と思うくらい淡々と話がすすんでゆきます・・。

私は大のラッセル・クロウファンなのですが、彼が悪役を演じているので、予備知識ゼロで観にいった私は「どこに感情移入していいか判らない」といった感じでしたが・・。

ネタバレになっちゃうので、詳しくは書きませんが、
映画を最後まで観終わった時、“男の誇り”を賭けたこの映画に涙し、「ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイルよ、有難う(T_T)/~~」と心中で拍手を送ったのでした。

クロウの悪役ぶりもさるものながら、南北戦争で片足を失った父親を演じたクリスチャン・ベイルが出色の演技でした!
そしてそんな父親を軽蔑の目で見ていた息子ウィリアム(ローガン・ラーマン)・・。
彼の父親を見る気持ちの移り変わりが、観ている観客の気持ちとなってラストに突入するのですな。

音楽がとてもよくて、ラストのシークエンスで流れる曲は、まさに“男のプライドを賭けた”シーンを“壮絶に”描くことに無くてはならないものになっています。

ラスト5分、泣きっぱなしでした(T_T)/~~。
“男に生まれてよかったな”なんて、ひっっっさしぶりに思いました・・。


ひきばっち的満足度★★★★☆


「パブリック・エネミーズ」

2009-12-22 02:14:16 | Weblog
                        「パブリック・エネミーズ」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・マイケル・マン

ようやく観て参りました。
ジョニー・デップ主演の映画を観たのは、なんと「スリーピー・ホロウ」以来ですから、ホンッとに久々ですな!

予想していた作風とは少し違っていましたが、サブマシンガンの銃撃シーンもありましたし、それなりに楽しめました(^^♪。

自分的には、観る前は、「エンターテインメント色が強いのかな」、と思っていたのですが、本作はどちらかというと、大筋を史実にのっとり、“ジョン・デリンジャー”の人間像と、彼がただ一人愛したという“ビリー・フレシェット”との愛を描く作品でありましたな・・。

何回も見せられた予告編がとてもスタイリッシュで音楽もテンポが速かったので、いわゆる“娯楽映画”を期待した方には少し物足りなかったかもしれません・・。

しかし、ジョニー・デップという俳優は、こういう役やらせたら宇宙一カッコイイですね~。どっちがイイとかじゃなくて、「死んでもらいます」って言う時の“健さん”並にカッコイイ(どういう比較なのか私にもよくわかりませんが)ですな。

そして劇中でデリンジャーが一目惚れする女性“ビリー・フレシェット”をマリオン・コティヤールが演じています。
ほとんどナンパ状態で恋人にしちゃうんだから、デリンジャーの魅力というか、アメリカの国民性というか・・羨ましい限りです・・。
「I like baseball,movies,good clothes,fast cars....and you」なんて日本で言ったら、おまわりさんに職質されちゃいますよ(笑)!


この映画は1933年、大恐慌時代を舞台にしています。
ほぼ同じ時代を舞台にした名作「スティング」(監督ジョージ・ロイ・ヒル)と比較してみると、興味深い共通点があることに気がつきます。
まず、両作品とも、メインとなる街が“シカゴ”なのです。本作中で、失業者が道端に寝ている様子は「スティング」のそれ(厳密にはイリノイ州ジョリエット)とオーヴァーラップしました。
そして両作とも、警察ににらまれる商売(本作は銀行強盗、「スティング」は詐欺師)が扱われている点ですな。
まぁ、この時代は、デリンジャーのようなギャングや、「スティング」でのゴンドーフ(ポール・ニューマン)&フッカー(ロバート・レッドフォード)のような詐欺師が多くおったんでしょうな・・。
実際にその時代に生きていれば、物騒で危険なのでしょうが、「画になる時代」ではありますな・・。

本作でその時代の香りをより際立たせているのが、ビリー・ホリディなどのジャズ・ボーカルと、当時流行った(少し時代がずれているような気もしますが)ラグタイム・ジャズですね・・!
随所に流れるオーティス・テイラーの「TEN Million Slaves」のギターが、ジョン・デリンジャー隆盛の頃のイメージと重なりますな・・!

デリンジャーを追い詰める警部を演じたクリスチャン・ベイルもかっこ良かったですね~。クールに見えて、実は人情味があるという・・。

どことなく、伊原剛志に似てんな~、と思ったのは、私だけでせうか・・??

