子力発電所の新しい規制基準に初めて適合しているとされた鹿児島県の川内原発について28日、地元、薩摩川内市の市議会が再稼働に同意したのに続き、岩切秀雄市長も再稼働への同意を表明しました。
これで薩摩川内市として川内原発の再稼働に同意したことになります。
川内原発を巡って、原子力規制委員会は先月、九州電力の安全対策が新しい規制基準に適合していると判断し、立地自治体が再稼働に同意するかどうかが焦点となっています。
地元の薩摩川内市の市議会は28日、臨時議会を開き、再稼働を求める市民団体からの陳情を審議しました。
討 論で再稼働に反対する議員が「住民の最大の関心事は原発が安全かどうかで、それが担保されないかぎり再稼働には反対だ」と述べたのに対し、賛成する議員は 「薩摩川内市では、川内原発の停止によって経済活動の低迷が顕著であり、一刻も早く打破する必要がある」などと述べました。
採決の結果賛成が19人、反対が4人と賛成多数で陳情を採択し、市議会として川内原発の再稼働に同意しました。
こ のあと岩切秀雄市長も市議会の全員協議会で、「エネルギー基本計画に基づき国の責任のもと再稼働するとした方針を理解することを判断した。再稼働に慎重な 市民の立場を考えると苦渋の決断だが、安全安心の確保に最大限の努力をしたい」と述べて再稼働への同意を表明しました。
これで薩摩川内市として川内原発の再稼働に同意したことになります。
川内原発の再稼働を巡って、九州電力は薩摩川内市と鹿児島県に同意を求めたいとしていて、薩摩川内市の同意を受けて今後、鹿児島県議会と伊藤知事が再稼働への同意を判断することになります。
九電社長「心より感謝」
これについて、九州電力の瓜生道明社長は「薩摩川内市長、薩摩川内市議会のご判断に心より感謝申し上げます。当社としましては、地域の 皆さまが安心していただけるよう、原子力発電所の安全を第一に、今後とも、さらなる安全性・信頼性の向上への取り組みを自主的かつ継続的に進めてまいりま す」とするコメントを出しました。
鹿児島県知事「総合的に勘案して判断」
鹿児島県の伊藤知事は「私としては、これまでも申し上げてきたとおり、薩摩川内市議会と薩摩川内市長、および県議会の意向などを総合的に勘案して今後、川内原発の再稼働について判断したいと考えている」というコメントを発表しました。
官房長官「極めて重要」
菅官房長官は午後の記者会見で、「川内原発の再稼働について、立地自治体である薩摩川内市の市長や市議会の理解を得ることができたとい うのは、極めて重要なことだ。政府としては、引き続き、関係者の皆さんの理解を得られるよう、しっかりと取り組んでいきたい」と述べました。
呆れてものがいえない。