マイペースで行こう

東村山市内のキリスト教会の牧師のブログです。更新も内容もマイペースですが、18年目に入りました。

ジュリアス・シーザー

2018-02-01 20:22:21 | 最近の読書
しばらく前の授業でのこと。
論文演習というクラスで、自分の卒論に関する発表をしました。

先生やクラスメイトからの質問やコメントを頂くのですが、その中でM先生から、「シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』の一場面みたいですね」というコメントを頂きました。
ちなみに、私の卒論で取り上げている聖書の場面は、サムエル記第二16:20-17:14です。
イスラエルの王ダビデに対して反乱を起こした、王子アブサロムが登場します。
そして、アヒトフェルとフシャイという二人の人物が、アブサロムにそれぞれ異なった助言をするところです。

実は…学生時代にいくつかシェイクスピアの作品を読んだのですが、『ジュリアス・シーザー』はまだでしたので…
これを機会に読んでみようかとふと思い立ち、翻訳ですが早速目を通してみました。
(そんなことしている時間はあるのか!と自分で自分にツッコミを入れてましたが...)

『ジュリアス・シーザー』
ウィリアム・シェイクスピア作
大場建治訳
研究社 シェイクスピア・コレクション6

確かに…
シーザーを亡き者にしたブルータスは、聴衆に向かって語り終え、彼らの動揺を鎮めて、その場を去りました。
しかしその直後、後を託されたアントニーはブルータスのことを「高潔無比」と称えることばをくり返しながら、そのことばの紡ぎ方によって、聴衆を自分の味方につけて、ブルータスに歯向かわせていく、巧みでしたたかな演説をしています。

アヒトフェルのすぐれた助言を覆すために語ったフシャイのことばと語り口は、さながらアントニーのようだとも表現できるでしょうか。
フシャイがダビデの友であり、ダビデを助けるためにアブサロムに近づいていたというシチュエーションにも通じるところがあるかもしれません。

論文の中身では扱っていませんが、頂いたコメントから、また一つ、プラスアルファの勉強になりました。
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