というわけで、

ひきばっち的満足度★★★☆








「キャピタリズム~マネーは踊る~」

2009-12-19 05:03:47 | Weblog
                    「キャピタリズム~マネーは踊る~」
TOHOシネマズ・シャンテにて。
監督・脚本・出演 マイケル・ムーア

マイケル・ムーアがアメリカの経済・金融、そして“資本主義”について物申した力作であります。

私自身、経済学とか金融のシステムなどには全く疎い輩ではありますが、そんな私にもこの映画は解りやすく(時折出て来る金融業界の専門用語は別として)、とても丁寧に作られているなぁ、と感じました。

ネタバレあります!
2008年のリーマン・ショックが引き金となり、世界経済は“100年に一度”と言われる同時不況に陥りました。

この映画では、アメリカの大多数の労働者たちが、いかにして1%の富裕層に搾取されているか、そのアメリカ“資本主義”のからくりをマイケル・ムーアが解明してくれます。
少々字幕と映像の追っかけっこで難儀しますが、理路整然と説明してくれますので。怒りを込めて(笑)!

仕事を奪われ、それだけでなく持ち家まで強制退去させられる労働者の現実・・。

知らぬうちに企業側が従業員に掛ける「くたばった農民保険」・・受取人は企業なのです!つまり「従業員は死んでくれてOK」というようなものです!

この他にもデリバティブ(金融派生商品)の恐ろしさ・・。

1%の富裕層は、真綿で首を絞めるように一般民衆からマネーを搾取してゆくのです・・。おいそれとは解けないようなデリバティブを考え出して・・。

実は私、とあるシーンで感極まって涙してしまいました(T_T)。
マイケル・ムーア物って、基本ドキュメンタリーなので、男泣きですわ!

capitalism(資本主義)を支持しないというと、とたんに(社会主義が好きなのね)となってしまいがちな米国民・・(日本も例外ではないですな)。
時は21世紀、新しい理念が求められていると、ムーアは語っています・・。

マイケル・ムーアの果敢なる勇気とユーモアに拍手を送りたい気持ちです!
私はあまり「この作品は必見!」とか書かないんですけど・・。
この「キャピタリズム~マネーは踊る~」は是非観ていただきたいですね!DVDになってからでもいいので・・・必見です(笑)!


ひきばっち的満足度★★★★☆











「2012」

2009-12-13 18:12:32 | Weblog
                               「2012」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・ローランド・エメリッヒ

はっきり言って、面白い(笑)!!

こんなにVFXがしっかりしているとは思わなかった!

いつもながら、期待してなかった(なんなんだオレは(笑))。

この手の作品は、VFXがしっかりしているかどうかで決まると言っても過言ではないだろう。
これでもか!!と襲い来る天変地異に、呆然としてしまった・・。

ジョン・キューザック演じる主人公と、その元奥さん、子供たちのエピソードは、必要最小限に押さえられていて、あまりジメジメしていないのがいい。
結構笑えるところもある。

政府側の首脳の一人を演じたオリヴァー・プラットや、乗船券を振りかざすロシア系富豪を演じたズラッコ・ブリッチなど、アクの強い連中がストーリーに絡んでイイ感じである。

しかしこのVFXは圧巻だった。

VFXは“Visual Effects”の略語であり、「視覚効果」と呼ばれる。
“V”はいいとして、“FX”は・・?
“FX”は、“Effects”の発音がそう聞こえるから、そう略されたのだそうだ。

VFXが撮影後に加えられる効果であるのに対し、撮影現場で加えられる効果をSFX(Special Effects)と呼ぶ。
CG(Computer Graphics)は文字どおりコンピューターを使ったVFXである。
え、?違う?・・(汗)
違ってたらコメください・・m(__)m。

なにはともあれ、「2012」は是非映画館で観るべし!!

一見の価値有りでございますぞ(^^♪!!


ひきばっち的満足度★★★★











「泣きながら生きて」

2009-12-10 18:03:40 | Weblog
                           「泣きながら生きて」
新宿・バルト9にて。
企画・プロデュース 張 麗玲
構成・編集 横山隆晴・張 煥埼

この作品は、2006年の冬にフジテレビで放送されたドキュメンタリーである。

放送時、大きな反響を呼び、再放送やDVD化の要望が強くあったが、様々な理由で実現しなかった。

そんな折、この放送を観て“人生観が変わる”程の感銘を受けたという慶応大学の学生さんの「一人でも多くの人にこのドキュメンタリーを見て欲しい」という強い働きかけで、映画館での上映が実現したという。


