読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

写真の歴史入門 第1部「誕生」新たな視覚のはじまり

2017年12月16日 19時16分12秒 | ■読む
三井圭司 東京都写真美術館監修、新潮社刊 写真の歴史入門シリーズの1作目です。著者は東京都写真美術館の専門調査員である三井圭司さんです。本書では、写真の技術の誕生からその後の変遷、日本への伝播と明治中期までの世界の作例が紹介されています。本書の特色は、開発された画像の受像と現像の様々な手法毎に作品が掲載されており、それぞれの写真の質感などの相違が実感できます。また、技術の進展により感度が高くなるに . . . 本文を読む
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スター・ウォーズ 最後のジェダイ/劇場

2017年12月15日 21時17分19秒 | ■見る
シリーズ第8作目の公開日なので早速見に行きました。レジスタンス軍をファースト・オーダーが追い詰めますが、どうしのぐのか。そしてジェダイとダーズベイダーの後継者はどうなるのかが本作の中心テーマです。お約束に従って空中戦が繰り広げられます。また、チューバッカなどの従来からの脇役陣の登場も楽しみの一つです。ほとんどが既視感のある映像と展開で、どのように新機軸を打ち出すかは脚本を書き上げる上で知恵を絞らな . . . 本文を読む
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後妻業の女/DVD

2017年12月14日 18時15分33秒 | ■見る
2016年公開の日本映画で、小説「後妻業」の映画化作品です。原作とはテイストが異なるようですが、演技派の俳優が非常に多く登場し見応え十分です。主演の大竹しのぶさんと豊川悦司さんが凄い。私はお二人が主演の作品を初めて見ましたが、役になりきっていていました。本当にこんな人なんだろうと感じるほどに。探偵役の永瀬正敏さんなど、他の方々の演技も惚れ惚れしました。 劇中、ベット・ミドラーの懐かしい「Do yo . . . 本文を読む
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図解ハンドウェポン

2017年12月13日 20時01分50秒 | ■読む
大波篤司著、新紀元社刊 拳銃、ライフル、機関銃など、手に持って使用する武器をイラスト入りで分かり易く解説しています。メディアでの銃の用い方などについてのトピックもあります。実物を手にする機会はまずナイにしても、映画などで頻繁に登場するハンドガンの知識があると、今までよく見ていなかったところにも目が届くようになりました。非常に分かり易く参考になる書籍です。 評価は4です。 ※壁紙専用の別ブログを公 . . . 本文を読む
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ターゲット・ダウン ミッション1:許されざるテロリスト/DVD

2017年12月12日 19時19分40秒 | ■見る
2014年製作のロシア映画です。キャラクタが対照的な政府捜査官の男女二人が、別々な案件で捜査中に鉢合わせし、事件を解決する話です。リアリティも説得力もない脚本と演出でした。主演の男女が若すぎることはキャスティングのミスなのか、対象年齢を考えてのことなのか・・・。格闘場面はややましですが・・・。シリーズものです。 ------------------------------------------- . . . 本文を読む
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石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの

2017年12月11日 16時14分34秒 | ■読む
清武英利著、講談社刊 本書は、外務省のノンキャリアのエースが犯した犯罪を、警視庁の刑事が暴き遂には詐欺事件で立件し、有罪判決を勝ち取るまでのドキュメントです。主要な登場人物の人物像を掘り下げ、刑事達の地道な取材活動や覚悟を丹念に描いています。著者の正義感と愚直な生き方への一方ならぬ共感を感じました。こうした類いの作品で優れたものは、事実を通して著者の視線を感じるものですが、本書は、それ以上に著者の . . . 本文を読む
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スモーク・アンド・ミラーズ 1000の顔を持つスパイ/DVD

2017年12月10日 20時46分55秒 | ■見る
2017年日本公開のスペイン映画です。スペインの秘密捜査官が、国から裏切られたことから復讐のために詐欺を実行する話です。主人公の元秘密捜査官が実に魅力的なのですが、本作は、主人公の友人で共に行動するパイロットの回想での過去の出来事にパイロットが説明することで物語の展開が分かり易く大胆に簡略化されています。これにより、込み入った話を分かり易く作ることが可能になったと思います。 詐欺の大筋はともかく、 . . . 本文を読む
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ミミズのいる地球 大陸移動の生き証人