このドキュメンタリーは、上海から日本へ来て様々な事情に屈することなく働き続けた丁尚彪さんの15年を追ったものである。

丁さんは、若い頃、文化大革命の“下放政策”により、都市部から離れた、荒れた農村に移らされた。向学心のある丁さんであったが、この政策により、学ぶ機会を奪われたのだ。

結婚した丁さんは、やがて上海に戻ってくるが、“日本へ行って働きながら日本語学校へ通い、いつか大学で勉強したい”という思いやまず、
妻と小学校2年生の娘を上海に残し、単身日本へやってくる・・。丁尚彪さん35才の時であった。

そこから紆余曲折があり、丁さんは自分の進学を断念、一人娘の琳さんの進学のために、日本で働き続けた・・。


子供のために働く親なんてたくさんいる。だからどうなのよ・・。と言ってしまえばそれまでなのだが・・。

丁さんはこのドキュメンタリーを見る限りでは、自分の娯楽のためにお金は使っていないようだ。
仕事は三つ掛け持ちしている。清掃や調理など全て肉体労働である。「疲れませんか?」という問いに「こんな時代に三つも仕事があって、ありがたい」と笑顔をみせている。

生活費以外は、全て上海に送金しているという。
丁さんはいつも夜中にアパートへ帰ってくる。銭湯はもう閉まっている。
大きなビニール袋に入って湯沸かし器のお湯で体を洗う。
「人間は頑張らなくてはいけない。日本の人はみな頑張っている。中国の人も日本の人に学ぶべきだ」と丁さんは言う。

丁さんは働く。その姿に涙が出た。丁さんはとにかく働くのである。
「丁さん、日本人は、そんなに立派じゃないよ・・」と、心の中でつぶやいた・・。

娘の琳さんもニューヨークの大学で、産婦人科医として働き始めた。
丁さんは上海へ帰る飛行機の窓から、「日本」を見つめていた・・。

どこまでが現実で、これは演出しただろう、と思うシーンもありました・・。
音楽が扇情的でイヤでした。
しかし、「丁尚彪」という人の生き様に感銘を受けました。立派な男です!

元々は民放の番組ですから、苦手な人は苦手だと思いますが、ある男の“生き様”を見に行く、という感じで劇場に足を運んでみるのもいいかもしれませんね・・。


ひきばっち的満足度★★★☆










「インフォーマント!」

2009-12-07 23:54:21 | Weblog
                          「インフォーマント!」
シネマスクエア東急にて。
監督 スティーブン・ソダーバーグ

ネタバレあります!
“インフォーマント”とは辞書を引くと、「密告者」「情報提供者」とあります・・。
この映画は、ある大企業で実際に起こった“内部告発”を映画にしたものです。

というと、シリアスでサスペンスフルな内容を期待しますが・・・。

この映画(というか実話もそうだったような気がしますが)は、ぶっちゃけ、コメディであるといっても過言ではないでしょう・・!

物語は1992年、イリノイ州。農業関係の大企業。この企業では、トウモロコシを原料にして、アミノ酸の一つである「リジン」を生産・販売していた。

主人公ウィテカー(マット・デイモン)は33才にしてこの会社の重役のポストにいた。妻も子もあり、順風満帆な人生であった・・。

そんな折、ひょんな事からウィテカーはFBIに「会社が違法な価格協定を行っている」と密告する・・。

なぜ重役のポストにいる人間が内部告発などするのか、FBIも不思議に思ったが、とりあえずそれ以降、ウィテカーはFBI側に協力し、スーツケースに隠しレコーダーを入れて、価格協定の証拠集めに奔走するのだが・・・。


マット・デイモン演ずるウィテカーの、どことなく間抜けな表情がたまらなくおかしい!彼はこの役の役作りで10㎏も増量したそうです・・!

この作品は、“企業の内部告発”をテーマにしてはいますが・・実はコメディ色が非常に強いのですね・・!
だいたい重役にいる人間が、自分の属する企業の内部告発をするなんて、普通に考えてもおかしいですな(笑)


ウィテカーは、自らが“007”になったかのような気分で、嬉々として証拠集めを遂行してゆきます・・。

そのお陰で、世界的な“違法価格協定”が明るみに出て、ウィテカーの会社及び協定に参加した企業のトップが逮捕されることになります、が・・・。嘘の上に嘘を重ねた結果・・。