2017年12月09日 21時03分30秒 | ■読む
中村方子著、中公新書刊 ダーウィンの著書に触れミミズの研究を志した著者が、他の研究と平行してライフワークとして取り組んできたミミズの研究の成果を記しています。身近にいるミミズは、その生態や生態系への貢献の概要が知られていながら、詳しい研究は進んでないとのことです。本書では、生態系への貢献に一定程度触れながらも、著者の今までのフィールド調査の様子に多くを費やしています。期待した内容と異なりました。 . . . 本文を読む
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ゴースト・イン・ザ・シェル/DVD

2017年12月08日 19時21分14秒 | ■見る
2017年公開のアメリカのSF映画です。日本のアニメを基に作られているためか、架空の都市を舞台とする本作では、日本人の俳優が登場し、そこここに日本のテイストがちりばめられています。主要な俳優の演技が手堅く、CGは独特のテイストを表現する工夫を感じました。しかし、テーマ自体が暗く地味な作り方をしているせいか、アクション映画の要素はかなり薄い。一般受けはしないだろうと思います。しかし、私は気に入りまし . . . 本文を読む
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さもしい人間 正義をさがす哲学

2017年12月07日 20時09分12秒 | ■読む
伊藤恭彦著、新潮文庫刊 マイケル・サンデルの「ハーバード白熱教室」は忘れられない番組で、長年のもやもやした思いに道が付いたように思います。本書は、「正義」を研究テーマとする著者が、ごく分かり易く具体的に論を展開し、正義を実現するための考え方と目指すべき方向を明らかにしています。卑近な例と(自虐ネタを交えた)ユーモアをちりばめた有益な書籍でした。漠然と感じていた不快な言動が「さもしい」という言葉で理 . . . 本文を読む
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特捜部Q Pからのメッセージ/DVD

2017年12月06日 18時13分44秒 | ■見る
「特捜部Q キジ殺し」に続いて見ましたが、相変わらず濃いキャラが魅力的です。本作は誘拐事件を扱っていて物語の大筋は単純なものの、生い立ち故に歪んでしまった男の不気味さと哀れさ、主人公の人生観を洞察する犯人の発言、宗教に対するシニカルな見方など、深い印象を与える物語です。生きることがきれい事だけでは済まされない現実を描いていて秀逸ですが、原作と脚本の良さの両方の結果であるかどうか、原作を読まなければ . . . 本文を読む
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償いの椅子

2017年12月05日 17時28分31秒 | ■読む
沢木冬吾著、角川文庫刊 沢木さんの既刊6作品の2作目の作品です。他の5冊は読んでしまったので、最後の1冊でした。最初は辛い内容を含んでいて読み進めるのが辛く、何度か中断しましたが、中盤からはあっという間に読んでしまいました。非常に丁寧にプロットを作り上げた作品と思います。執筆時の気合いの入り方を想像しました。相変わらず登場人物の造形の確かさが光りました。読み応えのある長編小説でした。 ------ . . . 本文を読む
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嫌な女/DVD

2017年12月04日 20時41分33秒 | ■見る
2016年公開の日本映画です。黒木瞳さんが監督し、吉田羊さんと木村佳乃さんが主演で、多くのベテラン俳優陣が脇を固めています。下記URLによれば、テレビドラマで黒木さんが、本作の吉田羊さんの役を演じたとのこと。映画とドラマの両方で関わった作品であるためか、主人公の心の動きが丁寧に描かれ、良く作り込まれた見応えのある作品でした。結婚式の場面で無理な展開がありますが原作か脚本のどちらによるものなのでしょ . . . 本文を読む
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ユニコード戦記 文字符号の国際標準化バトル

2017年12月03日 17時43分51秒 | ■読む
小林龍生著、東京電機大学出版局刊 「EPUB戦記 電子書籍の国際標準化バトル」を読み感動したので、同じ著者がそれ以前に書いた本書を手に取りました。本書は、文字コードの国際標準化の世界に、成り行きで加わった著者と関係者の奮闘を描いています。私の知識が不足して分からない部分がありましたが、文字コードの成立過程や考え方がおおむね理解出来ました。 ユニコードが大きく騒がれた際には、西欧の文化に根差したユニ . . . 本文を読む
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特捜部Q 檻の中の女/DVD

2017年12月02日 17時18分49秒 | ■見る
2013年製作のシリーズ一作目です。結果として、第2作 => 第3作 => 第1作 の順で見てしまいましたが、本作で特捜部Qの成立の経緯、相棒のアサドとの関係が分かりました。本作は、ミステリーの王道といった趣の脚本で、本シリーズの根幹ともいえる犯人の「動機」をしっかりと描いています。そして、なんと言っても主人公カールの特異なキャラクタとアサドのできすぎ君の組み合わせが魅力的です。はらはらさせる展開 . . . 本文を読む
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