今度はウィテカー自身のリベート問題が浮上することになります・・。


この映画を観客にコメディとして印象づけた最大の功労者は、音楽担当のマーヴィン・ハムリッシュでしょう!!
古くは、名作『スティング』でアカデミー賞を受賞しているハムリッシュでありますが、今回もラグタイム・ジャズをベースに、メジャーコードの軽快な曲で、映画の作風を決定づけています!
この作品が終わりまで面白く観られたのも、随所に流れるハムリッシュの曲のおかげと言っても過言ではないでしょう。

私は個人的にはマット・デイモンという俳優があまり好きでありませんでした。
しかし、この作品での間の抜けた演技でファンになりましたよ(^^♪。

「ボク、会社にいられるんだよね・・?」
「ん~、周りの雰囲気は少し変わるかもしれませんが・・・」
しかし、のんきな男だな~(笑)。


ひきばっち的満足度★★★☆





「理想の彼氏」

2009-12-05 13:26:33 | Weblog
                              「理想の彼氏」

新宿ピカデリーにて。
製作・脚本・監督 バート・フレインドリッチ

私はラブストーリーはほとんど観ないのですが、本作のような「年上の女性」と「年下の男性」という組み合わせ物は、かつての月9のTVドラマ「ロング・バケーション」を観て以来、この組み合わせだけは興味をそそられるようになりました!

この作品の原題は「The Rebound」であります。
辞書で調べましたが、あてはめるべき訳がどれなのか、解りまへん(T_T)/~~。
「リバウンド」「回復」「反発」・・・おそらくもっとこなれた意味なのでしょう・・。

ネタバレあります!
ちょい、あらすじ・・。
サンディ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)はある日、夫の浮気を知り激怒!
離婚して、ふたりの子供と一緒に心機一転、ニューヨークで暮らすことにした。

新しく決まったアパートの一階にはコーヒーショップがあり、アラム(ジャスティン・バーサ)という青年がアルバイトをしていた・・。
アラムは大学は出たけれど、自分の進む道を決めあぐねている心優しき草食系男子である・・。

サンディはひょんなことからアラムにベビーシッターを頼むことになる。
アラムはそこで新しい発見をする・・。子供と過ごす時間が充実していることに気づいたのだ!

やがてサンディとアラムは恋に落ちる。
40才と24才という歳の差を超えて、二人の愛は深まってゆくが・・。


とまぁ、こんな感じなのですが、突っ込み所はたくさん有ります。
しかし、こういう作品は、観客が多忙な“日常を忘れて”楽しむものだと思いますので、細かい指摘は野暮というものでしょう。

ゼタ・ジョーンズは美しいし、アラムを演じたジャスティン・バーサも、線は細いながら実は頼りがいのある青年を好演しておりました。

しかし、サンディの娘のセイディ(ケリー・グールド)と、息子のフランクJr.(アンドリュー・チェリー)。この2人が実はこの映画の立役者であることは、観ていただければ判ると思います(^^♪!
この2人のセリフには爆笑させていただきました!!
PTAが観たら眉をひそめるようなお下品なセリフも、この作品の潤滑剤となっていて「Fan“fuckin’”tastic!!」でした!

アラをあげつらったら沢山出てくるでしょうが、
私的には素直に見てあげることができたので、とても楽しかったです(^^♪。
こういう映画は、軽いフットワークで観てあげると、いいかもです・・。

それにしても、ゼタ・ジョーンズの眉毛って、5年後も微動だにしないんですね・・(笑)


ひきばっち的満足度★★★☆














「フィッシュストーリー」

2009-12-03 21:11:19 | Weblog
                         「フィッシュストーリー」

原作 伊坂幸太郎
監督 中村義洋

池袋 新文芸坐にて。
前からこの日を楽しみにしていました(上映はこの日だけ)。
DVDも貸し出してるのですが、やはり映画館で観たかったですな。

ぶっちゃけ、多部未華子が出ている、それだけで観にいったようなものですな。
「つばさ」が終わって以来、暫くぶりの多部ちゃんは・・げ、芸風が変わっていた!!というか、「つばさ」と同時期に撮影していたとしたら、芸風を変えていると言ったほうが正しいのか・・!

ネタバレあります。
“フィッシュストーリー”とは、アメリカ英語で“ほら話”のことなんですな。
釣り師の手柄話から来ているらしいです。

ストーリー的には(ラストになって初めて解るのですが)、
1975年に、「逆鱗」という日本のパンクバンド(セックス・ピストルズが世に出るより前)が出した最後のレコード「FISH STORY」が、回りまわって、巡りめぐって、2012年に地球の危機を救う、という、なんてアバウトなあらすじなんでしょう(スミマセンm(__)m)。

これがですね、ストーリーの舞台が1975年、1982年、2009年、2012年と、4つに分かれておりまして、それぞれがほぼ独立したエピソードなんですよ・・。

2012年のある日、あと五時間で彗星が地球に衝突し、人類は滅亡する・・。というくだりは要所要所でインサートされるのですが・・・。それと残りのエピソードとどないな関係あんねん!と、さすがに後半少々疲れてしまいましたが・・。

これがラスト5分くらいであれよあれよという間に繋がっていくんですな(^^♪!!

まぁ、出来すぎた話ではありますが、これこそ“フィッシュストーリー”なんでしょうな。

パンクバンドのベース、繁樹を演じた伊藤淳史は、「陰日向に咲く」やTV「電車男」のどちらかというと弱々しいイメージがあったのですが、この作品で「尖った役もOK!!」というところを見せてくれました!

ボーカルの五郎を演じた高良健吾は、甘えが無く、微妙に割れた高音がたまらない素敵な歌声でしたよ・・!
彼は「禅ーZENー」での修行僧、「蛇にピアス」のスプリット・タンの青年、そして今回は抜群の声を持ち、実は礼儀正しいパンクバンドのボーカル役と、役の幅がとても広くて、私は好きな俳優さんですね(^^♪。

1982年の大学生のエピソードに出ていた女子大生役の高橋真唯は目力があって将来有望ですな。

さて、2009年、シージャックのエピソードでようやく登場した多部さん。
居眠りしている間にフェリーは東京を出発してしまいます・・!

いきなり浮き輪を持って海に飛び込もうとしたりして・・・。泣き方も、完全コメディモード!これが多部ちゃんの芸風だ!!という感じで、笑わせていただきました(^^♪。

ラストも多部ちゃんがかましてくれました・・!
彼女はいいコメディエンヌになるかも、ですねぇ・・。


ひきばっち的満足度★★★








「なくもんか」

2009-12-02 20:55:34 | Weblog
                              「なくもんか」

監督 水田伸夫
脚本 宮藤官九郎

水田×宮藤、『舞妓Haaaan!!!』のコンビが再び阿部サダヲと組んだ、「家族」をテーマにした、泣ける(?)喜劇か、笑える悲劇(?)を観にいって参りました・・。

ネタバレあります!!
あまり期待していなかった(ゴメンナサイ)せいもあってか、すごく楽しめました(^^♪!。
阿部サダヲの笑いのツボが心地よく感じられるようになりましたね(舞妓・・を観た時は正直よく解らなかったのですが)。

笑いあれば涙ありとよく言いますが、本当に目頭が熱くなるシーンがいくつかありました。

ちょい、あらすじ・・・。
主人公の祐太(阿部サダヲ)は子供の頃両親が離婚し、父親に付いて行ったが・・。この父親(伊原剛志)がとんでもないイイカゲン男で、住み込んで働くはずだった惣菜店の金を盗んでトンずらし、残された祐太はなしくずし的に店主の山岸(カンニング竹山)に育てられることになる・・。

祐太は働いた・・。笑顔を絶やさずに。八方美人だと言われようがなにしようが、
「好きでやってますから!!」なのである。

店主の娘・徹子はハムカツの食いすぎで太って家を離れた・・。
身を粉にして働いた祐太は店主に認められ、「デリカの山ちゃん」二代目店主となり、秘伝のソースの作り方も伝授された・・。

山岸亡き後、認知症になったつれあいの安江(いしだあゆみ)の面倒を見ながら笑顔で働く祐太の元に、20㎏の減量とプチ整形をした徹子(竹内結子)が戻って来た!・・子供を2人連れて・・!

そして今まで判らなかった弟・祐介(瑛太)の行方も・・・!


という感じなのですが、阿部さんスゴい!
もう彼の才能がいかんなく発揮されていましたな。

笑いのネタ明かしはしたくないのですが、“携帯バッテリーネタ”はツボにはまってしまいましたな(笑)。

徹子役の竹内さん、「サイドカーに犬」以来ファンなのですが、いつ見ても美しくて思わずパンフレット買おうかと思ってしまいました(笑)。

あと、ポイント、ポイントでいしだあゆみさんのセリフに、胸がグッときて、目頭が熱くなってしまいました。やはり人生の大先輩の演技は、重みがありますな・・。

瑛太演ずる祐介と漫才のコンビを組む「金城大介」を演じた塚本高史も良かったですよ(^^♪。


ひきばっち的満足度★★★☆